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2010-10-30(Sat)

サクラ・ディ・サン・ミケーレ修道院

大天使ミカエルを拝した修道院は、イタリアからフランスに繋がるスーサ渓谷を見下ろす標高962メートルの山の頂上にあります。トリノの東42キロにあるこの修道院へは、トリノから列車に乗って30分弱のアヴィリアーナまで行って、そこから、タクシーで山の頂上まで行くしか方法がありません。しかし、今回は、ミラノから車を出してもらえることになり、約3時間のドライブで行くことが出来ました。

この修道院は紀元983から987年の間に建設されて、もともとはベネディクト会修道院の総本山でした。12世紀にはその影響力が頂点に達して、全ヨーロッパに及ぶ140の修道院を傘下に納めて、ここにも100人以上の修道僧がいたそうです。有名なモン・サン・ミッシェルもその一つで、同じ建築家によって建てられたので良く似ているそうです。サヴォイア家の支配下に入った1622年に、経済状況の悪化により修道院は閉鎖されて、廃墟となっていました。しかし、1836年に聖職者であり哲学者としても有名なアントニオ・ロスニーニに譲られ、それ以降、彼の宗教組織であるロスミニアンの修道院となっています。
この修道院が建っているのは岩山の頂上です。駐車場から登り道を歩くとその全貌が目に飛び込んできて思わず歩きを停めて見入ってしまうほどの迫力があります。
12122009_サクラディサンミケーレ_00612122009_サクラディサンミケーレ_008 12122009_サクラディサンミケーレ_011
建物は山の岩を巧みに利用していますので、修道院の中も外もところどころに自然の岩肌が露出しています。従って、とても頑丈に出来ているようです。10世紀後半に建てられた“悪魔の階段”と呼ばれるロマネスク様式の建物がこの建物の一番下の部分で、その上に12世紀から17世紀に渡って度々改修されたゴシック様式の建物が建てられています。建物全体を下から眺めると天にも聳えるばかりの高さを感じます。
12122009_サクラディサンミケーレ_016 12122009_サクラディサンミケーレ_018 12122009_サクラディサンミケーレ_020

教会の中に入ると、16世紀に描かれたフレスコ画があり、教会の周りには初期(10世紀)建物の遺構が残されています。これらの遺構は戦時中に爆撃のターゲットとされて破壊されたものです。但し、教会の地下部分には、まだ食物の貯蔵庫や井戸が残されています。
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修道院に入るには入場料金(4ユーロ)が必要です。入場口から観光用のルートが示されていますのでそれに沿って進めばすべてを見ることが出来ます。また、ところどころに展望台があり、そこから360度の素晴らしいパノラマが望めます。この日は、生憎の曇り空でアルプスまでの展望は望めませんでしたが、それでも標高962メートルからの展望は圧巻です。この修道院の外観も素晴らしいのですが、ここからの眺めもそれに負けていません。何故か、受付には日本語の説明書が用意されていますので日本人の観光客も来るのでしょう。一周するには少なくとも2時間は必要です。
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トリノの直ぐ近くなのですが、ここは山々に囲まれた自然豊かなところです。アヴィリアーナの街周辺には2つの湖があり、その近くの丘の上にはお城も見えました。トリノと違って、ここにはゆっくりとした時間が流れています。できれば、その中に浸りゆっくりとしたいところでもあります。
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今回は、ミラノから車で3時間掛けてここまで来ましたが、公共交通機関を利用して、ミラノから日帰りはかなり難しいと思います。トリノから列車で約25分のアヴィリアーナ(片道2.2ユーロ)までは、ミラノ中央駅からだとトリノ乗換を入れて3時間以上はかかると思います。加えて、アヴィリアーナ駅からタクシーを半日チャーター(100ユーロ弱必要?)しないと行くことが出来ませんので、経済的にもお勧めできません。ですから、ここは、トリノをベースに観光するのがベストだと思います。トリノからなら、半日又は1日のツアーがあると思います。また、1週間パスを使って、列車で来ても良いかもしれません。
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2010-10-28(Thu)

