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2013-07-21(Sun)

イタリアの乗り物、その5(船)

北イタリアには湖水地方、ジェノヴァにはリヴィエラ海岸、南イタリア・シチリアの海と、イタリアには船が欠かせません。去年も大型旅客船が難破したなんてニュースがありましたので、ちょっと怖いかもしれませんが、船に乗って観光するのも気持ちの良いものです。

最初に紹介するのは、北イタリアの湖水地方です。ミラノからのリゾート地として一番メジャーであるコモは、まるで、箱根の芦ノ湖のように、いつも観光客がいっぱいです。とにかく、コモ湖は船からの眺めが最高です。下記の3枚の写真は全部コモ湖ですが、船よりも周りの景色を見てください。
001_01コモ 001_02コモ 001_03コモ

ミラノの人(ミラネーゼ)にとって、子供連れのリゾートはコモ湖よりもガルダ湖です。そのガルダ湖に突き出した半島の先にあるのがシルミオーネです。ここは欲張りな観光地で、綺麗なガルダ湖、中世のお城と街並、ローマ時代の遺跡。更に温泉まであります。このシルミオーネからイタリア国鉄の駅があるデセンツァーノまで(バスもありますが)定期観光船があります。下記の3枚はその写真です。
002_01ガルダ湖 002_02ガルダ湖 002_03ガルダ湖

私の大好きなオルタ湖にはサンジュリオ島が浮かんでいます(浮かんでいるように見えるのです)。そこには古い教会と修道院があって、オルタ・ンジュリオの広場から観光用の定期船(写真左)が通っています。マッジョーレ湖も宮殿のあるイソーラ・ベッラ(及びその先にある2つの島)まで観光用の定期船(写真中と右)が通っています。どちらも、綺麗な湖と綺麗な島、周りの景色と申し分のない遊覧が楽しめます。
003_01オルタ湖 003_02マッジョーレ湖 003_03マッジョーレ湖

リヴィエラ海岸まで南下する前に、ちょっと、北イタリアの大きな街に寄っていきます。写真左と中は、ご存じのヴェネツィアです。ヴェネツィア・サンタルチア駅にはたくさんの船が観光客を運ぶために待っています。マントヴァは三方を湖に囲まれた街です。旧市街を抜けて湖の畔に行くとカフェと観光船(写真右)がありました。
004_01ヴェネツィアサンタルチア 004_02ヴェネツィアサンタルチア 004_03マントヴァ

トリノにはポー川が流れています。ポー川には、やはり、観光船(写真左)があります。イタリアの東のはずれの街トリエステは、イタリアになる前にはオーストリアで唯一の海に面した港でした。港から運河(写真中)が旧市街まで伸びています。写真右は、ミラマーレ城への入口の漁村グリニャーノですが、今や、漁村というよりもリゾート地と言った方が良いでしょう。
005_01トリノポー川 005_02トリエステ 005_03グリニャーノ

リヴィエラ海岸は、海も気候も景色も最高です。何故か、ミラノが雨でもここに来ると快晴なのです。もちろん、日差しも鋭くなっています。写真右はサヴォーナのヨットハーバーです。手前に見える鉄橋はヨットが通る時に開くのです。写真中と右はジェノヴァの近くの漁村カモーリです。ジェノヴァに近いのでリゾート客が多いですね。海岸に並ぶカラフルな建物と緑の丘と青い海と白い船が最高の調和を見せてくれます。
006_01サヴォーナ 006_2カモーリ 006_3カモーリ

さて、チンクエ・テッレです。東のポルト・ヴェーネレか始めます。写真左はポルト・ヴェーネレ沖合の3つの島(世界遺産にも入っています)を巡る観光船です。写真中はチンクエ・テッレの5つの村を巡る観光船です。それにしても海が青いですね。写真右は、ポルト・ヴェーネレと観光船を丘の上のお城から写した写真です。
007_01ポルトヴェネレ 007_02ポルトヴェネレ 007_03ポルトヴェネレ

写真左は、チンクエ・テッレ遊覧船で、写真中はその船からの眺めです。写真右は、その時に見かけた黒い帆船です。観光用の乗り物かもしれません。
008_01チンクエテッレ 008_02チンクエテッレ 008_03チンクエテッレ

写真左と中は、チンクエ・テッレで見かけた地中海に浮かぶヨットです。写真右は、チンクエ・テッレより更に東にあるリゾート街レリッチです。中世のお城とカラフルな建物と海とヨットが調和しています。
009_01チンクエテッレ 009_02チンクエテッレ 009_03レリッチ

