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2012-03-20(Tue)

イタリアの旅行計画、その6(日帰り旅行編)

イタリア旅行計画、その1~5は、全て、ミラノからの日帰り旅行です。日帰り旅行だけでなくミラノから宿泊旅行も何度かしていますので、それらの旅行計画も別途紹介したいと思っています。今回は、ミラノからの日帰り旅行計画の総まとめをしたいと思います。前にも書いたように、当初は、まだ慣れていない事もあり、日帰りで帰ることを優先して、それほど遠くまで行くことが出来ず、比較的簡単に行くことが出来る近場を選んでいたのですが、だんだんと欲が出てきて、日帰り旅行の範囲がどんどんと広がっていきました。

日帰り旅行した北イタリアの州毎に纏めてみました。やはり、ミラノの周りの州へ行った回数が多いので、ミラノから近い順番に纏めています。

1. ロンバルディア州
最初は、やはりミラノのあるロンバルディア州です。ソンドリア県を除くすべての県に足を運びました。全部で38か所の街や村です。大きな街も良かったのですが、何度か紹介しているように、北はアルプスの麓、南はロンバルディア平野にある小さな田舎街にも素晴らしいところがたくさんあります。残念ながら行くことが出来ずに、多くの小さな街や村で訪ねてみたいところがまだいっぱい残っています。下記の写真は、今まであまり取り上げていないロンバルディア州の街です。写真左は、ミラノのすぐ南にある街、ローディです。日本で言えば、自由が丘みたいな女性好みの可愛い街です。中央の写真は前回でも紹介したミラノの避暑地であるコモ湖の玄関口、コモの街です。ここは如何にもイタリア人たちの避暑地・観光地ですね。右の写真は、正に珠玉の街と言えるようなヴィジェーヴァノです。ここのダ・ヴィンチが設計したと言われる広場は、イタリアで一番(個人的にはヴェネツィアのサンマルコ広場より好きです)素晴らしいと思っています。
ローディ コモ湖 ヴィジェーヴァノ

2. エミリア・ロマーニャ州
ミラノに住んでいなければ、多分、エミリア・ロマーニャ州が一番素晴らしい州であると感じると思います。知らないうちに、レッジョ・エミリア県以外の全ての県に行ってしまいました。この州を東西に横断する列車からどの駅で降りても、そこは素晴らしい観光地です。列車の路線に沿って大きな街が州の北側に点在しているのです。即ち、これらの大きな街近辺までがポー川に沿った肥沃なロンバルディア平野になっていて、大きな街の南側にはアペニン山脈が北イタリアと中央イタリアを分断しているのです。東を見ると、ポー川に沿って進み、アドリア海の沿岸にあるローマ時代からの古い街、リミニにまで達しています。この州には、ワインに加えて生ハムにチーズ及びパスタ等の美味しい食べ物、音楽や絵画に代表される芸術、多くの歴史的な建造物、また、それだけでなく、F1で有名なフェラーリやランボルギーニの工場まであります。また、山の中には、たくさんのお城が今でも昔のままにあるばかりでなく、自然と共存している歴史のある小さな街や村が各所に点在しています。写真左は、ラヴェンナの南に位置し、街の裏に石灰岩の丘があるブリジゲッラです。中央の写真は、ボローニャの南にある近代壁画芸術の街、ドッツァです。右の写真は、観光面で忘れさられている古い大きな街、ピアチェンツァです。この街には重厚な歴史を感じました。
ブリジゲッラ_城から時計塔_002 ドッツァ_Dozza村並_001 ピアチェンツァ_カヴァッリ広場_01

3. リグーリア州
リグーリア州は小さいので、中に4県しかありません。ここも知らないうちに4県全部に行っていました。ミラノからジェノヴァまでの列車は、ロンバルディア平野から山を越えてピエモンテ州アレッサンドリア県に入り、また、山を越えてジェノヴァに至ります。ジェノヴァに入ると、突然季節が変わったかのように、ミラノでは冬の弱い太陽だったのが、明るい南国の太陽になるのです。ジャノヴァから西に行くと西リヴィエラ、東に行くと東リヴィエラ海岸に続き、有名な避暑地が海岸線に並んでいます。一方、北に行くと、ピエモンテ州とエミリア・ロマーニャ州との間には高い山が並んでいて、そこには、小さな田舎街や村がひっそりと佇んでいます。この極端な2面性がリグーリア州の魅力です。写真左は、ピエモンテ州に近い山中の街ミッレシモです。とても長閑な街でした。写真中は、エミリア・ロマーニャ州に近い山中の田舎街、ヴァレーゼ・リグーレです。ここも綺麗で静かな街でした。写真右は、西リヴィエラ海岸のサン・レモ近くにある城壁に囲まれた小さな村、チェルヴォです。海岸の近くの古い街は、海賊対策の城壁があります。
ミッレシモ・ポンテ・ヴェッキオと周辺_008 ヴァレーゼ・リグーレ_フィエスキ城_011 チェルヴォ街並_003