オルジャスカ、ピオナ修道院

今回はミラノの北、コモ湖の沿岸にある修道院です。コモ湖の周辺には3つの有名な古い修道院があります。一つは先日、大変な思いをしてたどり着いたチヴァーテのサン・ピエトロ・アル・モンテ修道院、次が、余りに遠くて行くことを断念したオッスッチョの山奥にあるサン・ベネディット修道院、そして、今回訪ねたオルジャスカのピオナ修道院です。オルジャスカはコモ湖先端の東岸にある街コーリコの南、コモ湖に突き出た半島にある村です。この村を更に半島先端に向かって進むと、最先端に世俗と隔離されたピオナ修道院があります。3つの中では、山の上ではないので、一番楽に行けるところかもしれません。しかし、最寄の駅から4キロ離れていて、しかも、その区間には公共交通機関が存在しないのです。要するに、4キロの道のりを(車がない人は)歩く以外にはないのです。
26092009_04_オルジャスカ村_02 26092009_05_修道院への道_01 26092009_06_ピオナ修道院入口_01

この修道院は7世紀初めに修道士の共同体を設立したことに始まります。824年のこの区域の修道院リストにその名が入っていることでも確認されています。修道院の教会は10,11世紀前後の初期ロマネスク様式で、石を積み上げた壁に木造の瓦葺屋根でファサードはありません。教会内部のフレスコ画は祭壇部の壁と天井に残っています。また、壁に掛けられた青銅のパネルにキリストの受難が描かれていました。ロマネスク様式の窓の少なくて暗いシンプル教会ですが重い雰囲気があります。
26092009_06_ピオナ修道院入口_04 26092009_07_ピオナ修道院教会_03 26092009_07_ピオナ修道院教会_07

回廊は、教会から100~200年遅れて建てられたようで、後期ロマネスク様式となっています。後期ロマネスクになると芸術性が増して、中庭との調和も良く取れていて、修道院らしい素晴らしい回廊です。回廊の壁にもフレスコ画が残っています。
26092009_08_ピオナ修道院回廊_01 26092009_08_ピオナ修道院回廊_13 26092009_08_ピオナ修道院回廊_04

修道院の周りは整備された公園になっていて、コモ湖と周りの山々の素晴らしい景色を望むことが出来ます。但し、この修道院内には、現在でも修道士が生活していますので、そのエリアには入れません。コモ湖の沿岸にあるアヴェ・マリアの像がとても印象的でした。
26092009_09_ピオナ修道院教会外観_02 26092009_10_ピオナ修道院教会敷地内_02アヴェマリア 26092009_10_ピオナ修道院教会敷地内_10

この修道院には売店があり、修道士が生産したリキュール、ジャム、飴や化粧品等が、修道院のガイドブック、宗教関連の本やグッズと一緒に売られています。公園内にはバールもあり、飲み物やスナックもありますので、ここを訪れる観光客は結構多いようです。外国人の観光客も数人見かけましたが、もちろん、日本人は一人もいません。一緒になった団体客は、1日に1便だけのコーリコからの遊覧船を利用して来ていました。また、修道院入口には観光客用の大きな駐車場があり、車で訪れるイタリア人観光客も多いようです。オルジャスカ村から修道院までは、景色の良い整備された道路が出来ていますので、この村に宿泊して修道院まで散策している観光客にも何人か遭遇しました。しかし、駅から4キロの道のりを歩いて来るような人は余りいないようです。
26092009_10_ピオナ修道院教会敷地内_11売店 26092009_11_帰り道_01 26092009_11_帰り道_04

オルジャスカ村に一番近いイタリア国鉄駅はドーリオ駅です。この駅は、無人の田舎駅で構内にはバールもありません。駅からコモ湖沿岸の車の往来が多い道路に出て、オルジャスカ村まで北方向に約2キロ歩かなくてはいけません。道すがらコモ湖の景色は楽しめますが、途中には歩道がないところもあり、気持ちの良い散策とはいきません。この道から、ちょっとした丘の上にあるオルジャスカ村に入っていくと、登り道ですが、道も狭くなり車の往来も少なく、やっとイタリアの田舎村を散策している気分になれます。オルジャスカ村のコモ湖を見渡せる崖の上には、ホテル、レストラン、カフェ等が並んでいます。人気のない寂れた田舎の観光地の雰囲気が懐かしさを感じさせてくれます。オルジャスカ村からピオナ修道院へは、丘から湖に降りていく整備された綺麗な散歩道が続いていますので、景色を楽しみながらゆっくりと散策すれば良いだけです。駅からは、片道、1時間ちょっとかかりますので、駅に戻るときはその時間を考慮してください。
26092009_02_ドリオ駅_03 26092009_12_ドリオ村_02 26092009_12_ドリオ村_08コモ湖

