2011-08-27(Sat)
イタリアの観光地のランキング、その16(教会の外観)
前回のランキングはどちらかと言うと前期ロマネスク建築またはそれ以前の古い教会の内壁に描かれたフレスコ画に注目したのですが、それでは、教会の外観はどうなのか、と言われると、前期ロマネスク建築は、とてもそれ以降の教会建築に太刀打ちできないと思います。もちろん、前期ロマネスク建築とそこにある数少ない彫刻のシンプルさをこよなく愛している愛好家の方もいるので、簡単に優劣を表すことはできませんが。
個人的な意見ですが、外観だけを取りますと、ゴシックとルネッサンス様式の建築が好きなのですが、後期の芸術的なロマネスク建築も捨て難いところがあります。但し、“その2”の総合評価ランキングでは、その他の要素(内装、彫刻や絵画、周りの環境等)も考慮しているので、外観だけの素晴らしさを十分に訴えることができていませんでした。そこで、今回は外観だけで教会をランキングしてみました。
但し、ミラノのドゥオモ(ゴシック建築)はどうしても贔屓が出てしまい、いつも1位になってしまうので、このランキングの対象から外すことにしました。でも、ここに写真だけはここに付けときます。

1. ミラノのサンタ・マリア・デッラ・グラッツェ教会(世界遺産)

この教会を語るときは、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」が頭に浮かんできてしまうのですが、この教会自体も世界遺産に登録されているのです。個人的に、この教会が大好きでルネッサンス建築の傑作だと勝手に思っています。従って、ここまで来て「最後の晩餐」だけ見て日本に戻ってしまうのはもったいないと思います。この教会もじっくりと観光してください。もちろん、外観だけでなく、教会内も素晴らしいのです。
2.フェッラーラのカッテドラーレ(Basilica Cattedrale di San Giorgio)

この教会は12世紀中旬に建てられたロマネスク建築だそうです。専門的にみればロマネスクなのでしょうが、素人目でみると、シンプルな前期ロマネスク建築とはかけ離れた素晴らしい外観です。3つに別れたファサードに少しだけあるルッカやピサで見られる連続開廊アーチがとても印象的でした。
3.ルッカのサン・ミケーレ・イン・フォロ聖堂

この教会のファサードはゴシック建築ですが、本体はロマネスク建築だそうです。でも、そんなことよりも、この教会の大理石でできた連続開廊アーチがとてもみごとです。連続開廊アーチでは、ピサとルッカのドゥオモが有名ですが、それよりも素晴らしいのがこの教会です。但し、教会内部は外観に相反して非常にシンプルです。
4.クレマのサンタ・マリア・デッラ・クローチェ聖堂

全く期待をしていなかったこともあり。この教会を目の前に見たときはその外観の美しさに感動してしまいました。15世紀に建設が始まったルネッサンス建築だそうですが、ファサードのないデザインはビサンチン様式の様でもあります。この街を支配していたヴェネツィアの影響かもしれません。観光ではかなりマイナーであるクレマの旧市街から更に1キロも離れていますので、この教会を訪ねる外国人の観光客は皆無だと思います。
5.リミニのマラテスティアーノ寺院

この教会は何とも不思議な教会で忘れることができません。とにかく十字架が少ないのです。もともと聖廟として建てられ、しかも、リミニがローマ法王と敵対関係にあった時期に建てられた教会なのが原因だそうです。今では、カトリック教会ですが、カトリックと認められなかった昔の寺院(Tempio)の名が今でも使われています。このお墓のような教会は建築様式には無関係のようです。
5.チェファルー大聖堂

同率5位にあげたチェファルー大聖堂は、シチリアにあるノルマン様式の代表的な教会だと思っています。周りよりも高い岩の上に建てられ、後ろにある岩山を背景にした外観は、表現にも困るほどの素晴らしさです。シチリアが独特の文化を持っていることは、この教会を見ればわかります。
イタリアの教会、特に各都市の大聖堂は、日本人にとってどこも素晴らしいのですが、そんな大聖堂ばかりが教会ではありません。ここにあげた教会は、時間があったら、是非、訪ねてもらいたいと思っています。
最後に、ランキングに入らなかった三つの教会をあげます。下記の左の写真がパドヴァのサンタントニオ聖堂です。世界中の聖アントニオの総本山で、世界中、特に聖アントニオの生まれたポルトガルの信者と南米ブラジルの信者の人たちが巡礼に訪れるそうです。真ん中の写真は、アッシジのサンフランチェスコ聖堂で、世界で一番有名な聖人と言われている聖フランチェスコの総本山です。そして、右の写真が、ベルガモのサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂とコッレオーニ礼拝堂です。ロンバルディア・ルネッサンス建築の傑作と言われています。