4. ヴェネト州
この州は、前回も紹介したように、ヴェネツィアを始めとして、世界遺産にあふれています。ミラノからのユーロスターに乗ると、ユーロスターが停まるこの州の全ての駅には世界遺産があるのです。まず、写真左のヴェローナです。この街には何度でも行きたくなります。パッラーディオの街と言われているヴィチェンツァもローマ時代から古い街で、パッラーディオの建物の下にはローマ時代の遺跡が眠っているそうです。中央の写真は、街外れにあるロトンダで、アメリカのホワイトハウスのモデルとなったパッラーディオの傑作です。ヴェネツィアの手前にある街、パドヴァのプラトー・デッラ・ヴァッレ(写真右)は、ローマ時代の円形闘技場の遺跡の上に造られた公園です。ですから、当然ながら、楕円形をしています。
ヴェローナ_078 ヴィチェンツァ・ロトンダ_015 パドヴァ_プラート・デッラ・ヴァッレ_007

5. ピエモンテ州
ピエモンテ州は、北と南では別の顔を持っているように感じました。トリノの北はアルプスと湖の大自然に囲まれています。トリノから南に行くと、スローフード発祥の地らしく、農耕地が広がっています。特に、アルバ周辺ランゲ地方の葡萄畑は圧巻です。この州も全ての県に行ってしまいました。写真左は、ビエッラの近くにある聖地オローパです。ここのサクロモンテは世界遺産なのですが、地元の人にとっては、それよりも、黒いマリア様が大事なようです。中央の写真は、トリノの近くにあるサクラ・ディ・サンミケーレ修道院です。どう見ても、修道院と言うよりも砦です。ここに日本語のガイドブックがあったのにはびっくりしました。写真右は、アルバ周辺にある葡萄畑です。とにかく、この辺りには、お城と葡萄畑しかありません。でも、ここの景色は見飽きることがありません。
オローパ_旧バシリカ_01 サクラディサンミケーレ_043 ランゲ地方

6. トスカーナ州、ヴァル・ダオスタ州、トレンティーノ州
日帰りで行けるトスカーナ州の街は、今まで何度か出てきているお気に入りの街のひとつであり、2本の川の中州にある街、ポントレモーリ(写真左)しかありませんでした。ヴァル・ダオスタ州は、フランス国境のアオスタまで日帰りの範囲内ですが、今回はアオスタ渓谷にあるフランス語読みの街、バール(写真中)までしか行っていません。ナポレオンの攻撃にも耐えた難攻不落お城があるところです。トレンティーノ州は、トレントまで日帰りで行きました。その先のボルツァーノには、1泊で行っています。トレントの街からもドロミティまで見渡すことが出来ます。写真右は、トレントにある大きなお城、ブオンコンシーリョ城からの風景です。
ポントレモーリ _カステッロと景色_029 バール城と景観_016 トレント_ブオン・コンシーリォ城外観2_009

本当に、どの州も甲乙はつけられないほど大好きです。各州がそれぞれ独特な雰囲気を持っているのが北イタリアで、それぞれに他とは違う良いところがあります。それに、どの州も私が行ったところ以外にも素晴らしい小さな街や村がまだまだたくさんあります。“ふれあい”を求めて、また、そんな街を訪ねたいと思っています。

次回は、いよいよ宿泊旅行編です。
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2012-03-03(Sat)

イタリアの旅行計画、その5(ミラノから簡単に日帰り旅行が出来るところ)

前回までに、大きな観光地から一気に公共バスを利用しなくては行けないような小さな田舎街(村)までを紹介してしまいましたが、今回は、もう一度基本に戻って、ミラノから簡単に日帰り旅行が出来る観光地を紹介することにします。やはり、イタリアの田舎街に行く前に、メジャーな観光地を一通り訪ねてみたい人は多いと思います。イタリアの田舎街は、それらの計画の延長線上にあります。