ミラノからの列車は、ミラノ中央駅からレッコ又はティラーノ行きの普通列車(9時台を除き1時間に1本)が便利です。レッコまで(40分で着きます)行き、乗り換えてコーリコ行き(11時台を除き1時間に1本)に乗ってドーリオまで(55分で着きます)行ってください(ミラノ中央駅からティラーノ行きに乗っても、レッコの次はコーリコまで停まりませんのでドーリオは通過してしまいますから、レッコで乗り換える必要があります)。レッコから10番目の駅がドーリオ駅(コーリコの2つ手前)です。乗換時間を入れてミラノ中央駅から1時間50分で、料金は5.55ユーロです。ドーリオの次の駅は修道院と同じ名前のピオナ駅ですが、この駅からは、湖を迂回しなくてはいけないので歩く距離がもっと遠くなります。ひょっとしたら、この駅から修道院に行く渡し舟があるのかもしれません。もし、あれば、もっと楽に行くことが出来ます。ミラノからレッコまでは、ポルタ・ガリバルディから1時間間隔で出ているLinea Sでも行くことが出来ますが、乗換時間も長くなり、所要時間が2時間20分になってしまいます。
ミラノへの戻りも、ドーリオからレッコまでは1時間間隔で夜7時50分まで列車がありますので安心です。レッコからミラノへは1時間に3本、ミラノ中央駅行きとポルタ・ガリバルディ行きが夜遅くまで出ています。
2010-10-28(Thu)

オペーラ、ミラソーレ修道院

また、ミラノに戻ってきました。ミラノの南部のロンバルディア平野の中には3つの名の知れた修道院があります。先に紹介したキアラヴァッレ修道院、ヴィボルドーネ修道院と今回訪ねたミラソーレ修道院です。ミラノの南東10キロにあるオペーラという名の街の北のはずれの穀倉地帯にあります。ここには、ロンバルディア州最大規模の米、酪農農家があります。酪農主体のミラソーレ農場と米の生産主体のモンタルバーノ農場からなっていることから、ミラソーレ・モンタルバーノ農場と呼ばれています。
20092009_01_ミソラーレへの道_01 20092009_04_ミソラーレ修道院外_01 20092009_04_ミソラーレ修道院外_07

ミラソーレ修道院は、ヴィボルドーネ修道院から100年遅れて、13世紀にウミリアーテによって建てられました。ウミリアーテが消滅した後、1582年にこの修道院は所有権をミラノ大学に移されています。その後、1797年にミラノのオスペダーレ・マッジョーレ(病院)に所有権が渡っています。実際に、修道院は16世紀から使われていなかったので、ほとんどが廃墟となっていましたが、1980年に、この修道院を15世紀の状態に戻すべく改修工事が始まりました。既に30年経っていますが、教会と一部の建物が終わっているだけで、まだ改修工事は続いています。オスペダーレ・マッジョーレの医療の歴史に関する古い図書は、既にここに移されていて、将来は、同じくオスペダーレ・マッジョーレの絵画のコレクションもここに移して一緒に管理されることになるそうです。
改修工事が終わって、現在公開されているのは修道院教会だけです。修道院の門を潜って中の敷地の北東の角に14世紀後半から15世紀前半に建てられた“聖母マリア被昇天”の修道院教会があります。単身廊の小さな教会で屋根は木造瓦葺です。横に聳える小さな鐘楼は13世紀に建てられたものが現存しています。内部の祭壇と礼拝堂には、建設当時に描かれたフレスコ画が残っています。
20092009_02_ミソラーレ修道院_04 20092009_03_ミソラーレ修道院教会_03 20092009_03_ミソラーレ修道院教会_06

修道院の中庭と回廊部分は、改修工事が進められていて中に入ることが出来ません。この回廊には、太陽・三日月の中に顔が描かれた彫刻があり、この模様が現在のミラノの紋章の原型だそうです。残念ながら、工事中に付き見ることは出来ませんでした。
20092009_02_ミソラーレ修道院_03 20092009_02_ミソラーレ修道院_06 20092009_04_ミソラーレ修道院外_03

ミラノからバスで、高速道路の環状線の直ぐ内側まで来て、そこから歩いて、高速道路の下を潜って穀倉地帯に入ります。南北に入る高速道路の歩道橋を越え、畑の中にある一直線の並木道を歩いていくとミラソーレ修道院に突き当たります。ミラノは、この高速道路環状線の内側と外側では大違いで、外側は長閑な田園地帯が広がっているのです。並木道ではジョッギングや散歩を楽しむ人が行き交っています。ここには、都会の喧騒はまるでありません。野鳥も人間を警戒することなく自由を満喫していました。
20092009_01_ミソラーレへの道_02礼拝堂 20092009_05_野鳥_02 20092009_02_ミソラーレ修道院_02

