2012-01-20(Fri)
イタリアの旅行計画、その2(イタリア国鉄、田舎駅編)
今回もイタリア国鉄を使った旅行計画ですが、降りる駅は田舎駅です。当然ながら、列車の本数は少ないので、イタリア国鉄の時刻表とにらめっこをして旅行計画を練らなくてはいけません。それだけではなく、乗り換え時間は少なくとも15分、出来れば30分以上の余裕を見ておかないと、もし、前の列車が遅れて、乗り遅れると、本数が少ないだけに致命的となります。
また、小さな田舎駅の中には無人駅も多く、それを見越して、行く時に往復チケットを買っておかないと、帰りのチケットの入手が出来ません。それに、打刻機が壊れていて、打刻が出来ない等のトラブルは予想されます。そんなトラブルは、日常茶飯事でしたが、イタリア語が出来なくとも、これまで全てのトラブルを何とか切り抜けることが出来ましたので、何とかなるものです。
1. ミラノ<――>ノヴァーラ<――>オルタ・ミアシノ
ノヴァーラはミラノとトリノの間にあるので、ミラノとトリノ間を結ぶ普通列車で行くことが出来ます。所要時間は40分ですので、ミラノのすぐ近くです。ノヴァーラからは、いくつかの田舎列車(ヴァラッロ、ビエッラ、ドモドッソーラ行き等)が走っています。いずれもアルプスの山の方に向かう両数の少ないローカル線です。オルタ湖に近いオルタ・ミアシノまでは、ノヴァーラとドモドッソーラを結ぶローカル線に乗ると、ノヴァーラから約40分で到着します。この駅で駅員は見たことがありませんので、多分無人駅でしょう。列車の本数も少なく、午前中は旅客が少ないので、列車の代わりにバスを運行しているくらいです。一番お気に入りの街であるオルタ・サンジュリオの写真です。

2. ミラノ<――>ピッツィゲットーネ
ミラノ中央駅又はロゴレド駅とマントヴァ間(約2時間)は2時間間隔で普通列車が結んでいます。その中間地点にクレモナがあり、そのクレモナのひとつミラノよりの駅がピッツィゲットーネです。この辺りは、ミラノのヴィスコンティ家とヴェネツィアの戦いが激しかったところです。ミラノ・ロゴレド駅から所要時間がたった40分とのことなので、ピッツィゲットーネは、今では、ミラノの衛星都市として成長しつつあります。しかし、何故か、この駅は無人でした。寒い冬の日、ミラノに戻る時に、一人旅のお婆さんの荷物を列車まで持ってあげたので、はっきりと記憶に残っています。ピッツィゲットーネの写真です。

3. ミラノ<――>フィデンツァ又はパルマ<――>ポントレモーリ
ミラノ中央駅又はロゴレド駅からボローニャの手前にあるフィデンツァ又はパルマで乗り換えて、1時間に1本だけ、アペニン山脈を越えてリグーリア海のスペツィアまでを結ぶ列車があります。その列車に乗って、アペニン山脈の中にポントレモーリがあります。この列車はローマ時代からの街道のある山と山の間の渓谷を抜けて走るので窓から見える景色は雄大です。1日に2本だけあるミラノとピサ間を結ぶ普通列車なら、乗り換えなしでロゴレド駅から2時間45分ほどで着きます。ポントレモーリの駅は、田舎駅ですが売店もあり駅員もちゃんといました。ポントレモーリの写真です。

4. ミラノ<――>キヴァッソ<――>ポン・サン・マルテン
ミラノからトリノ行きの普通列車に乗り、トリノに着く少し前の大きな駅キヴァッソからアオスタ行きの列車に乗ると、オレンジ投げの祭りで有名なイヴレイアを過ぎて列車はアオスタ渓谷を走っていきます。その最初の駅がポン・サン・マルテンで、ここからの地名が、イタリアであるにもかかわらず、フランス語読みになってくるのです。アオスタ渓谷はローマ時代から今日まで、ずっと、イタリアとフランスを結ぶ街道です。ナポレオンもここを通ってイタリアに侵入したのです。ポン・サン・マルテンからバスで10分ほどにあるバールの写真です。

