2010-10-17(Sun)
オルタ・サンジュリオ
オルタ・サンジュリオは、ピエモンテ州のノヴァーラ県に属したオルタ湖畔の街です。ここは北イタリアで最高の観光地であると自信を持って誰にでも推薦できます。初めてここに行ったときはサクロ・モンテ訪問を目的としたのですが、そのときにオルタ・サンジュリオの街、オルタ湖とそこに浮かぶサンジュリオ島の美しさに感動して、数ヵ月後に1泊旅行を計画して再び行ってしまいました。サクロ・モンテは世界遺産に登録されていますが、オルタ・サンジュリオの街はその中に入っていません。しかし、イタリアの「最も美しい村」に選定されています。「最も美しい村」運動はフランスが発祥の地ですが、今や、イタリア、ベルギー、日本にも広がっています。イタリアの「最も美しい村」に関しては、このオルタ・サンジュリオを手始めに、次々と訪れることになってしまいました。

オルタ・サンジュリオはオルタ湖畔の中心の街ですが、人口1100人ほどで街というよりは村と呼ぶべきでしょう。観光資源としては、オルタ湖、そこに浮かぶサンジュリオ島、サクロ・モンテ及びオルタ・サンジュリオの可愛い街並と言葉では簡単に言えるのですが、オルタ・サンジュリオの本当の良さは言葉で簡単に説明できるものではありません。ぜひ、一度訪ねてください。実際に、何を紹介すれば良いのか迷ってしまうのですが、まずここに来て一番感動したのは、サクロ・モンテの1番礼拝堂の前にある見晴台からオルタ湖に浮かぶサンジュリオ島を見たときです。その景色は今でも脳裏に残っています。これほど美しい景色は、少なくともイタリアに来てからは見ていません。余りの美しさにその場を離れることが出来ないくらいでした。この景色を見るだけでここに来た価値があります。

オルタ・サンジュリオの紹介が1番礼拝堂から入ってしまいましたので、続けてサクロ・モンテを紹介します。ここのサクロ・モンテは、イタリアの第2守護聖人である聖フランチェスコの生涯を描いたものです。従って、キリストや聖母マリアの物語を描いている他のサクロ・モンテとは趣が違っています。20の礼拝堂とその中のテラコッタ、フレスコ画の保存状態は良好で、小さな木陰の多い公園の中に配置されています。オルタ・サンジュリオの街から歩いて15分くらいの標高400メートルの丘の上にあります。

サクロ・モンテの丘から街に向かう小道からもオルタ湖に浮かぶ本当に美しいサンジュリオ島が良く見えます。この丘の湖側の斜面には綺麗なヴィラがいくつも建っていますが、本当のうらやましい限りです。サクロ・モンテからの小道は街の中心にあるマリオ・モッタ広場まで降りてきます。この広場は美しいサンジュリオ島を正面にして、ホテルとカフェや土産物屋で囲まれていて、広場の中にぽつんと建っているフレスコ画の描かれている昔の市庁舎がこの広場のアクセントになっています。この広場のカフェに座って正面のサンジュリオ島を眺めると完全に時間が止まってしまいます。

サンジュリオ島へは、マリオ・モッタ広場から遊覧船が頻繁に出ています。定期便は往復2.5ユーロですが、往復4ユーロの小さなボートなら4,5人の客が集まれば直ぐにボートを出してくれます。5分で一番古いサン・ジュリオ教会横の波止場に到着です。サン・ジュリオ教会は4世紀後半にローマ帝国によるキリスト教への弾圧を逃れてこの島に建てられました。現存する建物は12世紀に建て直された窓の少ないロマネスク様式の趣のある教会です。しかし、一歩中に入ると豪華なバロック調の装飾が施されています。湖の真ん中に良くこんな教会を建てたものです。この島の真ん中には女子修道院があり、そこで石鹸やレースの刺繍を作っていて、島にひとつだけある店で販売していました。でも、マリオ・モッタ広場の土産物屋でも同じものを売っています。サンジュリオ島は歩いて廻っても5分もあれば十分なほどの大きさです。車のないこの島では中世の面影が漂っています。


島から戻ったら、オルタ・サンジュリオの街も歩いてください。本当にきれいで可愛い街です。たくさんのレストラン・カフェ・土産物屋があり、たくさんの観光客がいるのですが、走っている人も大声で話をしている人はいません。この村には独特の雰囲気があるのです。1泊して、朝の街を歩いたときの観光客がいない街の静けさは忘れられません。また、朝日にあたって金色に輝くサンジュリオ島の美しさは言葉では表現できません。

