2012-01-07(Sat)
イタリアの旅行計画、その1(イタリア国鉄、大きな街編)
明けましておめでとうございます。2009年8月の終わりにミラノから戻ってきてから、2度目のお正月を迎えました。2年も続けて日本でお正月を迎えたのは、ここ20数年、記憶にありません。新しい年を迎えましたので、今回から、新しいテーマでブログを書いていきます。
ミラノ滞在、1年10カ月の間に、何度か(と言っても10回以上)宿泊ベースの旅行もしていますが、ほとんどが、公共交通機関を使い週末を利用した日帰り旅行でした。月曜日には会社に行かなくてはいけないので仕方がありませんでした。従って、その日のうちに帰ることが出来る観光地巡りとなっていた為に、慣れていない当初は限られた範囲の旅行でした。しかし、慣れてくるとどんどんその範囲が広がり、観光地までの距離と時間はどんどん長くなっていきました。その上、イタリアには観光地が山ほどあるので、広がった範囲内の観光地を全て巡るには、1年10カ月では足りないくらいでした。最終的に、ミラノ滞在中の日帰り旅行及び宿泊旅行で、1年10カ月の間に訪ねた観光地は115か所にものぼります。
日帰り旅行は、時間が限られていますので、その日のうちにミラノに戻れるようにするためには、観光地が遠ければ遠いほど念密な旅行計画が必要です。そのようなわけで、旅行計画もたくさん起てました。幸運なことに、2,3回、列車に乗り遅れたことはありましたが、その日のうちに帰れなかったことは一度もありません。従って、これらの旅行計画は、同じような所に行く人に役に立つのではないかと考えて、今回からの新しいテーマとして、書いて行くことにしました。
今回は、最初ですので、一番簡単な6つの日帰り旅行計画を紹介します。使った交通機関はイタリア国鉄だけの旅行計画です。
1. ミラノ<――>トリノ
これが一番簡単な旅行計画です。というより、旅行計画は必要ありません。ミラノ中央駅とトリノ・ポルタヌォーヴォ駅の間は直通の普通列車が1時間間隔で走っています。所要時間は2時間で、始発から終点までですから、寝ていても大丈夫。それに、天気が良ければ列車からアルプスまで見渡せます。同じイタリアであるにもかかわらず、ミラノとは雰囲気の違うトリノの街は、行って損はありません。落ち着いた街並と歴史的な建造物、周りの美しい景色、スウィーツにスローフードと3拍子揃っています。

2. ミラノ<――>ベッリンツォーナ
2時間間隔で出ているミラノとスイスのチューリッヒ間を結ぶユーロスターの国際列車に乗り、世界遺産に登録されているベッリンツォーナはスイスにあるのですが、ミラノからルガーノ湖を越えてたった1時間25分で到着します。チケットも国内列車とまったく同様に購入できます。言葉もイタリア語ですし、お金もユーロが使えます。但し、スイスに入るとパスポートチェックがあります。全員チェックするわけではないので、実際には一度もチェックされたことはありませんが、パスポートは必ず持っていくべきです。

3. ミラノ<――>ジェノヴァ<――>フィナール・リグーレ・マリーナ
ミラノ(ミラノ中央駅或いはミラノ・ロゴレド駅)とジェノヴァ間は1時間に1,2本の普通列車とインターシティがあります。所要時間はロゴレド駅から1時間30~40分です。世界遺産にも登録されているジェノヴァの街も素晴らしいのですが、ジェノヴァの東西にあるリヴィエラ海岸はミラノの避暑地です。ミラノからの列車はジェノヴァを通過して交互に東と西リヴィエラへと続きます。西リヴィエラにあるフィナール・リグーレまではジェノヴァから更に30~40分です。フィナーレ・リグーレ近辺にはフィナルボルゴ、ノーリ、ボルジオ・ヴェレッツィの3つの「最も美しい村」があります。