5. ミラノ・ポルタ・ガリバルディ<――>ヴォゴーニャ
ミラノのポルタ・ガリバルディ駅からは、ベルガモ行きやドモドッソーラ行き(マッジョーレ湖のストレーザ経由)等の北にある湖水地方やアルプスの麓まで行く列車が出ています。ヴォゴーニャはスイスとの国境の街ドモドッソーラの一つ手前にある小さな駅です。ポルタ・ガリバルディ駅は近年綺麗に改装された、ミラノで2番目の大きな駅です。しかし、一番であるミラノ中央駅とは大違いで不便な駅なのです。日曜日にチケット売り場が開かない、そのため、自動販売機は長蛇の列です。おまけに、切符を打刻するスタンプ機械の大半は故障しています。ヴォゴーニャの駅は予想通り無人駅でした。降りる人も誰もいません。大半の人はドモドッソーラに行くのでしょう。ヴォゴーニャの写真です。

こんな田舎の駅に行くときは、いつも、切符は往復を買っていきます。最初の頃、帰りの切符を買わずに行ったところ、無人駅で切符を購入できずに、無賃乗車をしたことがあります。このときは、親切なイタリア人のおばさんが、自分の切符を売ってくれて、しかも、車掌さんと話をつけてくれたので、余分なお金を払うことなく帰れたのですが、その時の教訓で、田舎の駅に行く時は、必ず、往復切符を買うことにしています。そんな不便な駅でも、綺麗な自然と歴史遺産の調和が素晴らしいので、行く価値は十分にあります。
最後に車窓からの景色を3枚紹介します。走っている列車から写真を撮るのは非常に難しく、あまりうまく撮れていません。写真左は、ミラノからトリノに向かう列車から見えたアルプスです。写真中央は、キヴァッソからアオスタ方面に向かう列車からのアルプスです。写真右は、コンピアーノからパルマに向かうバスから写したアルペン山脈に流れる川の写真です。

イタリア国鉄の旅は、他にもいっぱいありますが、書ききれないので、今回はここまでです。今後書く予定の“列車のトラブル編”にはイタリア国鉄プラス私鉄でのトラブルがあります。これほど頻繁に利用したので、列車だけの旅なら、計画も簡単にできるようになりました。列車の時刻表を見ながら、それに合わせて、観光計画を作るだけです。次回は、計画を作るのが難しい列車プラス公共バスの旅を紹介します。
また、小さな田舎駅の中には無人駅も多く、それを見越して、行く時に往復チケットを買っておかないと、帰りのチケットの入手が出来ません。それに、打刻機が壊れていて、打刻が出来ない等のトラブルは予想されます。そんなトラブルは、日常茶飯事でしたが、イタリア語が出来なくとも、これまで全てのトラブルを何とか切り抜けることが出来ましたので、何とかなるものです。
1. ミラノ<――>ノヴァーラ<――>オルタ・ミアシノ
ノヴァーラはミラノとトリノの間にあるので、ミラノとトリノ間を結ぶ普通列車で行くことが出来ます。所要時間は40分ですので、ミラノのすぐ近くです。ノヴァーラからは、いくつかの田舎列車(ヴァラッロ、ビエッラ、ドモドッソーラ行き等)が走っています。いずれもアルプスの山の方に向かう両数の少ないローカル線です。オルタ湖に近いオルタ・ミアシノまでは、ノヴァーラとドモドッソーラを結ぶローカル線に乗ると、ノヴァーラから約40分で到着します。この駅で駅員は見たことがありませんので、多分無人駅でしょう。列車の本数も少なく、午前中は旅客が少ないので、列車の代わりにバスを運行しているくらいです。一番お気に入りの街であるオルタ・サンジュリオの写真です。



2. ミラノ<――>ピッツィゲットーネ
ミラノ中央駅又はロゴレド駅とマントヴァ間(約2時間)は2時間間隔で普通列車が結んでいます。その中間地点にクレモナがあり、そのクレモナのひとつミラノよりの駅がピッツィゲットーネです。この辺りは、ミラノのヴィスコンティ家とヴェネツィアの戦いが激しかったところです。ミラノ・ロゴレド駅から所要時間がたった40分とのことなので、ピッツィゲットーネは、今では、ミラノの衛星都市として成長しつつあります。しかし、何故か、この駅は無人でした。寒い冬の日、ミラノに戻る時に、一人旅のお婆さんの荷物を列車まで持ってあげたので、はっきりと記憶に残っています。ピッツィゲットーネの写真です。