とにかく、イタリアは教会に事欠きません。ここにあげた教会の他にも印象的な教会はいっぱいありました。そんな教会を次回に紹介したいと思います。
個人的な意見ですが、外観だけを取りますと、ゴシックとルネッサンス様式の建築が好きなのですが、後期の芸術的なロマネスク建築も捨て難いところがあります。但し、“その2”の総合評価ランキングでは、その他の要素(内装、彫刻や絵画、周りの環境等)も考慮しているので、外観だけの素晴らしさを十分に訴えることができていませんでした。そこで、今回は外観だけで教会をランキングしてみました。
但し、ミラノのドゥオモ(ゴシック建築)はどうしても贔屓が出てしまい、いつも1位になってしまうので、このランキングの対象から外すことにしました。でも、ここに写真だけはここに付けときます。



1. ミラノのサンタ・マリア・デッラ・グラッツェ教会(世界遺産)



この教会を語るときは、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」が頭に浮かんできてしまうのですが、この教会自体も世界遺産に登録されているのです。個人的に、この教会が大好きでルネッサンス建築の傑作だと勝手に思っています。従って、ここまで来て「最後の晩餐」だけ見て日本に戻ってしまうのはもったいないと思います。この教会もじっくりと観光してください。もちろん、外観だけでなく、教会内も素晴らしいのです。
2.フェッラーラのカッテドラーレ(Basilica Cattedrale di San Giorgio)



この教会は12世紀中旬に建てられたロマネスク建築だそうです。専門的にみればロマネスクなのでしょうが、素人目でみると、シンプルな前期ロマネスク建築とはかけ離れた素晴らしい外観です。3つに別れたファサードに少しだけあるルッカやピサで見られる連続開廊アーチがとても印象的でした。
3.ルッカのサン・ミケーレ・イン・フォロ聖堂



この教会のファサードはゴシック建築ですが、本体はロマネスク建築だそうです。でも、そんなことよりも、この教会の大理石でできた連続開廊アーチがとてもみごとです。連続開廊アーチでは、ピサとルッカのドゥオモが有名ですが、それよりも素晴らしいのがこの教会です。但し、教会内部は外観に相反して非常にシンプルです。
4.クレマのサンタ・マリア・デッラ・クローチェ聖堂



全く期待をしていなかったこともあり。この教会を目の前に見たときはその外観の美しさに感動してしまいました。15世紀に建設が始まったルネッサンス建築だそうですが、ファサードのないデザインはビサンチン様式の様でもあります。この街を支配していたヴェネツィアの影響かもしれません。観光ではかなりマイナーであるクレマの旧市街から更に1キロも離れていますので、この教会を訪ねる外国人の観光客は皆無だと思います。
5.リミニのマラテスティアーノ寺院



この教会は何とも不思議な教会で忘れることができません。とにかく十字架が少ないのです。もともと聖廟として建てられ、しかも、リミニがローマ法王と敵対関係にあった時期に建てられた教会なのが原因だそうです。今では、カトリック教会ですが、カトリックと認められなかった昔の寺院(Tempio)の名が今でも使われています。このお墓のような教会は建築様式には無関係のようです。
5.チェファルー大聖堂



同率5位にあげたチェファルー大聖堂は、シチリアにあるノルマン様式の代表的な教会だと思っています。周りよりも高い岩の上に建てられ、後ろにある岩山を背景にした外観は、表現にも困るほどの素晴らしさです。シチリアが独特の文化を持っていることは、この教会を見ればわかります。
イタリアの教会、特に各都市の大聖堂は、日本人にとってどこも素晴らしいのですが、そんな大聖堂ばかりが教会ではありません。ここにあげた教会は、時間があったら、是非、訪ねてもらいたいと思っています。
最後に、ランキングに入らなかった三つの教会をあげます。下記の左の写真がパドヴァのサンタントニオ聖堂です。世界中の聖アントニオの総本山で、世界中、特に聖アントニオの生まれたポルトガルの信者と南米ブラジルの信者の人たちが巡礼に訪れるそうです。真ん中の写真は、アッシジのサンフランチェスコ聖堂で、世界で一番有名な聖人と言われている聖フランチェスコの総本山です。そして、右の写真が、ベルガモのサンタ・マリア・マッジョーレ聖堂とコッレオーニ礼拝堂です。ロンバルディア・ルネッサンス建築の傑作と言われています。



とにかく、イタリアは教会に事欠きません。ここにあげた教会の他にも印象的な教会はいっぱいありました。そんな教会を次回に紹介したいと思います。
スポンサーサイト