4. ミラノ<――>ボローニャ<――>ラヴェンナ
ミラノ・ロゴレド駅からボローニャまでは普通列車で2時間35分ですが、この間に世界遺産の街モデナや芸術と食べ物の街パルマ等、見逃せない街を通過します。ミラノ中央駅からボローニャまではユーロスターで1時間5分しかかかりません。本数も多く、列車は夜遅くまであるので、ボローニャまで来れば、ミラノに着いた気持ちになれます。ボローニャと世界遺産でもあるラヴェンナ間は、2時間間隔に出る普通列車で1時間20分です。ボローニャで乗り換えて行く、同じく世界遺産の街フェッラーラやアドリア海に面した街リミニまでも日帰り旅行の範囲内です。

5. ミラノ<――>ヴェローナ<――>トレント
ミラノ中央駅から世界遺産の街ヴェローナまでは、ヴェネツィア行きのユーロスターが30分から1時間間隔であり、所要時間は1時間20分です。また、ぐっとお安い普通列車(所要時間は1時間45分)もあります。ですから、気楽にいくことが出来ます。また、この列車の沿線には、ヴェネツィア(ミラノからユーロスターで2時間半です)はもちろんのこと、ブレーシア、ヴィチェンツァ、パドヴァと世界遺産に遭遇できる街があります。ヴェローナからトレントへは、ヴェローナとボルツァーノ間を走る普通列車で1時間です。この列車はヴェローナを過ぎると、イタリア語とドイツ語の両方でアナウンスをします。

日本でも国鉄時代は料金が高くてサービスが悪かったのですが、イタリアでは料金は安いのですがサービスは最悪です。特に普通列車は非常に汚く、これでも動くのかと思うくらいです。
チケット購入がまず当面の問題です。ミラノ中央駅以外は、自動販売機(英語も可)はほとんど壊れているので期待しないほうが良いと思います。壊れてもなかなか直さないので、どんどん壊れた機械が増えて、ほとんどの機械が壊れている状況になっています。それに、たとえ、動いていても、おつりが出なかったり、カードが使えなかったり、おつりが小さなコインばっかりで出たりとトラブルが絶えません。
そこで、切符売り場で購入する事になりますが、大きな駅以外は、いつも1 ケ所しか開いていませんので、客が多いと長蛇の列です。それに加えて、長距離切符を買う人がいますので、時間のかかることが多々あります。5 ユーロのチケットを買うのに30 分かかることもありますので、時間の余裕を見ておいたほうが良いと思います。そんな状態ですから、チケットを買う時間がなくて、チケットなしで乗っちゃう人もいます。でも、だまっていて見つかると罰金です。もし、どうしても心配なら、普通列車のチケットは打刻するまでは有効時間の時計の針は動きませんので数日前に買っておくのが良いでしょう。チケットは、打刻しなければ 2か月間有効です。
写真だと綺麗ですが、イタリアの列車と駅の写真を紹介します。右がミラノ中央駅、中がスイスのベッリンツォーナ駅そして左がボローニャ駅です。