ミラソーレ修道院へは、ミラノのATMバス99番が便利です。99番のバスはヴィジェンティーノからリパモンティ通りをオペーラのノヴェラスカまで行っています。ミラソーレ修道院へはノヴェラスカから歩いて行きます。ヴィジェンティーノは地下鉄M3のコルヴェット駅から西に2キロほどのところですので、コルヴェット駅から95番のバスに乗ってリパモンティ通りに出て、そこで99番に乗り換えることになります。又は、ドゥオモから24番のトラムでヴィジェンティーノまで行って乗り換えることも出来ます。料金は、真直ぐに行けば1ユーロ75分の範囲内ですから、1ユーロで最後まで行くことが出来ます。
ノヴェラスカの停留所からは高速道路環状線方向(南)に歩いてください。高速道路の手前を左に曲がり、オペーラのゴルフコースの方向に行きますと、高速道路の下を潜る通路があります。通路を抜けると、急に田舎の田園風景が広がります。そこから高速度道路環状線に沿って西に進むと南北の高速道路があり、歩行者用の立体交差を通って高速道路を越えると1本の並木道があります。後は、その並木道を真直ぐ歩き、突き当りがミラソーレ修道院です。停留所から15分ほど歩けばミラソーレ修道院に着きます。
高速道路の先は自然がいっぱい残っている別世界です。ミラソーレ修道院までイタリアの穀倉地帯の田舎の雰囲気をたっぷり味わえる散策が出来ます。
2010-10-28(Thu)

チヴァーテ、サン・ピエトロ・アル・モンテ修道院

ミラノの北30キロ、コモ湖の“人”の字の右足の先にある街レッコの南西4キロにある人口4000人に満たない小さな街がチヴァーテです。南にはアンノーネ湖が広がり、北側はコモ湖との間にある険しい山々が迫っています。この山の中にひっそりと建っているのが、ベネディクト会のサン・ピエトロ・アル・モンテ修道院です。この修道院教会はロマネスク様式の教会内に残るフレスコ画と漆喰細工がみごとで、イタリアでも有数なロマネスク芸術と言われています。確かに、何冊かのロマネスク芸術の写真集に、この教会の壁に描かれた11世紀のフレスコ画が載っているのを見たことがあります。しかし、この修道院は標高663メートルの山頂に建っている上、そこに到達するまで細く険しい山道を徒歩で1時間以上も登って行かなくてはいけないのです。
伝説では、最後のロンバルディア王が772年に息子である王子の悪い目を奇跡的に癒した水に感謝して、ここに修道院を建てたと言われています。現実に、5~8世紀の建物跡がこの地域に見つかっているそうです。今に残る修道院の記録では、9世紀にスイスのサンクト・ガレン修道院(世界遺産)から修道長と35人の修道士がここに移って来たとあります。現存する建物は、この時代のものと言われています。また、1097年にミラノ司教が亡くなる前に数年をここで過ごしたことも記録に残っています。その後しばらく閉鎖されていましたが16世紀から再び修道士が入り現在に至っています。
19092009_16_チヴァーテ風景・午後_01 19092009_05_ポッツオ村・午前中_02 19092009_05_ポッツオ村・午前中_03

まだ現役の修道院ですから世俗から隔離しておかないといけないのでしょう。それにしても、ここに来たことを何度も後悔するほど厳しい登りの山道でした。途中で見える素晴らしい景色だけが、この修道院まで登ろうとする気持ちを維持させてくれます。途中で何人かの人と出会いましたが、登山靴を履いた本格的な登山の格好でした。
19092009_06_サンピエトロへの山道_03 19092009_10_教会からの風景_08 19092009_14_帰り道の風景_03