最後の3枚は、ナポリとカプリ島です。写真左がナポリの港で、写真中がカプリ島の港です。そして、写真右が、ナポリとカプリ島を結んでいる定期船です。
010_01ナポリ 010_02カプリ島 010_03ナポリカプリ島

これで、船の写真は終わりです。イタリアの乗り物の特集も今回が最後となります。次回からは、各街に必ずあるモニュメントをまとめてみるつもりです。
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2013-06-16(Sun)

イタリアの乗り物、その4(列車)

イタリア国鉄と言えば、まずユーロスターから紹介しなくてはいけません。日本なら新幹線です。実際に乗ってみると快適で、清潔で、しかも速く、非常に便利です。特に、ミラノからフィレンツェまで1時間45分なのですから、フィレンツェやその先まで、ミラノからの日帰り旅行の範囲内に入ってしまいます。ミラノからヴェネツィアまでのユーロスターは普通列車と同じ線路を走りますので、速度はそれほどでもありませんが、それでもヴェネツィアまで2時間半ですからヴェネツィアだけでなく、その間にある世界遺産に登録されている各都市も、ユーロスターを使えば、日帰り旅行ができます。但し、ちょっと、運賃が高額になります。
001_1ユーロスター 001_2ユーロスター 001_3ユーロスター

ユーロスターはイタリア国内だけではありません。ミラノからスイスを初めとした国外にも簡単に行くことができます。パスポートチェックも厳しくないので国内旅行の感覚で行けるのです。但し、パスポートは必携です。下記の写真は、スイスのベッリンツォーナに行った時のユーロスターです。
002_1国際線ユーロスター 002_2国際線ユーロスター 002_3国際線ユーロスター

汚くて有名なイタリアの列車を、綺麗な列車の順番に並べてみますと、次に来るのは、田舎に行く列車です。特に、電車ではなくディーゼル列車でしか行けないような田舎への列車は、とても綺麗なのです。写真左はビエッラの駅に着いた列車です。写真中はヴァラッロ駅です。御覧のように、両方の列車とも電気ではなくディーゼル列車です。写真右は、そのディーゼル列車の内部です。田舎行の列車は、乗客も少なく、おまけに綺麗なので快適です。
003_1ビエッラ駅 003_2ヴァラッロ駅 003_3ディーゼル列車

写真左もディーゼル列車ですが、ブレーシアからイセーオ湖の東岸を通りカモニカ渓谷を抜けてアルプスの麓まで行く私鉄のノルド線です。この列車も、外側も内側も、とても綺麗でした。ノルド線は、ミラノのカドルナ駅からヴェレーゼとコモにも走っています。写真中と写真右は、ノルド線のコモの駅です。列車も駅もとても綺麗です。イタリア国鉄を使ってもコモに行くことが出来ますが、どうせ行くなら綺麗なノルド線を利用することをお勧めします。湖の直ぐ傍に駅がありますので、列車を降りた時にはリゾート気分です。
004_1ノルド線ブレーシア 004_2ノルド線コモ 004_3ノルド線コモ

ここまで紹介した列車は、日本の列車と遜色ないほど綺麗なのですが、ここからは、日本と比べるべきではないような列車となります。日本の列車が綺麗すぎるのであって、日本以外の国際基準はこの程度なのです。ですから、文句を言わずに我慢しましょう。その中でも比較的に綺麗な列車は、ミラノからジェノヴァ経由で東西リヴィエラ海岸に行くイタリア国鉄インターシティです。この列車は、一番数多く利用しました。週末には、ミラノからリヴィエラ海岸に行く人で、結構、混んでいます。多分、この路線は黒字でしょう。写真左は、ミラノのロゴレド駅に入るインターシティです。写真中が列車の内部で、写真右がチンクエ・テッレの一つであるポルト・ヴェネーレに行く時に降りる駅ラ・スペッツィアです。この列車は、ミラノからピサ中央駅まで行きます。
005_1インターシティロゴレド駅 005_2インターシティ内部 005_3インターシティスペツィア駅