日本との大きな違いは、普通列車(ユーロスターのように指定席に乗る切符は、運行中に車掌がチェックに来ますので、打刻不要です)は乗車する前に、バスやトラムは乗車後直ぐに、チケットに打刻が必要なことです。これは、国鉄も私鉄も、列車でもバスでもすべて共通です(地方のバスは乗るときに運転手にチケットを出して半券をちぎられる場合もあります)。この打刻した時間からがチケットの有効時間開始となります。打刻していないチケットは、有効期間が2か月間あり、その間は打刻するまで(何度でも)使えることになります。従って、打刻していないで乗車していて見つかると罰金の対象になってしまいます。故意でなく打刻し忘れた場合も同じように罰金です。でも、ここにも問題があります。打刻機械はあっちこっちにあるのですが、壊れている機械も一杯あります。最悪の場合、機械を探しているうちに発車時間になり、打刻できないケースもあり得ます。また、田舎駅で一つしかない機械が故障して使えないときもあります。この場合、一番確実なのは、出発して直ぐに車掌を見つけて、打刻できなかったことを自己申告することです。きっと、他にも同じような人がいますので、ほとんど文句も言わずにチケットに日付けと時間を手書きしてくれます。打刻を忘れた場合でも自己申告すれば、罰金もたいしたことはありません(たった5ユーロです)。
次回は、イタリア国鉄の田舎駅を紹介します。
ミラノ滞在、1年10カ月の間に、何度か(と言っても10回以上)宿泊ベースの旅行もしていますが、ほとんどが、公共交通機関を使い週末を利用した日帰り旅行でした。月曜日には会社に行かなくてはいけないので仕方がありませんでした。従って、その日のうちに帰ることが出来る観光地巡りとなっていた為に、慣れていない当初は限られた範囲の旅行でした。しかし、慣れてくるとどんどんその範囲が広がり、観光地までの距離と時間はどんどん長くなっていきました。その上、イタリアには観光地が山ほどあるので、広がった範囲内の観光地を全て巡るには、1年10カ月では足りないくらいでした。最終的に、ミラノ滞在中の日帰り旅行及び宿泊旅行で、1年10カ月の間に訪ねた観光地は115か所にものぼります。
日帰り旅行は、時間が限られていますので、その日のうちにミラノに戻れるようにするためには、観光地が遠ければ遠いほど念密な旅行計画が必要です。そのようなわけで、旅行計画もたくさん起てました。幸運なことに、2,3回、列車に乗り遅れたことはありましたが、その日のうちに帰れなかったことは一度もありません。従って、これらの旅行計画は、同じような所に行く人に役に立つのではないかと考えて、今回からの新しいテーマとして、書いて行くことにしました。
今回は、最初ですので、一番簡単な6つの日帰り旅行計画を紹介します。使った交通機関はイタリア国鉄だけの旅行計画です。
1. ミラノ<――>トリノ
これが一番簡単な旅行計画です。というより、旅行計画は必要ありません。ミラノ中央駅とトリノ・ポルタヌォーヴォ駅の間は直通の普通列車が1時間間隔で走っています。所要時間は2時間で、始発から終点までですから、寝ていても大丈夫。それに、天気が良ければ列車からアルプスまで見渡せます。同じイタリアであるにもかかわらず、ミラノとは雰囲気の違うトリノの街は、行って損はありません。落ち着いた街並と歴史的な建造物、周りの美しい景色、スウィーツにスローフードと3拍子揃っています。



2. ミラノ<――>ベッリンツォーナ
2時間間隔で出ているミラノとスイスのチューリッヒ間を結ぶユーロスターの国際列車に乗り、世界遺産に登録されているベッリンツォーナはスイスにあるのですが、ミラノからルガーノ湖を越えてたった1時間25分で到着します。チケットも国内列車とまったく同様に購入できます。言葉もイタリア語ですし、お金もユーロが使えます。但し、スイスに入るとパスポートチェックがあります。全員チェックするわけではないので、実際には一度もチェックされたことはありませんが、パスポートは必ず持っていくべきです。



3. ミラノ<――>ジェノヴァ<――>フィナール・リグーレ・マリーナ
ミラノ(ミラノ中央駅或いはミラノ・ロゴレド駅)とジェノヴァ間は1時間に1,2本の普通列車とインターシティがあります。所要時間はロゴレド駅から1時間30~40分です。世界遺産にも登録されているジェノヴァの街も素晴らしいのですが、ジェノヴァの東西にあるリヴィエラ海岸はミラノの避暑地です。ミラノからの列車はジェノヴァを通過して交互に東と西リヴィエラへと続きます。西リヴィエラにあるフィナール・リグーレまではジェノヴァから更に30~40分です。フィナーレ・リグーレ近辺にはフィナルボルゴ、ノーリ、ボルジオ・ヴェレッツィの3つの「最も美しい村」があります。



4. ミラノ<――>ボローニャ<――>ラヴェンナ
ミラノ・ロゴレド駅からボローニャまでは普通列車で2時間35分ですが、この間に世界遺産の街モデナや芸術と食べ物の街パルマ等、見逃せない街を通過します。ミラノ中央駅からボローニャまではユーロスターで1時間5分しかかかりません。本数も多く、列車は夜遅くまであるので、ボローニャまで来れば、ミラノに着いた気持ちになれます。ボローニャと世界遺産でもあるラヴェンナ間は、2時間間隔に出る普通列車で1時間20分です。ボローニャで乗り換えて行く、同じく世界遺産の街フェッラーラやアドリア海に面した街リミニまでも日帰り旅行の範囲内です。