ミラノの周りには有名な観光地がいっぱいあります。イタリアの旅行計画、その1では、ミラノから簡単に日帰り旅行が出来る観光地として、世界遺産に登録されているトリノとベッリンツォーナを紹介しましたが、今回は、その他の有名な観光地を出来るだけ紹介するつもりです。

1. ミラノ<――>(世界遺産の街)ブレーシア、ヴェローナ、ヴィチェンツァ、パドヴァ、ヴェネツィア
ブレーシアのサンタジュリア・サンサルバトーレ修道院が2011年に世界遺産に登録されましたので、ミラノから東に走るヴェネツィアまでの路線には5つの世界遺産がずらりと並ぶことになってしまいました。あまりにも有名なロミオとジュリエットの街ヴェローナ、パッラーディオの建物が並ぶヴィチェンツァ、世界で一番古い植物園のある街パドヴァ、そして、終点がイタリアで最も人気のある観光地ヴェネツィアです。どの駅にもミラノ発のユーロスターが停まりますので、ミラノから行くのは簡単です。所要時間も終点のヴェネツィアまでが2時間半ですから、途中駅なら2時間半以内なのでそれほど時間もかかりません。但し、どの街も世界遺産であり観光スポットが多く、日帰りで全てを見尽くすところまでは行きません。しかし、その街の雰囲気を感じるのに十分な観光時間を確保する事は出来ます。写真は、上段がブレーシア(左)、ヴェローナの野外オペラ(中と右)、下段がヴィチェンツァ(左)、パドヴァ(中)、ヴェネツィア(右)です。
ブレーシャ 059 ヴェローナ132 ヴェローナ 144
ヴィチェンツァ・街並_011バシリカ パドヴァ_植物園オルト・ボタニコ風景_022 ヴェネツィア0368

2. ミラノ<――>モンツァ、ベルガモ
モンツァはミラノから普通列車で15分です。F1サーキットで有名ですが、旧市街の街並みとバラ園が綺麗なオーストリア風王宮とその周りにある公園(この公園の中にサーキットがあります)が素晴らしいのです。暇な時にぶらりと行って、ゆっくりと街歩きをどうぞ。ベルガモは、ミラノから普通列車で1時間です。ベルガモ終点の列車は本数が多いので、乗っていれば寝ていても着いてしまいます。ベルガモ駅から丘の上にある旧市街のベルガモ・アルタまではバスに乗るのですが、駅前からたくさんの観光客が同じバスに乗りますから、ついて行けば良いだけです。この世界遺産に匹敵すると言っても過言ではない美しい街への日帰り旅行は、ミラノからの日帰り旅行の予行演習としても最適です。写真は左がモンツァの宮殿、中と右はベルガモです。
モンツァ 039 ベルガモ_サンタマリア・マッジョーレ教会_14 ベルガモ_ヴィジリオの丘_02

3. ミラノ<――>ヴェレーゼ(世界遺産)、コモ
マルペンサ・エクスプレスが到着するミラノ・カドルナ駅から私鉄のノルド線で、ミラノから一番近い湖水地方のリゾート地、ヴェレーゼとコモに1時間ほどで行くことが出来ます。両方とも終点ですので、寝ていても到着します。宮殿と別荘の街ヴェレーゼからバスで20分ほどの丘の上に世界遺産のサクロ・モンテがあります。サクロ・モンテの礼拝堂を巡りながら、山々、湖、そしてヴェレーゼの街並まで見える素晴らしい景色は、きっと満足できると思います。コモ湖の玄関口のコモの街は、いつも観光客でいっぱいです。このローマ時代からの古い街を歩くのも素晴らしいのですが、観光船に乗って、世界的な著名人の素晴らしい別荘を巡るも良しです。写真は、左がヴェレーゼのサクロ・モンテからの景色で、中と右がコモの街並みとコモ湖の写真です。
ヴェレーゼ_サクロモンテ_06_01_チャペル14_01 コモ_1120565 コモ_1120581

4. ミラノ<――>ストレーザ、ドモドッソーラ(世界遺産)
ミラノからスイスとの国境の街ドモドッソーラへ向かう普通列車を1時間ほど乗るとマッジョーレ湖の玄関口であるストレーザに到着です。ナポレオンをも招待したイソーラ・ベッラに建つボッロメーオ宮殿は、訪ねて損はありません。ミラノからこの路線の普通列車を1時間半乗ると、列車は終点のアルプス麓の街ドモドッソーラに到着です。この街には世界遺産に登録されているサクロ・モンテがあります。ドモドッソーラ駅から歩いて行くことが出来ますが、十字架を背負っていなくても、カルヴァリオの丘を歩いて登るのはちょっと大変です。左の写真がイソーラ・ベッラで、中の写真は、山の上から見たマッジョーレ湖です。右の写真はドモドッソーラのサクロ・モンテです。
ストレーザ_イソラ・ベッラから戻りの遊覧船_005 ストレーザ_モッタローネ山下り_011 ドモドッソーラ_カッペラ15_06