どちらかと言うと、ミラノからリゾート地に行く列車が比較的綺麗なようです。でも、南イタリアは違うようです。シチリアでも列車に乗りました。パレルモからタオルミーナへの移動で、遅れることで有名なイタリア国鉄に乗りました。でも、シチリアに住んでいる人から、パレルモからメッシーナまでの列車は景色が良いと言われて勧められたのです。時間的には、高速バスが便利なのですが、バスは内陸を走るので単調な景色が続き、皆、寝てしまうそうです。それに、普通列車に乗れば、それほど大幅に遅れることはないのです。要するに、普通列車も、急行も特急も同じ線路の上を走るので、どれか1本でも遅れると全部が遅れてしまいます。しかし、急行や特急は大幅な遅れとなってしまいますが、普通列車なら影響は少ないのです。でも実際には、我々の列車は、定刻にパレルモを出て定刻にメッシーナに到着しましたので、心配の必要はありませんでした。写真左は、パレルモ駅です。パレルモはシチリアで一番大きな街ですが、駅も列車も、とても綺麗とは言えません。写真右は、メッシーナで乗換えてタオルミーナまで乗った列車です。シチリアで一番きれいな街タオルミーナに行く列車も綺麗ではありませんでした。
006_1パレルモ駅 006_2タオルミーナ駅

ナポリの列車はもっと酷い。さすがナポリですね。そこがナポリの良いところでもあるのです。写真左は、ナポリからポンペイにいく私鉄です。外側は掃除したことがないみたいな列車です。写真右は、その列車の内部です。椅子と床は掃除しているようですね。でも、どう見ても列車の内部には見えません。
007_1ナポリ 007_2ナポリ列車の内部

下記はミラノ近郊の駅とイタリア国鉄普通列車の写真です。最初の写真(写真左)はミラノ中央駅です。やはり、この駅には風格がありますので、普通列車も引き立つのですね。次の写真(写真中)はミラノの南側の玄関口であるロゴレド駅です。この駅からノヴァーラ行の普通列車が出ていたのですが、あまりに乗客が少ないために廃止になってしまいました。そのノヴァーラ行の列車です。写真右はミラノのすぐ南の街ローディ駅です。この駅はピンク色の可愛い駅ですが、列車はこんなものです。こんなに晴れているのにフロントガラスにはワイパーの跡がくっきり残っています。いつから洗っていないのでしょうか。
008_1ミラノ中央駅 008_2ロゴレド駅 008_3ローディ駅

ミラノからちょっと離れて、ジェノヴァの駅が写真左です。ジェノヴァの駅は大きくて迷路のようです。でも、意外と綺麗な駅でトイレもいつも綺麗でしかも無料でした。写真中はセストゥリレヴァンテ駅を通っている非常に珍しい全両2階車両の列車です。写真右は工事中のパルマ駅です。この写真は2010年ですから、今頃は綺麗な新駅になっていると思います。
009_1ジェノヴァ駅 009_2セストゥリレヴァンテ駅 009_3パルマ駅

写真左はトリエステ駅です。イタリアの東の果ての街ですので、ここからクロアチア方面への国際列車も出ています。写真中はウルビーノへの玄関口であるペサーロ駅です。写真右はヴェローナからボルツァーノまで行く列車の途中にあるトレント駅です。駅の写真はいっぱいあるのですが、どこも同じようなのでこのあたりで止めることにします。
010_1トリエステ駅 010_2ペサーロ駅 010_3トレント駅

最後に、イタリア名物の汚い列車の写真です。汚いと言っても、見る人が違うと芸術なのかもしれませんね。このような落書き列車はミラノから近郊に行く列車に多いのです。要するに、イタリア人しか乗らないような列車なので汚れていても気にしていないのだと思います。写真左はモンツァの駅に停まっていたミラノ行の普通列車です。モンツァからミラノまでは15分くらいです。写真中はブレーシアに停まっていたミラノ行の普通列車です。ブレーシアもミラノと同じロンバルディア州にあります。写真右は、同じくロンバルディア州にあるクレマ駅の近くを通る普通列車です。いずれも見事な落書きですね。
011_1モンツァ駅の落書き列車 011_2ブレーシア駅の落書き列車 011_3クレマ駅の落書き列車

次回は、船の特集です。観光の乗り物でも少しだけ紹介しましたが、まだまだ、いっぱいあったので、まとめてみることにします。
2012-07-02(Mon)

イタリアの旅行計画、その11(ふれあい編)