最後に、オルタ湖の水のお話です。20世紀後半、オルタ湖は付近の工場からの公害で水質汚染がひどく湖のほとんどの生物が死に絶えてしまったそうです。汚染は更に広がり下流にあるマッジョーレ湖に流れ込む恐れが出てきて深刻な問題となり、規制をするとともに水質改善を開始しました。水の浄化と酸性水の中和等、多大な努力の結果、2000年までに水質は改善され、湖に生物が戻ってきました。今でも浄化設備は常に動いていて澄んだ綺麗な水を維持しています。最悪の状態からここまで改善したのは、世界中でもここだけだと言われていて、イタリア人の誇りのひとつとなっています。こんな過去を持つオルタ湖は、環境保全の見本となり、未来永劫汚れることはないと思います。

オルタ・サンジュリオへはイタリア国鉄のOrta Miasino駅から湖方向に歩いて20分ほどです。ちょっと距離がありますが、最後の10分以上は起伏のない湖畔のきれいな道ですから、美しい景色を眺めながら歩くとわけなく歩くことが出来ます。しかし、駅から5分くらい歩いたところにある宮殿のようなホテルのそばにインフォメーションがあり、そこから有料のミニ観光列車に乗ってもマリオ・モッタ広場まで運んでもらえます。
サクロ・モンテはこのインフォメーションとマリオ・モッタ広場の間にある高さ400メートルの丘の上にあります。インフォメーションの先にある登り口とマリオ・モッタ広場からの登り口の両方から行くことが出来ます。どちらからでも歩いて10分ほどの登りとなります。昇りは、他のサクロ・モンテよりは楽なので、比較的行き易いと感じました。
Orta Miasino駅までは、ノヴァーラ・ドモドッソーラ間を走るローカル列車で、ノヴァーラから約40分で到着します。列車は2時間に1本しかありませんので、この列車の時間をもとに計画を立ててください。但し、ノヴァーラから午前中に出る列車は、乗客が少ないためにイタリア国鉄のバスに振り替えられています。その場合でも、バスはノヴァーラの国鉄駅前から出て、Orta Miasino駅の横に停まりますので列車と同じですから列車と同じです。バスの所要時間も40分ほどで列車と変わりません。ノヴァーラ駅の電光掲示板にプラット・フォーム番号ではなくバスであることが書いてありますから、直ぐにわかります。駅前で待っていると、ドモドッソーラ行きと書いたバスが予定時刻に迎えに来ます。国鉄の切符を運転手に見せて乗ってください。そのときに、Orta Miasino駅に着いたら知らせてもらうことを忘れずにお願いしてください。



オルタ・サンジュリオはオルタ湖畔の中心の街ですが、人口1100人ほどで街というよりは村と呼ぶべきでしょう。観光資源としては、オルタ湖、そこに浮かぶサンジュリオ島、サクロ・モンテ及びオルタ・サンジュリオの可愛い街並と言葉では簡単に言えるのですが、オルタ・サンジュリオの本当の良さは言葉で簡単に説明できるものではありません。ぜひ、一度訪ねてください。実際に、何を紹介すれば良いのか迷ってしまうのですが、まずここに来て一番感動したのは、サクロ・モンテの1番礼拝堂の前にある見晴台からオルタ湖に浮かぶサンジュリオ島を見たときです。その景色は今でも脳裏に残っています。これほど美しい景色は、少なくともイタリアに来てからは見ていません。余りの美しさにその場を離れることが出来ないくらいでした。この景色を見るだけでここに来た価値があります。



オルタ・サンジュリオの紹介が1番礼拝堂から入ってしまいましたので、続けてサクロ・モンテを紹介します。ここのサクロ・モンテは、イタリアの第2守護聖人である聖フランチェスコの生涯を描いたものです。従って、キリストや聖母マリアの物語を描いている他のサクロ・モンテとは趣が違っています。20の礼拝堂とその中のテラコッタ、フレスコ画の保存状態は良好で、小さな木陰の多い公園の中に配置されています。オルタ・サンジュリオの街から歩いて15分くらいの標高400メートルの丘の上にあります。



