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2011-07-30(Sat)

イタリアの観光地のランキング、その14(人気の無い世界遺産)

前回の更新から大分時間が過ぎてしまいました。世界遺産を無視したランキングを続けていましたが、やはり、イタリアと言えば世界遺産です。多分、45の世界遺産がイタリアにあるはずです。これら全てを制覇した人のブログを読んだことがありますが、全部を制覇したなんて、本当にすごいことです。それに、本当にうらやましいと思います。私の場合は、まだ、17の世界遺産に辿り着けていません。

即ち、単純に計算すると28の世界遺産に行ったことになりますが、サクロ・モンテやチンクエ・テッレ等は、数ヶ所の街や村に分散していますので、訪ねた場所の数はもっと多くなります。今回は、これらの世界遺産の中で、観光地としての価値だけでは比較の対象にならないような世界遺産にスポットを当ててみました。はっきりと言えば、これらの世界遺産は、もちろん歴史的には貴重な文化遺産なのですが、観光地としてあまり人気の無いところなのです。もし、これらの世界遺産を訪ねる機会がある時は、出来るだけ、事前にこれらの世界遺産の知識を頭に入れておくようにしたほうが良いと思います

ランキングですので、もちろん、お気に入りのところから順位を付けました。従って、上位のランキングの世界遺産は、お薦めです。

1. カーポ・ディ・ポンテ
15082009_06_国立公園_17 15082009_07_国立公園帰りの景色_02 15082009_08_カーポディポンテ街並_06_サンシーロ教会
イタリアで最初に登録された世界遺産は、ローマ遺跡でも中世の建築物でもルネッサンスの芸術でもありません。1万年前から描かれていたと言われているヴァル・カモニカの岩絵群なのです。この岩に描かれた線刻画は、もちろん、貴重な歴史的な資料なのですが、はっきり言って、1万年前に描かれた落書きです。落書きも1万年前のものだと世界遺産になるのです。線刻画はともかく、アルプスの山々に囲まれた渓谷に流れる清らかな川に沿った美しい自然に溢れたカモニカ渓谷は、最高に癒されます。また、その自然に溶け込んでいるロマネスク建築の古い教会も、まるで絵のようです。この周辺に住んでいた1万年前の人たちが岩の表面に絵を描きたくなった気持ちがわかるような気がします。

2. パドヴァ
24072010_12_植物園オルト・ボタニコ風景_016 24072010_13_植物園オルト・ボタニコ花_014 24072010_04_サンタントニオ聖堂外観_006
世界で一番古い植物園、オルト・ボタニコも、1997年に世界遺産に登録されました。但し、この植物園を訪ねたとき、数組のイタリア人カップルと年配の観光客だけでした。おかげで、静かな植物園をゆっくりと歩いて、十分に癒されました。植物園には、観光客が少なかったのですが、パドヴァの街にはたくさんの観光客がいます。この街には、周辺にある世界遺産の街に比べても引けをとらないほどの観光資源があります。アッシジの大聖堂の壁画で有名なジョットの壁画をここでも見ることが出来ます。

3. サクロ・モンテ
SM_08082009_09_チャペル25_02 SM_25072009_03_サクロモンテ_06_08_チャペル08_01 SM_29082009_09_周りの景色_08
“その8”でサクロ・モンテのランキングを書きましたが、このランキングは、世界遺産であるサクロ・モンテそのものを比較して選んだのではなく、その周辺地域の素晴らしさで選んでいます。即ち、実際には世界遺産のサクロ・モンテを訪ねるよりも、自然に囲まれたイタリアの田舎街を訪ねているのです。オルタ・サンジュリオが大好きなのも、サクロ・モンテだけが理由ではありません。

4. クレスビ・ダッダ
13092009_09_工場_07 13092009_09_工場の事務所_03 13092009_21_全景_03
ミラノ県とベルガモ県の境を流れるアッダ川のベルガモ県側にある小さな村がクレスビ・ダッダです。この殆ど特徴のない村が世界遺産なのです。何も知識が無いままにこの村を訪れても、何の感動も無いまま帰ることになってしまうでしょう。ここでは、何人もの学生がノートを片手に見学していました。ミラノからの地下鉄終点駅からバスで15分ほどなのに、長閑なイタリアの田舎を感じます

5. ピアッツァ・アルメリーナ
04062010_03_Pアルメリーナ_012 04062010_03_Pアルメリーナ_029 04062010_03_Pアルメリーナ_037
世界で一番古いローマ時代に描かれたビキニの女性のモザイクで有名な世界遺産です。確かに、素晴らしいモザイクですが、世界遺産の割には管理があまり良くありません。なんとなく、欲求不満が残った世界遺産でした。しかし、ここに来るまでにシチリアの大自然を満喫できます。シチリアは、イタリアの北海道なのです。

どうでしたか? ちょっと変わったランキングでした。要するに、世界遺産だけでは物足りないところをランキングしたようなことになってしまいました。しかし、世界遺産は物足りなくても、周辺を含めて総合的に見ると、素晴らしいところになってしまうのです。それがイタリアなのですね。

次のランキングは、教会を、別の視点から見直すことにします。お楽しみに。
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2011-07-11(Mon)

イタリアの観光地のランキング、その13(穴場の街)