5. ミラノ<――>クレモナ、マントヴァ(世界遺産)
今度はミラノから南にあるロンバルディア平野を東に進む路線です。普通列車を1時間乗ると、ヴァイオリンの街クレモナに到着です。この街には何人もの日本人がヴァイオリン工房で職人になる修行をしているそうです。イタリアで一番高い鐘楼(トラッツィオ)からこの中世の街とその先にある緑のロンバルディア平野の眺めは圧巻です。この普通列車を終点までミラノから2時間乗ると、世界遺産の街マントヴァに到着です。この街には独特の雰囲気を感じます。2つの宮殿に描かれているフレスコ画を見逃してはいけません。トラッツィオから見たクレモナの街(写真左)とドゥオモ(写真中)、マントヴァの街並み(写真右)です。
クレモナ 125 クレモナ 097 マントヴァ街並_03_エルベ広場_01

6. ミラノ<――>ピアチェンツァ、パルマ、モデナ(世界遺産)、ボローニャ
ミラノからエミリア・ロマーニャ州を東に進んで横断する普通列車に乗ると、ボローニャまでの2時間20分の間にピアチェンツァ、パルマ、モデナ等の有名な観光地を通ります。どの街で降りても、歴史と文化を感じるだけでなく、美味しい料理とワインがあります。歴史的建造物は、世界遺産のモデナが有名ですが、その他の街も負けてはいません。音楽と絵画はパルマが有名です。チーズと生ハムもパルマ、パスタとワインはボローニャ、でもそれらの街だけでなくこの周辺の全地域に広がっています。どの街も深みのある素晴らしい街です。上段の左の写真はピアチェンツァで中と右はパルマです。下段の左がモデナで、中と右がボローニャです。
ピアチェンツァ・ゴティコ_02 パルマ_1010930 パルマ_1010937
モデナ_グランデ広場_01 ボローニャ 461 ボローニャ 451

7. ミラノ<――>ジェノヴァ(世界遺産)
さて、真っ直ぐに南へ行く普通列車に乗ると、1時間40分でジェノヴァに到着します。この街も世界遺産に登録されています。世界遺産に登録されている宮殿も素晴らしいのですが、この街にはヨーロッパで一番大きな旧市街があります。ちょっと、危険な雰囲気のする港町の旧市街をドキドキしながら歩くのは、海外旅行で味わう楽しみのひとつでもあります。そして、新鮮な魚介類とジェノヴェーゼソースのパスタはお腹も満足させてくれます。ジェノヴァの写真3枚です。
ジェノヴァ  (215) ジェノヴァ  (229) ジェノヴァ  (247)


今回挙げた6つの旅行計画は、ミラノから列車で、乗り換えなしで行くことが出来る観光地です。所要時間も、ミラノ<->ヴェネツィアの2時間半(ユーロスター)が最長ですので、チケットさえ購入出来れば行きも帰りも簡単です。それなのに、ミラノの周辺には世界遺産に登録されている観光地が、トリノとベッリンツォーナを含めて12か所もあるのです。日本からのイタリア旅行は、そう簡単に行けるものではありませんので、行ったからには、数多くの世界遺産を見たいと考えるのは自然だと思います。と言う訳で、ミラノを起点とすれば、「最後の晩餐」を含めて13か所の世界遺産を訪ねることが出来るのです。イタリアの田舎街や村に行くのはちょっと大変だと思っている人でも、これらの観光地なら絶対に大丈夫です。

次回は、まだ出てきていない観光地を含めて、ミラノからの日帰り旅行の総まとめを書く予定です。
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matsuohj (パパロンチーノ)

Author:matsuohj (パパロンチーノ)
2008年10月20日から2010年8月23日までの1年10カ月ミラノに滞在。その期間、北イタリアを中心に115ヶ所の街を訪ねました。それも、ほとんどが公共交通機関を利用したものです。この経験で得た情報を一人でも多くのイタリア好きの人に伝えるためのブログです。

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