5. ミラノ<――>ヴェローナ<――>トレント
ミラノ中央駅から世界遺産の街ヴェローナまでは、ヴェネツィア行きのユーロスターが30分から1時間間隔であり、所要時間は1時間20分です。また、ぐっとお安い普通列車(所要時間は1時間45分)もあります。ですから、気楽にいくことが出来ます。また、この列車の沿線には、ヴェネツィア(ミラノからユーロスターで2時間半です)はもちろんのこと、ブレーシア、ヴィチェンツァ、パドヴァと世界遺産に遭遇できる街があります。ヴェローナからトレントへは、ヴェローナとボルツァーノ間を走る普通列車で1時間です。この列車はヴェローナを過ぎると、イタリア語とドイツ語の両方でアナウンスをします。



日本でも国鉄時代は料金が高くてサービスが悪かったのですが、イタリアでは料金は安いのですがサービスは最悪です。特に普通列車は非常に汚く、これでも動くのかと思うくらいです。
チケット購入がまず当面の問題です。ミラノ中央駅以外は、自動販売機(英語も可)はほとんど壊れているので期待しないほうが良いと思います。壊れてもなかなか直さないので、どんどん壊れた機械が増えて、ほとんどの機械が壊れている状況になっています。それに、たとえ、動いていても、おつりが出なかったり、カードが使えなかったり、おつりが小さなコインばっかりで出たりとトラブルが絶えません。
そこで、切符売り場で購入する事になりますが、大きな駅以外は、いつも1 ケ所しか開いていませんので、客が多いと長蛇の列です。それに加えて、長距離切符を買う人がいますので、時間のかかることが多々あります。5 ユーロのチケットを買うのに30 分かかることもありますので、時間の余裕を見ておいたほうが良いと思います。そんな状態ですから、チケットを買う時間がなくて、チケットなしで乗っちゃう人もいます。でも、だまっていて見つかると罰金です。もし、どうしても心配なら、普通列車のチケットは打刻するまでは有効時間の時計の針は動きませんので数日前に買っておくのが良いでしょう。チケットは、打刻しなければ 2か月間有効です。
写真だと綺麗ですが、イタリアの列車と駅の写真を紹介します。右がミラノ中央駅、中がスイスのベッリンツォーナ駅そして左がボローニャ駅です。



日本との大きな違いは、普通列車(ユーロスターのように指定席に乗る切符は、運行中に車掌がチェックに来ますので、打刻不要です)は乗車する前に、バスやトラムは乗車後直ぐに、チケットに打刻が必要なことです。これは、国鉄も私鉄も、列車でもバスでもすべて共通です(地方のバスは乗るときに運転手にチケットを出して半券をちぎられる場合もあります)。この打刻した時間からがチケットの有効時間開始となります。打刻していないチケットは、有効期間が2か月間あり、その間は打刻するまで(何度でも)使えることになります。従って、打刻していないで乗車していて見つかると罰金の対象になってしまいます。故意でなく打刻し忘れた場合も同じように罰金です。でも、ここにも問題があります。打刻機械はあっちこっちにあるのですが、壊れている機械も一杯あります。最悪の場合、機械を探しているうちに発車時間になり、打刻できないケースもあり得ます。また、田舎駅で一つしかない機械が故障して使えないときもあります。この場合、一番確実なのは、出発して直ぐに車掌を見つけて、打刻できなかったことを自己申告することです。きっと、他にも同じような人がいますので、ほとんど文句も言わずにチケットに日付けと時間を手書きしてくれます。打刻を忘れた場合でも自己申告すれば、罰金もたいしたことはありません(たった5ユーロです)。
次回は、イタリア国鉄の田舎駅を紹介します。
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