また、前回の更新から大分経ってしまいました。前3回でトラブルの話をしましたが、トラブルは悪いことばかりではなく、トラブルのおかげで思わぬ“ふれあい”があり、イタリア人を良く知る上での絶好の機会にもなったのです。イタリアの公共交通機関のだらしなさよりも、親切なイタリア人に対する感謝の気持ちが大きく、決して、悪い思い出とはなっていません。

もちろん、“ふれあい”はトラブルに逢わなくても、経験できます。今回は、そんな忘れられない“ふれあい”をまとめました。もちろん、ここに書いた以上に“ふれあい”があり、その全部が良い思い出になっているのですが、今回は、その中から、特に忘れられない5つを抜き出しました。

1. クレモナの携帯電話
クレモナに行った時、携帯電話がいきなり真っ暗になり、スイッチを入れなおしても全く動かないのです。旅行の写真は携帯電話をカメラ代わりに使っていたので大問題です。すぐに、街の携帯電話ショップに飛び込んで、調べてもらいましたが、バッテリーの問題ではなく、本体が壊れたとのこと。そこで、写真機能が充実した新しい携帯電話をカードで購入したのですが、その店の女の子は壊れた携帯のデータを新しい方に移す方法がわからないのです。若い女の子でしたが、たどたどしい英語でとても親切でした。色々と試したが駄目だったので、ついに、彼女は、近所のパソコンショップを紹介してくれました。そのパソコンショップには若いお兄さんがいて、彼もとても親切で、携帯電話データの転送など、今までにやったことがないのに、いろいろと調べてくれて、ついにデータ転送をやってくれました。この2人の親切な若い男女に会って、クレモナが大好きになりました。おかげさまで、いつものように、写真もたくさん写すことが出来ました。
11_クレモナ_001 11_クレモナ_002 11_クレモナ_003

2. フィナル・ボルゴの親切なご婦人
フィナル・ボルゴの観光を終えて、次の街であるノーリにバスで移動する際、停留所の場所がわからず、ひとりで困っていると、親切なご婦人が声をかけてくれて、停留所の位置を教えてくれました。しかし、停留所の位置はちょうど街の反対側だったのです。その上、イタリア語だったので、言っていることが良く理解が出来ずにいると、このご婦人は、わざわざ、街の反対側の停留所まで連れて行ってくれたのです。実際に、停留所の位置は非常に分かりづらく、ご婦人が連れてきてくれなかったら、絶対に見つけることは不可能でした。フィナル・ボルゴ(左、中)とノーリ(右)の写真です。
22_フィナールボルゴ_001 22_フィナールボルゴ_002 22_ノーリ街並_13

3. カステッラロ・ラグセッロのバールの主人
ここは、デセンツァーノ駅前からバスで30分弱のところにあるのですが、バスの本数が少なく、ほとんど陸の孤島状態の小さな「最も美しい村」です。帰りのバスを待ちながら、バス停のある広場に面した小奇麗なバールで軽食を取っていると、バールの御主人が、この小さな村で作られた白ワインを薦めてくれました。他のお客も全員、同じ白ワインを飲んで陽気に喋っているので、それにつられて飲んでみると凄く美味しい。例によって、バールの御主人のワインの自慢話が続きます。バスが来ないので、ご主人にバスは何時なのか聞くと、「今日は学校が休みだからバスは来ないよ」とニコニコしながら答えます。でも、知合いのタクシー(白タク)を呼んでくれて、ここに来た時よりも安い金額でデセンツァーノまで送ってもらいました。
330_カステラッロ入口_004 331_カステラッロ城内街並_020 332_カステラッロ城外から_012

4. ヴァルツィのバス運転手
ヴァルツィの街外れで、ザヴァタレッロに移動するバスに乗って座っていたところ、マフィアのような怖い顔をしたバスの運ちゃんが私のところに来て、もちろんイタリア語で何やら言っています。英語で答えると、今度は、かなりめちゃくちゃな英語で「今からザヴァタレッロに行くと、今日中にヴァルツィに戻ることが出来るバスはないよ」と、如何にも東洋系の旅行者に見える私に対してアドバイスしてくれていたのです。ザヴァタレッロで降りる時も、「この停留所に何時にパヴィア行きのバスが来るよ。1本しかないから乗り遅れないように。」とアドバイスもしてくれました。最初は怖かったけれど、顔に似合わず親切な運ちゃんでした。ヴァルツィとザヴァタレッロ(右)の写真です。
44_ヴァルツィ・街の外から_004 44_ヴァルツィ・街並_024 44_ザヴァッテレーロ外_012