何とか、普通の運動靴で標高663メートルにたどり着きましたが、ここがこの山の頂上ではなく登りの山道は更に続いています。しかし、修道院を取り囲む石垣を見たときには全身の力が抜けるほどほっとしてしまって、これ以上登るのは無理な状態でした。石垣のアーチ型の門を潜り抜けて修道院の敷地に入ると、直ぐに石造りの礼拝堂が目に入りました。続けて、深い緑の草原に建つ修道院教会、その後ろの高い山々、まさに、サウンド・オブ・ミュージックの世界です。無意識に“ついに登りきったぞ!”と言葉が飛び出し、満足感が体中に湧き上がり、石垣の上に腰を下ろして、この素晴らしい景観をしばらく眺めて疲れを癒しました。教会は10世紀前後の初期ロマネスク様式で石造りの壁に木造の瓦葺の屋根が乗っているシンプルなものですが、この山の中の草原に建つその姿は、見る人を感動させる力があります。建設機械のない昔の人が、良くこんな山の上に建てたものです。
19092009_08_サンピエトロ修道院・礼拝堂_01 19092009_09_サンピエトロ教会_01 19092009_10_教会からの風景_11
19092009_11_サン・ピエトロ教会_08 19092009_13_教会からの風景_04 19092009_11_サン・ピエトロ教会_12

修道院教会内のフレスコ画は2007年から保護のために特別な許可なしに見ることが出来ないとの情報がありましたが、許可の取り方もわからずにここまで来てしまい見ることが出来るのか不安だったのですが、修道院教会のドアは広く開かれていて、出入りは全く自由です。教会の中には、数人の修道士の方が忙しそうに働いていました。有名なフレスコ画、“悪魔(サタン)のドラゴンと戦う天使”及び“12使途と天上のエルサレム”は入口裏の壁と入口の天上部分に描かれていました。初期のロマネスク芸術ですが、その色(特に緑色)の鮮やかさには驚きます。漆喰細工も入口付近の明るいところにありました。写真撮影の許しももらって、問題なく撮影もさせてもらいました。いくら保護しているといっても、こんな山奥ですから、管理もそれほど厳しくないようです。フレスコ画もじっくり見ることが出来て、本当に、苦しい道のりをここまで登ってきた価値がありました。
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ミラノからチヴァーテまでは、ポルタ・ガリバルディから、1時間間隔のレッコ行き普通列車(Linea S)で約1時間、料金は4.2ユーロです。但し、チヴァーテの駅の位置があまり便利の良いところではないので、今回、この列車は使いませんでした。ミラノ中央駅から1時間間隔(朝9時台を除く)で出ているレッコ又はティラーノ行きの普通列車は、途中でモンツァに停まるだけなので40分でレッコに到着します。料金も3.6ユーロです。レッコ駅前からErba/Como行きのLinea C40のバス(ASFバス)に乗ると約20分でチヴァーテの街の中心部まで行ってくれます。料金は片道1.35ユーロで、平日は30分間隔、日曜祝日でも1~2時間に1本あります。バスはチヴァーテのイセッラ通りのバス停で降りてください。万が一、乗り越してしまった場合でも、次の停留所で降りれば問題ありません。但し、その停留所には帰りのレッコ行きのバスが停まりませんので注意してください。ミラノへの戻りは、ちょっと歩きますがチヴァーテ駅からでも、イセッラ通りのバス停からバスに乗ってレッコ経由でもどちらでも構いません。レッコは遊覧船の拠点です。コモに比べて派手さはありませんが、落ち着いた雰囲気の観光地です。
19092009_18_レッコ・午後・街並_03 19092009_18_レッコ・午後・街並_04 19092009_19_レッコ・午後・コモ湖_06

チヴァーテの街からサン・ピエトロ・アル・モンテ修道院までは徒歩しかありません。チヴァーテの鉄道駅もバスの停留所もアンノーネ湖の一番低いところにあります。サン・ピエトロ・アル・モンテ修道院の標識に沿って山に向かって歩くと直ぐに上り坂になります。まずは、ボッツォ村を目指します。この村までは道路も舗装してあり、かなり急な登り道はつらいのですが、それほど問題はありません。ボッツォ村の入口から眼下のチヴァーテの街とアンノーネ湖はとても綺麗です。ボッツォ村は人口数十人の小さな村で、古い石の家が数件並んでいます。小さなつぶれそうなカフェが一つあるだけで、石の家と家畜以外には何もない村です。村を過ぎると道路は狭くなりますが、暫くは長閑な田舎の道になります。でも、大変になるのはここからです。サン・ピエトロ・アル・モンテ修道院の標識を頼りに先に進むと長閑な田舎道がだんだん険しい登りの山道になってきます。山道に入ってからサン・ピエトロ・アル・モンテ修道院までの道のりはかなりの距離で、しかも、途中に湧水が飲める程度の休憩所が2ヶ所あるだけです。深い樹木に覆われ、石を敷き詰めた細くて険しい山道が延々と続きます。ここからは体力と根性で登るしかありません。
2010-09-22(Wed)

