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2012-04-25(Wed)

イタリアの旅行計画、その8(列車のトラブル編)

3週間ぶりの更新となってしまいました。多少、ネタ切れを感じている為に、最近は更新するのもちょっと考えてしまいます。先日、渋谷の文化村ミュージアムでダ・ヴィンチ展を見て来ました。なかなか充実していて、十分に見ごたえがありました。まだ、行っていない人は是非行ってください。6月10日までです。パルマの美術館で初めて会ったダ・ヴィンチの「ほつれ髪の女」との再会は、本当に涙が出そうになりました。

イタリアで、公共交通機関を利用して旅をするのは大好きでした。その理由は、第一に、街歩きも同じですが、公共交通機関を利用することでイタリアの人と文化を身近に感じられることです。そして、もちろん、日本に比べるとずっと安い料金で遠くまで行くことが出来ることです。しかし、その反面、いろいろなトラブルに巻き込まれることになります。

イタリアの交通機関のトラブルは、旅行者だけではなく、イタリア人にとってもトラブルなのです。そんなトラブルを通じて、イタリアの文化だけでなく、良い意味でも悪い意味でもイタリア人と接する機会が多くなり、イタリアを知る良い機会となります。特に、トラブルに巻き込まれるときほど、人の温かみを肌で感じることが出来るのです。ですから、「日本じゃこんなトラブルには合わない。イタリアの交通はどうしようもない」と、否定的にとらえないで、トラブルに逢ったおかげでいろいろな体験が出来て、「イタリアをより深く知ることが出来た」と肯定的にとらえましょう。

それでは、今回は列車のトラブルです。久しぶりにランキング形式でトラブルを紹介します。もちろん、悪いトラブルの順に並べています。

1. ミラノのドゥオモ駅での引ったくり
まだ、ミラノに来て4カ月くらいの時で、日本から持ってきた平和ボケが抜けていない頃でした。ドゥオモの地下鉄駅でM3からM1に乗り換えるエスカレーターにおいて5人組の男の窃盗団に取り囲まれて財布を取られました。周りに何人もの人がいるところで両手両足を押えられて、無理やりポケットの財布を取られたので、防御のしようがありません。それでも、その中の1人を捕まえて、英語で財布を返せと叫んだところ、現金だけ抜いて財布を遠くに投げて逃げて行きました。カードも入っていたのですが、取られたのは現金(300ユーロほど)だけだったので、良い勉強をしたと前向きに考えることにしました。今後の対策として、50ユーロほど入れた、取られても良いダミー財布を持つことにしたのですが、これ以降1年半は、平和ボケが抜けて隙が無くなったのか、何も起こりませんでした。まあ、今考えてみると、しょっぱなの良い経験だったのですね。その日は、旅行を取りやめて、無一文で家に帰りました。従って、写真はミラノの地下鉄とドゥオモです。
M3_ドゥオモ広場_09 M3_ミラノドゥオモ広場_01 M3地下鉄サンドナート駅_005

2. 無賃乗車その1(ブレーシアからのローカル線)
ミラノからブレーシアへの特急列車が30分も遅れて、ブレーシアからカーポ・ディ・ポンテに向かう私鉄(ノルド線)の出発時間を大幅に過ぎていました。もう諦めて、この日はブレーシアの街を観光しようと思っていたのですが、一応、私鉄のホームに行ってみると、さすがにイタリアですね、その列車の出発も遅れていてまだホームに列車がいたのです。それも、すぐに出発しそうだったので、切符も買わずに飛び乗りました。これが初めての無賃乗車でした。車内で、イタリア語しかできない車掌さんに、英語と身ぶり手ぶりで事情を説明して、何とか罰金無しで清算してもらいました。ブレーシアに戻る時も、カーポ・ディ・ポンテは田舎の無人駅だったので、切符が買えずに困っていると、待合室で一緒だった綺麗な初老のご婦人が持っていた途中までの切符を売ってくれました。しかも、そのご婦人は車掌さんに事情も説明してくれたので、問題なくブレーシアまでの清算が出来ました。もちろん、罰金無しで戻ることが出来ました。ちょっとしたトラブルのおかげで、親切なご婦人と車掌さんのお世話になり、素晴らしいふれあいを体験できました。写真はカーポ・ディ・ポンテの景色と線刻画です。
22_カーポディポンテ街並_09 22_カーポディポンテ風景_01 22_教会からの景色_05