5. カステラルクァートのタクシー
日本人以外の外国人には有名な観光地カステラルクァートは、絶対にお薦めです。でも、ここもフィオレンツォーラからバスで20分のところで、バスの本数が少ないのです。特にこの日は日曜日だったので、バスがなく、フィオレンツォーラの街中でベンツのタクシー(白タク)の中で寝ていた運ちゃんを起こして、タクシーで行ったのですが、この運ちゃんがすごく親切で、「タクシーは高いから帰りはバスが良いよ」とアドバイスをくれて、帰りのバス乗り場とバスの時間を教えてくれました。更に、観光しながら裏道を通ってカステラルクァートの丘の一番上まで行ってくれたのです。料金も普通のタクシーよりかなり安かったようです。帰りは、アドバイスに従って、バスで戻り、フィオレンツォーラの街で同じ所で車を止めて寝ていた運ちゃんを起こしてお礼を言うと、自分のように喜んでくれました。本当にいい人です。カステラルクァートの写真です。
55_ロッカ・ヴィスコンティ_04 55_街並_08 55_街並_13

地図を見ながら街を歩いていると、迷子になったのかと心配して声をかけてもらったり、バールで1ユーロのエスプレッソを飲んでいると、つまみを出してくれたり、聞いてもいないのにトイレを教えてくれたり、田舎の街では、親切な人といっぱいふれあいました。アクィレイア(写真左)では、チケット無しでバスに飛び乗ったら、運ちゃんが次の停留所にあるチケット売り場で停まって、他の乗客がいるのにチケットを買うまで待っていてくれました。乗客の誰ひとり不平も言わすにニコニコして待っていてくれました。同じように、コンピアーノ(写真中)でも、パルマまでのチケットを持っていなかったら、途中のチケット売り場で停まってくれて、チケット購入までバスを停めて待っていてくれました。ルーニ(写真右)の考古学博物館では、管理人と警備員の5人全員が、慣れない英語でたった一人の珍しい日本人を案内してくれました。イタリアの田舎の街にはイタリア人との素晴らしいふれあいはいっぱいあります。
66_アクイレイア_020 66_Compiano城_020 66_ルーニのローマ遺跡街並_02

今回は長くなってしまいました。これで、“ふれあい編”は終わりです。次回はまだ考えていませんので、これから考えます。
2012-06-09(Sat)

イタリアの旅行計画、その10(公共バスのトラブル編)

また、ブログの更新に時間がかかってしまいました。前回に引き続き、公共交通機関のトラブルをまとめました。今回は、公共バスのトラブルですが、実は、トラブルではありません。これらのほとんどは、知らなかったことが原因であり、イタリアの公共バスに問題があるわけではないのです。要するに、その国の言葉が出来ない事が大きな理由のひとつです。日本にいる外国人も同じ様なトラブルに逢うのでしょうね。

列車の旅行は、イタリア国鉄や私鉄の情報が、インターネットですぐに入手できるので、簡単に計画を練ることができるのですが、そこに、公共バス利用が入ると、急に難しくなってしまいます。まず、インターネットでバス会社のホームページを探して、更に時刻表を探すところから始まります。バス会社のホームページは、ほとんどがイタリア語で、しかも、いろいろと但し書きが書いてあるので、それらを理解するのが一苦労です。グーグル翻訳などを使って、それでも何とか計画が出来たとしても、実際に乗る時は、日本では想定外のこまごまとした問題に遭遇します。

1. 乗るところがわからない
列車の駅の駅前広場からバスが出るのなら、駅のキオスクでバスチケットを購入して、乗り場を聞いてバスに乗れば良いので、それほど苦労はしません。但し、街内を走るほとんどのバスは、列車の駅前に停留所があるのですが、街から郊外に行くバスは、駅から離れた所にあるAuto Stazione(バス乗り場)から乗る場合が多々あります。その時は、バス乗り場の位置をちゃんと調べておかなければいけません。要するに、バス乗り場まで駅前から街内バスに乗るか歩いて行く必要があります。そこで、事前にインターネットやグーグルマップで探すのですが、どうしても見つからない時は、グーグルアースで探したこともあります。でも、わざわざバス乗り場まで歩いて行って、バスに乗ったら、バスは歩いた道を駅前まで戻って駅前にあったバス停に停まったこともありました。まあ、これくらいのトラブルは最初から覚悟しなくてはいけません。写真は、綺麗にアルプスが見えたピエモンテ州のビエッラ駅(左)とそこからバスで行くカンデーロ(中と右)です。
11_ビエッラ駅と駅前_001 11_カンデーロ・リチェット城外_012 11_カンデーロ・リチェット城内_025