3. ミラノ<――>フィデンツァ又はパルマ<――>ポントレモーリ
ミラノ中央駅又はロゴレド駅からボローニャの手前にあるフィデンツァ又はパルマで乗り換えて、1時間に1本だけ、アペニン山脈を越えてリグーリア海のスペツィアまでを結ぶ列車があります。その列車に乗って、アペニン山脈の中にポントレモーリがあります。この列車はローマ時代からの街道のある山と山の間の渓谷を抜けて走るので窓から見える景色は雄大です。1日に2本だけあるミラノとピサ間を結ぶ普通列車なら、乗り換えなしでロゴレド駅から2時間45分ほどで着きます。ポントレモーリの駅は、田舎駅ですが売店もあり駅員もちゃんといました。ポントレモーリの写真です。



4. ミラノ<――>キヴァッソ<――>ポン・サン・マルテン
ミラノからトリノ行きの普通列車に乗り、トリノに着く少し前の大きな駅キヴァッソからアオスタ行きの列車に乗ると、オレンジ投げの祭りで有名なイヴレイアを過ぎて列車はアオスタ渓谷を走っていきます。その最初の駅がポン・サン・マルテンで、ここからの地名が、イタリアであるにもかかわらず、フランス語読みになってくるのです。アオスタ渓谷はローマ時代から今日まで、ずっと、イタリアとフランスを結ぶ街道です。ナポレオンもここを通ってイタリアに侵入したのです。ポン・サン・マルテンからバスで10分ほどにあるバールの写真です。



5. ミラノ・ポルタ・ガリバルディ<――>ヴォゴーニャ
ミラノのポルタ・ガリバルディ駅からは、ベルガモ行きやドモドッソーラ行き(マッジョーレ湖のストレーザ経由)等の北にある湖水地方やアルプスの麓まで行く列車が出ています。ヴォゴーニャはスイスとの国境の街ドモドッソーラの一つ手前にある小さな駅です。ポルタ・ガリバルディ駅は近年綺麗に改装された、ミラノで2番目の大きな駅です。しかし、一番であるミラノ中央駅とは大違いで不便な駅なのです。日曜日にチケット売り場が開かない、そのため、自動販売機は長蛇の列です。おまけに、切符を打刻するスタンプ機械の大半は故障しています。ヴォゴーニャの駅は予想通り無人駅でした。降りる人も誰もいません。大半の人はドモドッソーラに行くのでしょう。ヴォゴーニャの写真です。



こんな田舎の駅に行くときは、いつも、切符は往復を買っていきます。最初の頃、帰りの切符を買わずに行ったところ、無人駅で切符を購入できずに、無賃乗車をしたことがあります。このときは、親切なイタリア人のおばさんが、自分の切符を売ってくれて、しかも、車掌さんと話をつけてくれたので、余分なお金を払うことなく帰れたのですが、その時の教訓で、田舎の駅に行く時は、必ず、往復切符を買うことにしています。そんな不便な駅でも、綺麗な自然と歴史遺産の調和が素晴らしいので、行く価値は十分にあります。
最後に車窓からの景色を3枚紹介します。走っている列車から写真を撮るのは非常に難しく、あまりうまく撮れていません。写真左は、ミラノからトリノに向かう列車から見えたアルプスです。写真中央は、キヴァッソからアオスタ方面に向かう列車からのアルプスです。写真右は、コンピアーノからパルマに向かうバスから写したアルペン山脈に流れる川の写真です。



イタリア国鉄の旅は、他にもいっぱいありますが、書ききれないので、今回はここまでです。今後書く予定の“列車のトラブル編”にはイタリア国鉄プラス私鉄でのトラブルがあります。これほど頻繁に利用したので、列車だけの旅なら、計画も簡単にできるようになりました。列車の時刻表を見ながら、それに合わせて、観光計画を作るだけです。次回は、計画を作るのが難しい列車プラス公共バスの旅を紹介します。
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