3. 無賃乗車その2(マントヴァ行きの列車)
朝の6時50分発の列車でマントヴァに行く予定で、ミラノ・ロゴレド駅で切符を買おうとしたのですが、日本では考えられない事ですが、列車は運転していますが、駅の切符売り場は7時からとのことで閉まっています。おまけに、よくあることですが、3つある自動販売機の全部が故障中で使えません。仕方なく、切符なしで列車に乗り、車掌さんが来るのを待ったのですが、朝早すぎた?為か、やっとクレモナを過ぎたあたりで車掌さんが来ました。例によって、英語がわからない車掌さんに英語と身ぶり手ぶりで説明して、何とか理解してもらって清算したのですが、金額がちょっとだけ高いのです。車掌さんがイタリア語で高い理由を説明してくれていたようですが、その時は理解不能でした。でも、後で考えてみると、車掌さんはクレモナから乗って来たので、ミラノ・マントヴァ間の清算ではなく、ミラノ・クレモナ間とクレモナ・マントヴァ間の清算をしたのです。従って、ちょっとだけ高くなったようです。まあ、仕方ないですね。それにしても、イタリアでは、列車の発車時刻に関係なく、切符売り場や車掌さんの勤務時間が決まっているようです。これも、良い経験です。写真はマントヴァです。
33_エルベ広場_01_ロトンダ 33_ソルデッロ広場_03_ドゥカーレ宮 33_テ宮殿_02

長くなったので、後半の2つのトラブルは次回に回します。
今考えてみると、その時は、困ってしまいますが、親切なイタリア人に救われた時は本当に助かります。カーポ・ディ・ポンテで助けてくれた初老の綺麗なご婦人は、田舎の人とは思えないファッショナブルで本当に素敵な人でした。こういうふれあいがあるから、トラブルがあっても楽しい思い出になってしまうのです。

今回の締めは列車と駅の写真です。写真左はブレーシアからアルプスの山々に向かう私鉄列車のノルド線です。この綺麗な列車に乗ってカーポ・ディ・ポンテまで行きました。イタリア国鉄の普通列車は汚いのですが、私鉄は綺麗なのです。写真中は有名なミラノ中央駅、2010年8月には修復が終わり、綺麗になりました。そして写真右はミラノ中央駅から乗ったユーロスターの車内です。ユーロスターも綺麗ですよ。
ブレシア駅ノルド線_02 ミラノ中央駅_01 列車_ユーロスター01

最後に、住んでいたところに一番近いイタリア国鉄駅ミラノ・ロゴレド駅の写真を3枚つけます。この駅も新しくて綺麗でした。そして、一番利用した駅でもあります。
列車_ロゴレド駅_007 列車_ロゴレド駅_008 列車_ロゴレド駅_009

次回のトラブルをお楽しみに。
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2012-04-03(Tue)

イタリアの旅行計画、その7(宿泊旅行編)

その6までは、ミラノからの日帰り旅行の計画でしたが、今回は、ちょっと足を延ばしたミラノからの1、2泊旅行の計画を紹介します。

日帰り旅行ではちょっと厳しい距離にある街や、観光資源が多くてじっくりと観光したい街に行く時は、土・日曜日の2日を使って1泊旅行又は3連休を使って2泊旅行を計画しました。列車は時間の許す限り安価な普通列車を使い、宿は寝るだけですから、なるべく(シャワーだけの)安いホテル(2つか3つ星)をネットでブッキングしました。

1. ミラノ――>ルッカ――>アッシジ(泊)――>アレッツォ――>ミラノ
ミラノからジェノヴァに出て、乗り換えて東リヴィエラ海岸沿いにヴィアレッジョに出ます。ヴィアレッジョからバス約50分でルッカ(写真左)に到着します。この経路は金額も安いうえ、ミラノからでもルッカに午前中に到着することが出来ます。ルッカからフィレンツェまでは列車で行き(約1時間半)、乗り換えて、アッシジ(写真中)まで約2時間半の列車の旅です。アッシジの駅からアッシジの旧市街まではバスで15分ほど、この日、実際にアッシジに到着したのは夜の9時過ぎでした。次の日は早起きしてアッシジ観光後、午後、フィレンツェ行きの列車に乗って、中間地点にあるアレッツォ(写真右)に行き、観光した後、フィレンツェからはユーロスターでミラノに戻りました。2日間、朝早くから夜遅くまで遊んだので、結構ハードな旅でした。でも、3か所全部が素晴らしいところで大満足の1泊2日でした。
00_ルッカ_ドゥオモとドゥオモ広場_004 00_アッシジ城外景色_009 00_アレッツォ・グランデ広場_006

2. ミラノ――>ウルビーノ(泊)――>ラヴェンナ――>ボローニャ――>ミラノ
ミラノから直通のユーロシティでもペサーロまで約3時間45分かかります。更に、ペサーロの駅前からウルビーノ行きのバスに乗り、所要時間1時間強でウルビーノの城壁の外の広場に着きます。ですから、日帰りはちょっと無理です。それに、ウルビーノ泊なら、その日の午後から夜遅くまでたっぷりとウルビーノを散策できます。帰りも、ユーロシティの直通がありますが、普通列車を利用してリミニ経由でラヴェンナに行き、モザイクを見た後、ボローニャに出てユーロスターでミラノに戻ると、2つの世界遺産を訪ねる充実した1泊旅行となります。写真はウルビーノです。
ウルヴィーノ 006 ウルヴィーノ 125 ウルヴィーノ 176