2. 降りる停留所がわからない
バスに乗って出発しても安心はできません。次は降りる停留所の心配をしなくてはいけません。大きな停留所にはその停留所の名が書いてありますが、小さな停留所には何も書いてありません。どっちにしても、自分が降りる停留所に着く前にブザーを鳴らさなくてはいけないのですから、停留所に着いて場所を確認した後からでは遅すぎます。降りる場所の地名だけを覚えていても、小さな停留所には場所の名前は書いていないので、今どこを走っているのか直ぐにわからなくなってしまいますのでどうしようもありません。また、幾つ目の停留所かを調べておいても、乗降客のない停留所は停まらずに通過してしまうので、今幾つ目のてお竜所であるかも直ぐに分からなくなってしまいます。おまけに、バス内放送もほとんどありません。従って、公共バスに乗ると全くと言って良いほど、どこで降りるのかがわからなくなります。かろうじてわかるのは終点まで乗る時だけです。ですから、一番大事な事は、バスに乗った時に、運転手さんに降りる停留所の名前を告げて、このバスが目的地に行くかどうかを確認したうえで、必ず、運転手さんのすぐ傍の席に座って、そこに到着したら呼んでもらうように頼むことです。
写真は、ミラノから1時間40分の公共バスの旅で行ったソンチーノです。ここで降りるときは、ちゃんと運転手さんに呼んでもらいました。イタリアのバスの運転手さんは皆親切で、これまで教えてくれなかった運転手さんは一人もいません。
22_サンタンジェロ・ミル_02 22_ロッカ・スフォルツェスカ_03 22_街並と城壁_05

3. 日曜・祝日と夏休みの時刻表(バスが無いのでタクシーの利用)
公共バスは、原則として、車の運転が出来ない学生が学校に行く時に利用することを考えています。従って、学校のない日曜日と夏休み期間(6月中旬から8月いっぱい)は、バスの本数がかなり少なくなります。時刻表も日曜日と夏休みは別になっていますので注意が必要です。また、土曜日も、特に午後は本数が少なくなります。このことを頭に入れておかないと、あると思っていたバスが来ないことになってしまいます。
イタリア国鉄のペスカトーレ・デル・ガルダ駅前でボルゲット村に行くバスを待っていたのですが、予定を過ぎても全然来ないのです。そこで、停留所の時刻表を良く見ると、ちょうどその日から夏休みに入っていたので、バスの本数が減りボルゲット村へのバスがほとんどなくなっていたのです。仕方なくタクシーを使ってしまいました。当然ながら、帰りのバスもなかったので、近くの街ヴァレッジョから観光地であるヴェローナ行きのバスを見つけて、ヴェローナからミラノに戻りました。有名観光地のバスは、観光客に優しいので日曜日や夏休みでも便数が減らないのです。写真はボルゲット村とヴァレッジョです。
33_バレッジョのボルゲット村。 011 33_バレッジョのボルゲット村。 013 33_バレッジョのボルゲット村。 028

4. 無賃乗車(バス編)
当然ながら、バスも無賃乗車を見つかれば罰金です。また、列車と同じようにチケットを持っていても打刻をしていなければ罰金です。ごく稀にですが、バス会社の人が数人で、バスを降りる人のチケットをチェックして無賃乗車の摘発を行っています。運の良いことに、摘発されたことは一度もありませんが、無賃乗車は何回かしたことがあります。もちろん、その時は事情があって仕方なく無賃乗車をしました。もし、見つかったら、罰金(バス運賃の30倍ほど)です。
ベルガモからコルネッロ・ディ・タッソに向かう時、ベルガモのバス乗り場でチケットを購入しようとすると、さすがに天下の観光地であるベルガモです。英語のできる切符売り場の人が、この日は“アルピニストの日”なので、アルプス方面に向かうバスは無料だと言われました。こんなこともあるのです。堂々と罰金無しの無賃乗車の日でした。写真は“アルピニストの日”のベルガモとコルネッロ・ディ・タッソです。
44_ベルガモお祭り_011 44_コルネッロ村並_007 44_コルネッロ村並_014