サクロ・モンテの丘から街に向かう小道からもオルタ湖に浮かぶ本当に美しいサンジュリオ島が良く見えます。この丘の湖側の斜面には綺麗なヴィラがいくつも建っていますが、本当のうらやましい限りです。サクロ・モンテからの小道は街の中心にあるマリオ・モッタ広場まで降りてきます。この広場は美しいサンジュリオ島を正面にして、ホテルとカフェや土産物屋で囲まれていて、広場の中にぽつんと建っているフレスコ画の描かれている昔の市庁舎がこの広場のアクセントになっています。この広場のカフェに座って正面のサンジュリオ島を眺めると完全に時間が止まってしまいます。



サンジュリオ島へは、マリオ・モッタ広場から遊覧船が頻繁に出ています。定期便は往復2.5ユーロですが、往復4ユーロの小さなボートなら4,5人の客が集まれば直ぐにボートを出してくれます。5分で一番古いサン・ジュリオ教会横の波止場に到着です。サン・ジュリオ教会は4世紀後半にローマ帝国によるキリスト教への弾圧を逃れてこの島に建てられました。現存する建物は12世紀に建て直された窓の少ないロマネスク様式の趣のある教会です。しかし、一歩中に入ると豪華なバロック調の装飾が施されています。湖の真ん中に良くこんな教会を建てたものです。この島の真ん中には女子修道院があり、そこで石鹸やレースの刺繍を作っていて、島にひとつだけある店で販売していました。でも、マリオ・モッタ広場の土産物屋でも同じものを売っています。サンジュリオ島は歩いて廻っても5分もあれば十分なほどの大きさです。車のないこの島では中世の面影が漂っています。






島から戻ったら、オルタ・サンジュリオの街も歩いてください。本当にきれいで可愛い街です。たくさんのレストラン・カフェ・土産物屋があり、たくさんの観光客がいるのですが、走っている人も大声で話をしている人はいません。この村には独特の雰囲気があるのです。1泊して、朝の街を歩いたときの観光客がいない街の静けさは忘れられません。また、朝日にあたって金色に輝くサンジュリオ島の美しさは言葉では表現できません。



最後に、オルタ湖の水のお話です。20世紀後半、オルタ湖は付近の工場からの公害で水質汚染がひどく湖のほとんどの生物が死に絶えてしまったそうです。汚染は更に広がり下流にあるマッジョーレ湖に流れ込む恐れが出てきて深刻な問題となり、規制をするとともに水質改善を開始しました。水の浄化と酸性水の中和等、多大な努力の結果、2000年までに水質は改善され、湖に生物が戻ってきました。今でも浄化設備は常に動いていて澄んだ綺麗な水を維持しています。最悪の状態からここまで改善したのは、世界中でもここだけだと言われていて、イタリア人の誇りのひとつとなっています。こんな過去を持つオルタ湖は、環境保全の見本となり、未来永劫汚れることはないと思います。



オルタ・サンジュリオへはイタリア国鉄のOrta Miasino駅から湖方向に歩いて20分ほどです。ちょっと距離がありますが、最後の10分以上は起伏のない湖畔のきれいな道ですから、美しい景色を眺めながら歩くとわけなく歩くことが出来ます。しかし、駅から5分くらい歩いたところにある宮殿のようなホテルのそばにインフォメーションがあり、そこから有料のミニ観光列車に乗ってもマリオ・モッタ広場まで運んでもらえます。
サクロ・モンテはこのインフォメーションとマリオ・モッタ広場の間にある高さ400メートルの丘の上にあります。インフォメーションの先にある登り口とマリオ・モッタ広場からの登り口の両方から行くことが出来ます。どちらからでも歩いて10分ほどの登りとなります。昇りは、他のサクロ・モンテよりは楽なので、比較的行き易いと感じました。
Orta Miasino駅までは、ノヴァーラ・ドモドッソーラ間を走るローカル列車で、ノヴァーラから約40分で到着します。列車は2時間に1本しかありませんので、この列車の時間をもとに計画を立ててください。但し、ノヴァーラから午前中に出る列車は、乗客が少ないためにイタリア国鉄のバスに振り替えられています。その場合でも、バスはノヴァーラの国鉄駅前から出て、Orta Miasino駅の横に停まりますので列車と同じですから列車と同じです。バスの所要時間も40分ほどで列車と変わりません。ノヴァーラ駅の電光掲示板にプラット・フォーム番号ではなくバスであることが書いてありますから、直ぐにわかります。駅前で待っていると、ドモドッソーラ行きと書いたバスが予定時刻に迎えに来ます。国鉄の切符を運転手に見せて乗ってください。そのときに、Orta Miasino駅に着いたら知らせてもらうことを忘れずにお願いしてください。
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