3. ミラノ――>ヴェローナ(泊)――>トリエステ(泊)――>アクィレイア――>ミラノ
3連休を利用した2泊旅行です。午前中にユーロスターでミラノからヴェローナ(写真左)に入り、その日の午後をたっぷり観光して、夜は夏の野外オペラを鑑賞して1泊しました。次の日の朝のユーロスターに乗りヴェネツィアで乗り換えてトリエステ(写真中)まで普通列車で行き、ミラマーレ城とトリエステの街を観光して1泊します。次の日は、普通列車でチェルヴィニャーノ・デル・フリウリへ、そこからバスでアクィレイア(写真右)に行って観光後、チェルヴィニャーノ・デル・フリウリに戻り、ヴェネツィアまで行きユーロスターに乗り換えてミラノまで戻る行程です。ヴェローナは、以前にも来ているので、あまり観光していませんが、初めてなら半日では全然足りません。この行程にヴェネツィアまで入れたら、もう1泊ですね。
11_ヴェローナ 042 11_トリエステ 245 11_アクィレイア 293

4. ミラノ――>ジェノヴァ(泊)――>ピサ――>フィレンツェ――>ミラノ
ミラノからジェノヴァは普通列車でも1時間35分ほどです。ジェノヴァ(写真左)は見どころも多いうえ、食べ物も美味しいので、ゆっくりしたいところです。たっぷりと、ジェノヴァを観光して美味しいものを食べたら、1泊して、次の日の朝のインターシティで美しい地中海を眺めながら東リヴィエラ海岸を2時間半も乗ればピサ(写真中)に着きます。ピサの駅前からバスでミラーコリ広場まで10分弱です。本数も多いうえ、たくさんの観光客が利用していますので間違えることはありません。ピサからは、1時間20分でフィレンツェ(写真右)に行く普通列車が1時間に2本くらいあります。フィレンツェからはユーロスターでミラノまですぐ(1時間45分)です。でも、折角だから、フィレンツェでもう1泊しても良いと思います。
22_ジェノヴァ_001 22_フィレンツェ_002 22_フィレンツェ_003

5. ミラノ――>ラ・スペツィアとポルト・ヴェーネレ(泊)――>リオ・マッジョーレからチンクエ・テッレ――>モンテ・ロッソ――>ミラノ
世界遺産でもあるポルト・ヴェーネレとチンクエ・テッレは1,2泊してゆっくりと歩いてみたいと誰もが考えます。1泊するなら、どこが良いか迷うところですが、私はラ・スペツィアの駅のそばのホテルをお勧めします。ミラノからラ・スペツィア・チェントラーレ駅までは、直通のインターシティで3時間強です。ラ・スペツィアからポルト・ヴェーネレまでは、バスで30分ほどです。素晴らしいポルト・ヴェーネレをゆっくり観光して、ラ・スペツィアに戻って1泊し、次の日の朝に普通列車でリオ・マッジョーレに行きます。そこからは、歩いても、船に乗っても、列車に乗ってもかまいません。ゆっくりとチンクエ・テッレを味わってください。チンクエ・テッレの最後の街はモンテ・ロッソです。そこから列車に乗ってミラノに戻ります。
33_チンクエテッレ 034 33_チンクエテッレ 225 33_チンクエテッレ 274

6. ミラノ――>ヴェローナ乗り換えトレント経由――>ボルツァーノ(泊)――>ソプラ・ボルツァーノ――>レノン――>ボルツァーノ――>ミラノ
世界遺産のドロミティを見ようと思って起てた計画ですが、実際には、天気は良かったのですが、レノンから見たドロミティは雲がかかっていて良く見えませんでした。それでも、イタリアよりもドイツの雰囲気が強く出ているボルツァーノの街並、南チロルと呼ばれているソプラ・ボルツァーノからレノンにかけてのレノン鉄道から美しい景色を眺め、南チロルの雰囲気の中でアースピラミッドやドロミティを見ながらのトレッキングは、絶対にお勧めのコースです。もっと時間がとれるなら、ヴェローナでも1泊してゆっくり世界遺産の街を観光しても良いですね。
ボルツァーノ_007 ソプラボルツァーノ_レノン_007 ソプラボルツァーノ_レノン_017

次回は、公共交通機関を利用した際に、実際に直面したトラブルとその対処方法をまとめるつもりです。
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matsuohj (パパロンチーノ)

Author:matsuohj (パパロンチーノ)
2008年10月20日から2010年8月23日までの1年10カ月ミラノに滞在。その期間、北イタリアを中心に115ヶ所の街を訪ねました。それも、ほとんどが公共交通機関を利用したものです。この経験で得た情報を一人でも多くのイタリア好きの人に伝えるためのブログです。

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