5. チケットの購入方法が良く分からない
公共バスのチケットの購入方法はいろいろあります。街内のバスは、駅のキオスクや街のバールで購入できます。郊外に向かうバスは、Auto Stazioneにある切符売り場で購入する場合が多いと思いますが、キオスクやバールでも購入できる時もあります。バス会社によっては、キオスクやバールで売っていない事もあります。そんなバスは、乗る時に車掌さんから購入するのです。車掌さんから購入するバスが一番安心です。チケットを買う時に、このバスが目的地に行くことを確認できますし、目的地に着いたら知らせてもらうようにお願いするのも簡単です。但し、バス会社によっては、運転手さんからチケットを買うことが出来ますが、キオスクやバールで購入するよりも割高(10~20%ほど)になることがあります。それでも、罰金よりは大分助かります。
日曜日にパヴィアの修道院へ行った時、パヴィアの駅からバスで行ったのですが、日曜日でしたので帰りのバスまで2時間以上待たなくてはいけない事がわかりました。でも、偶然、同じ停留所に違うバス会社のミラノ行バスが来たので、チケット無しでそれに乗ってしまいました。そのバスは、運転手さんからチケットを購入するシステムだったのです。ラッキーでした。写真はパヴィアの修道院です。
55 パヴィア修道院_001 55 パヴィア修道院_00255 パヴィア修道院_003

これらのトラブルは、実際に、どうってことない小さな話です。万が一、罰金(バス料金の30倍ほど)を取られてもたかが知れているので、心配することはありません。それに、これまで、上記に書いたトラブルに何回か遭遇していますが、イタリア語が出来なくても100%何とかなっています。要するに、田舎のバスの運転手さんは100%親切な人だったのです。ですから、心配しないで公共バスを利用した旅行を楽しみましょう。
2012-05-21(Mon)

イタリアの旅行計画、その9(列車のトラブル編の続き)

気がついたら、前回の更新から1カ月近く経ってしまいました。それでは、残りのトラブルを書いて行くこととします。残りの2つを書く予定でしたが、強く印象に残っているトラブルは全部で6つありましたので、今回は、残りの3つを書くことにします。従って、4番から始まります。

4. 列車の遅れで乗り換えに間に合わず(ジェノヴァ)
ミラノからルッカに行く時です。ミラノからジェノヴァに行って、ジェノヴァからローマ行きのインターシティに乗る予定でしたが、ジェノヴァに着いたのが20分遅れたので、到着10分後発のローマ行きはすでに出てしまった後でした。他の乗り遅れた乗客と一緒に駅のインフォメーションで次のインターシティのチケットに変更してもらったのですが、次のICは1時間後に出る上に、所要時間も40分も多くかかるので、ルッカ到着は合計で予定より2時間遅れとなってしまいました。それでも、追加料金なしで目的地に着いたので、まあ、良い方かもしれません。但し、乗った列車は満員で、指定席が取れず、1時間半の乗車時間は、あっちこっち空いている席を渡り歩いていました。この影響で、この日の旅行は、全てが2時間遅れとなってしまって、最終的には、アッシジのホテルで寝る時間まで2時間遅れです。写真はルッカです。
44_ルッカ__グイニージ塔_008 44_ルッカ__ローマ劇場広場とその周りの道_002 44_ルッカ_ローマ劇場広場とその周りの道_005

5. 列車のドアが開かずに降りられず
ヴェローナからトリエステに向かう時です。ヴェネツィア・メストレで、ユーロスターからトリエステ行きの普通列車に乗り換える予定でしたが、ヴェネツィア・メストレで、乗っていた車両のドアが開かないのです。イタリア人を含む5,6人の乗客と騒いで、ドアをたたいたのですが、結局、ユーロスターは無情にも走り出して、次の駅であるヴェネツィア・サンタルチアまで連れて行かれてしまいました。ヴェネツィア・サンタルチア駅で、事情を話して(ここは、さすがに英語でも大丈夫)、どうすれば良いかを聞いたところ、運の良いことに次のトリエステ行きが40分後にありました。従って、ヴェネツィア・サンタルチアを40分間歩いて観光することが出来たのです。もちろん、追加料金なしです。写真はヴェネツィア・サンタルチアです。
55_ヴェネツィア 164 55_ヴェネツィア 165 55_ヴェネツィア 172