モリモンド修道院

アッビアーテの小さな街の散策を終えたら、アッビアーテグラッソ駅前のバス停(道の反対側)からモッタ・ヴィスコンティ行きのバスに乗って20分ほど田舎に向かって走ると、モリモンド修道院があります。この修道院もロンバルディア平野の畑の真ん中にぽつんと建てられています。
02052009_モリモンド修道院_07 02052009_モリモンド修道院_02 02052009_モリモンド修道院_04

ミラノ県公式ホームページには下記の紹介があります。
“モリモンドはアッビアーテグラッソの南側、緑の田園地帯に位置し、有名な大修道院のある中世からの小集落です。この修道院は1136年にフランスのディジン北にあるモリモンド修道院から来たシトー派修道士により建設さましたが、創立後すぐに、ミラノ南部地域の農業開墾事業の啓蒙推進活動の中心的役割を果たすようになりました。1400年代中頃からモリモンド修道院は次第にその重要性を失っていきますが、1561年のサン・カルロ・ボッロメオや法王ピオ4世による介入後は活力を持ち直すようになりました。しかしながら、1799年にナポレオン支配下のもと、当修道院は宗教法人廃止政策の対象となり、財産を没収されました。1952年になってはじめて、修道士が再び住むようになりました。
1182年から1292年の間に建てられた修道院付属の教会は、聖母マリアに献上されたものです。教会構造は3つの身廊からなり、天井円蓋は円柱の上の尖頭迫持型アーチに支えられています。身廊と外陣の交差部には円蓋を覆う八角形の小外被が置かれています。教会内部の作品としては、木製の聖歌隊席、第一番目の円柱にある14世紀の聖水盤、幼いキリストを抱いたマリア像、第四径間にあるベルナルディーノ・ルイーニの作品である聖ベネデットと聖ベルナルド像などがとりわけ注目に値するものです。
建物全体の建築様式は、近隣のパヴィア人による略奪の被害を受けた1237年以降、幾度も繰り返された改造・修復などの結果を表しています。”

バス停から集落を通り抜けると歩いて1分ほどのところに修道院入り口の門があります。門をくぐって修道院の敷地に入ると緑の中に浮かぶ修道院教会が目の前に現れます。入り口の門から教会までの敷地は綺麗な公園になっていますので、観光客や近くの住人たちが憩のひと時を過ごしています。公園の中にはカフェもあり、観光客を迎え入れる準備は出来ているようです。修道院教会は小高い丘の上にあり、教会前の広場からロンバルディア平野を地平線まで眺めることが出来ます。修道院教会の周りにはまだ現役の修道院施設があり、修道士がそこで酪農作業を続けているのも見ることも出来ます。教会の中や修道院の中庭と回廊も自由に見学することが出来ます。上記のガイドにあるとおり、教会内と回廊には興味深いフレスコ画があります。特に、修道士たちの酪農作業がフレスコ画で描かれているのを印象深く感じました。公園の敷地内には小さな博物館もあり、修道院に古くからある絵画や聖具を見ることも出来ます。
02052009_モリモンド修道院_03 02052009_モリモンド修道院_08 02052009_モリモンド修道院_12 02052009_モリモンド修道院_13

モリモンド修道院へはアッビアーテ駅前(停留所は道の向こう側)からATINOM社のモッタ・ヴィスコンティ行きのバスに乗ります。バスは田舎を走り約20分でモリモンド修道院と集落(小さな住宅街)の停留所に到着します。いつものように乗るときに運転手さんに“アバッツィア・モリモンド”と言って、降りる停留所で知らせてもらえるようにしておきましょう。帰りのバスも降りたところと同じところからバスに乗ります。但し、行き先はアッビアーテグラッソですので間違えないようにしてください。バスのチケットは、アッビアーテグラッソの駅のバールで購入できますが、時間がなければバスの運転手さんからでも購入も出来ます。料金は忘れてしまいましたが、多分、片道1.6ユーロ前後だったと思います。
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matsuohj (パパロンチーノ)

Author:matsuohj (パパロンチーノ)
2008年10月20日から2010年8月23日までの1年10カ月ミラノに滞在。その期間、北イタリアを中心に115ヶ所の街を訪ねました。それも、ほとんどが公共交通機関を利用したものです。この経験で得た情報を一人でも多くのイタリア好きの人に伝えるためのブログです。

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