先日、BS日テレの「小さな村の物語」で、前回のブログで城壁の街のランキングで4位に入れたコンピアーノが取り上げられ、城壁内の人口はわずか30人の小さな村と紹介されていました。この番組は、観光地として紹介することが目的ではないので、だからどうという事は無いのですが、やはり、お気に入りの場所がテレビの番組に取り上げられるととても嬉しく感じます。

さて、いろいろなランキングを作ってきましたが、まだ、お気に入りの街でランキングに出てこないところがあります。“その10”で世界遺産に無縁の街のランキングを作りましたが、残念ながら、 “その10”のベスト5に入らず、しかも、“その11”、“その12”等のランキングでも出てきていない素晴らしい街がまだまだあります。それらの街が入るようなランキングを作りたいのですが、何のランキングにすれば良いのかもう思い当たりません。

そこで、苦肉の策として、イタリアの観光地の穴場をランキングすることとしました。実際に、これらの街は世界遺産でもなく、ガイドブックの端っこに小さく載っているだけでまだ十分に観光化されていないのですが、その分、街を歩いていると、イタリアの文化と生活がより身近に感じられるのです。もちろん、観光をしているだけなのですが、その街に住んでいるイタリア人に溶け込んでいくような錯覚にとらわれます。

1. クレモナ
2010年6月クレモナ メレニャーノ 097 2010年6月クレモナ メレニャーノ 133 2010年6月クレモナ メレニャーノ 136
ヴァイオリンのストラディヴァリウスの街として有名ですが、イタリアで一番高い111メートルのトラッツォからの眺めは最高です。中世の面影を残す街並みとその街を取り巻く肥沃なロンバルディ平野は、今でも記憶に残っています。中世の雰囲気を残す旧市街にはお菓子屋やパスタ屋さんが多く、女性好みの街でもあります。やはり、この街が穴場の筆頭でしょう。

2.アレッツォ
18072010_AR06_アレッツォ・グランデ広場_006 18072010_AR06_アレッツォ・グランデ広場_014 18072010_AR10_アレッツォ・カテドラーレ広場_009
イタリア映画「ライフ・イズ・ビューティフル」が好きな人は、絶対にこの街を訪れなくてはいけません。グランデ広場のカフェに座って、映画のシーンを思い出すだけで、この街に来る価値があります。出来れば、秋か冬の雨が降りそうなくらい曇っている日が良いかもしれません。残念ながら、訪ねた日は夏でしかも快晴でしたので、映画のムードに浸ることが出来ませんでした。

3. ボローニャ
2010年ボローニャ 398 2010年ボローニャ 451 2010年ボローニャ 455
ミラノとフィレンツェを結ぶ中間にある大きな街がボローニャです。かなり大きな街でしかも人口が多いのですが、所謂大都市のような雰囲気ではありません。ポルチコに並んでいるカフェに座って、ゆったりとエスプレッソを飲んでいる人たちの顔は、田舎の村の広場にあるカフェに座っているイタリア人の顔です。一番イタリアらしい街かもしれません。

4. リミニ
2010年リミニ 351 2010年リミニ 358 2010年リミニ 376
リゾート地のランキングでは【番外】として取り上げましたが、リゾート地としてだけでなく観光地としても見逃すわけには行きません。この街にはローマ時代から2000年の歴史が詰まっています。幅の広い観光スポットを訪ねる街歩きも素晴らしいのですが、各時代の充実した展示物が揃っているこの街の博物館は、知る人ぞ知る穴場です。「地球の歩き方」では、この街をサン・マリノへの玄関口と紹介されているだけなのですが、非常にもったいないと思います。

5.クレマ
23012010_05_クレマ市街地街並_04 23012010_11_トッラッツォ_02 23012010_15_ボンデンティ宮殿_02
この街はガイドブックにも載っていないかもしれません。ミラノから近いので、暇つぶしに期待もしないで訪ねたのですが、良い意味で、期待を裏切られました。ルッカに匹敵するほどの城壁に囲まれ、城壁の中の旧市街の雰囲気は最高です。彫刻で飾られた宮殿のような大きなお屋敷は、アパートとして、今でも使われています。この街は大穴ですね。

5. アスティ(同点5位です)
07082010_13_トッレ・トゥロヤナと景色_010 07082010_15_サンタマリア・アッスンタ(ドゥオモ)_035 07082010_15_サンタマリア・アッスンタ(ドゥオモ)_018
この街は、観光よりも、ピエモンテ州のワインと食材の街として有名です。でも、観光の面でも、十分に満足させてくれます。今でも120を数える塔のある街並みは、ローマ時代以前に築かれたこの街の長い歴史を感じます。一時はトリノよりも栄えていたこの街のドゥオモは、大穴にふさわしいと思います。もちろん、食材を求めてメルカートを歩くのも楽しいでしょう。

上記の6つの街は、いずれも大きな街ですので列車の駅があります。ですから、列車の乗り方と時刻表さえ知っていれば、簡単に行くことが出来ます。もちろん、有名な観光地に比べると、観光面では落ちます。でも、先程も書いたように、本当のイタリアに会いたい人は、これらの街を訪ねて街歩きをしてください。イタリアが好きな人は、イタリアが大好きになります。

次のランキングは、世界遺産に戻ります。お楽しみに。
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Author:matsuohj (パパロンチーノ)
2008年10月20日から2010年8月23日までの1年10カ月ミラノに滞在。その期間、北イタリアを中心に115ヶ所の街を訪ねました。それも、ほとんどが公共交通機関を利用したものです。この経験で得た情報を一人でも多くのイタリア好きの人に伝えるためのブログです。

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