6. 切符に打刻印を記録できず
地方の駅に行くと、切符の打刻機が壊れていることが良くあります。そんな時は、自分で、手書きで時刻を入れたり、列車に乗ってから車掌さんに事情を話して、車掌さんに時刻を記入してもらったりして対処するしかありません。そんなトラブルは日常茶飯事ですが、もちろん、罰金無しで処理してくれます。しかし、打刻機がある場合に、打刻忘れや、意識して打刻しなかった場合は、当然ながら罰金となります。1回だけ罰金を取られたことがあります。この時、列車の発車時間ぎりぎりに駅に着いたので、そのままホームに走って、発車しようとしている車掌さんに声をかけて、なんとか列車に飛び乗ることが出来ました。当然、打刻する余裕はありませんでした。列車が走りだしてから、“はあはあ”言いながら、車掌さんに打刻してない旨を伝えると、車掌さんはニコニコ笑いながら5ユーロの罰金の請求書を出してきました。この列車に乗れなかったら、更に数時間も待たないといけなかったので、5ユーロなら安いものだと考え直して、笑顔の車掌さんに支払いました。写真は、列車に飛び乗った駅、西リヴィエラ海岸の避暑地、サヴォーナです。この駅舎は北イタリアで一番近代的な建造物でした。
66_サヴォーナ駅_002 66_サヴォーナ海岸_003 66_サヴォーナ街並_006

今回は、2回にわたって、イタリアの列車で遭遇したトラブルをまとめて見ました。ちょっと長くなってしまいましたね。日本の列車は本数も多く、時間も正確だと言われますが、はたしてそうでしょうか。最近はコンピューター制御であり、安全確保が最優先なので、ちょっとしたことで、すぐに停まって確認することが多くて、昔に比べると良く遅れます。但し、日本では、日本語で遅れの原因を説明してくれますので、すぐに次の手を打つ事が出来ます。しかし、言葉のわからない外国では、何が起こっているのか分からず不安になってしまいます。このことが日本と外国との大きな違いではないでしょうか。ですから、イタリアの列車は遅れてばかりいる訳ではありません。但し、ストライキが多いのは困りものです。

日本の観光客が、一番びっくりするのは、ユーロスター以外の列車が、すご~く汚いことです。外側は落書き、窓は汚れて外が見えない、車内の清掃もほとんどしていません。トイレが使える列車は稀にしかありません。でも、列車だけではありません。街の中もとても綺麗とは言えません。観光客が多い観光名所は綺麗でも、一歩裏道に入るとすご~く汚いのです。煙草の吸殻や犬の糞があちこちに落ちています。古い建物は汚れている上に落書きがいっぱいです。裏通りにはあちこちに洗濯物が干してあります。日本人にはちょっとビックリですが、それこそが長い歴史が造り上げた文化であるように感じます。シンガポールや中東の街は、街自体はとても綺麗なのですが、街自体が無機質の様で、街の文化を感じることができません。狭い路地に干されている洗濯物が、その街の文化を代表するような気がします。もちろん、イタリアにも綺麗な街があります。特に、田舎にある小さな街や村はとても綺麗です。住んでいる人が少ないこともありますが、周りの綺麗な自然と共存している意識が、綺麗な街を維持しているのだと思います。

駅の写真です。最初の3枚は小さな田舎駅です。左はオルタ湖に近い駅オルタ・ミレシモ、中はジェノヴァの山奥のカンポ・リグーレの駅、右はアルプスの麓のヴォゴーニャ駅(無人駅)です。
列車オルタ湖 046 列車カンポリグーレ駅 033 列車_Vogogna駅_002

次は中くらいの規模の駅です。左は西リヴィエラにあるフィナル・リグーレ駅、中は文字に特徴のあるアッシジ駅、そして右はヴェローナ駅です。
列車フィナールボルゴ 033 列車_アッシジ駅_002 列車_ヴェローナ駅 052

最後の3枚は大きな駅です。左は、山が綺麗なボルツァーノ駅、中はジェノヴァ駅、そして右がトリエステ駅です。
列車_ボルツァーノ駅_002 列車_ジェノヴァ駅_006 列車_トリエステ駅_006

次回は、公共バスのトラブルをまとめてみます。
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matsuohj (パパロンチーノ)

Author:matsuohj (パパロンチーノ)
2008年10月20日から2010年8月23日までの1年10カ月ミラノに滞在。その期間、北イタリアを中心に115ヶ所の街を訪ねました。それも、ほとんどが公共交通機関を利用したものです。この経験で得た情報を一人でも多くのイタリア好きの人に伝えるためのブログです。

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