2012-02-03(Fri)
イタリアの旅行計画、その3(公共バス編1)
今回はバスの旅です。バスと言っても観光バスではなく、料金が安い公共バスを使った旅です。前回は、イタリア国鉄の田舎駅を紹介しましたが、列車も通っていない田舎にも、素晴らしい景色と歴史遺産がたくさんあるのがイタリアです。田舎好き旅行者は、如何にうまく公共バスを使うかが、一番大事なポイントかもしれません。
公共バスを利用する時に一番大事な事は、日曜日と夏休みを避けることです。通常、学校が休みの日のバスは本数が非常に少なくなります。でも、たまに、(リヴィエラ海岸等の避暑地では)日曜日でもバスの本数が多いところもあります。とにかく、ネットで時刻表を調べて、バスがちゃんとあることを確認するところから旅行計画が始まります。ついでに、6月の中旬から8月いっぱいも、学校が夏休みですので、バスの本数が少なくなることもお覚えておいてください。
1. マントヴァ<――>サッピオネータ
ミラノから2時間間隔で出ているマントヴァ行きの列車に乗って、終点のマントヴァまで行くのは簡単です。サッピオネータはマントヴァからバスで更に1時間強かかります。サッピオネータは世界遺産の街ですから、バスの本数が多いと思っていたのですが、土曜日でも午前中は1本だけで、午後になると1時間半から2時間間隔で数本あるだけです。それでも、ほとんど乗客はいません。大型バスにゆったりと座って、ロンバルディア平野の中をしっかりと自己主張をしているイタリアの小さな田舎街や村を周りながら目的地であるサッピオネータまでのバスの旅は最高でした。

2. ピアチェンツァ<――>ボッビオ
エミリア・ロマーニャ州の南側山岳地帯は景色の良い素晴らしい小さな街がいくつもあります。ピアツェンツァからバスで行くカステラルクァートも忘れられないほど素晴らしい街ですが、ロンバルディア平野とジェノヴァの間の山の中にある趣のある古い街ボッビオが、その中で最上位かもしれません。この素晴らしい街へはピアチェンツァからバスで行くしかありません。それも、土曜日は午前中に2本だけ、午後に1時間半間隔で数本あるだけです。所要時間は1時間10分ですが、このバスは山の間の谷沿いにある小さな街や村を訪ねながら進みます。中には途中下車したくなるような可愛い村もいくつかあり、バス旅行を十分に楽しめます。終点のボッビオに到着すると、途中下車しなくて良かったと感じることを請合います。ボッビオはそれほど素晴らしい村なのです。

3.フィナル・リグーレ・マリーナ<――>ボルジオ・ヴェレッツィ及びノーリ
西リヴィエラ海岸線を走るバスは、平日でも日曜日でも本数は変わりません。さすがに、リゾート地ですね。この地域にはフィナル・ボルゴの他に、海岸線にボルジオ・ヴェレッツィ(写真左)とノーリ(写真中、右)という2つの「最も美しい村」があります。ここのバスは本数も多く、乗客も多いので、田舎のバスとは言えないかもしれません。東リヴィエラとは違って海岸線には砂浜があり、日本の海岸線が懐かしくなるような景色です。でも、そこはイタリア、真っ青な地中海及び海岸に迫った岩山とそこにある調和した歴史的な建物が迎えてくれるのです。もちろん、ここには新鮮な海の幸を使った美味しいイタリア料理もあります。

東リヴィエラ海岸はバスよりも列車が便利です。但し、ポルトヴェーネレ(写真左)へは、ラ・スペツィアからバスに乗ります。又、リグーリア州北側の山岳地帯の小さな村を訪ねる時も、バスを利用します。西リヴィエラ海岸のサヴォーナからはミレッシモ(写真中)へ、東リヴィエラ海岸のセストゥリ・レヴァンテからはヴァレーゼ・リグーレ(写真右)へバスだけが送り届けてくれます。賑やかな海岸地域と違って、静かで緑豊かな山道のバスの旅は、十分に癒されることを保証します。

4.ヴォゲーラ――>ヴァルツィ――>ザヴァッタレッロ――>パヴィア
ミラノがあるロンバルディア州の南にある小さな村を訪ねた時のルートです。ヴォゲーラから趣のある旧市街が印象的なヴァルツィまでのバスは1時間に1本くらいあります。両側を山で囲まれた平坦な川沿いの道約50分は、緑の山々と清流が作りだした綺麗な景色を眺めているとあっという間です。そしてこの典型的なイタリアの田舎街ヴァルツィ(写真左、中)は本当に癒されます。ヴァルツィから更に30分、今度はいくつかの山を越えて進んでいくと、バスは山の頂上に大きなお城があるザヴァッタレッロ(写真右)に到着します。お城のある山の麓近くの城門を潜ると、昔から変わっていないだろうと思われる山の斜面の小さな旧市街には、石で出来た小さな家々が並んでいます。ヴァルツィとザヴァッタレッロ間のバスは、午前中しかないので、午後はヴァルツィ経由でヴォゲーラに戻ることはできません。そこで、ザヴァッタレッロから午後に1本しかないバスで2時間かけてパヴィアまで出てミラノに戻りました。パヴィアまでの道のりにある比較的なだらかな丘陵地帯はワインの産地ですので、当然ながら葡萄畑が並んでいます。こんなにミラノの近くであるにもかかわらず、観光客の少ないイタリアの田舎を一番感じる観光ルートなのです。

5.ベルガモ<――>コルネッロ・ディ・タッソ
今度は、ロンバルディア州の北にある小さな村です。ベルガモから北へ35キロ(約1時間)のバスの旅です。川沿いの渓谷を上流方向に北上するのですが、途中には有名な温泉があり、大きなグランドホテルがありました。但し、この小さな村コルネッロ・ディ・タッソ付近には何もありません。バス停は小さなお店(バール)の前にありますが、周りにはそのお店以外には何もないところでした。しかも、バス停からは歩いて山の上にあるこの小さな村に徒歩で向かうことになります。そして、やっと村の入り口に着き、その門をくぐると、そこには中世がそのまま残っているのです。ここまで来る日本人はほとんどいないでしょうね。でも、こんなところにも歴史があり、その名残を今でも見ることが出来ます。恐るべきイタリアですね。

公共バスを使う時は、まず、バスの時刻表を調べることです。郊外に向かうバスは、市内のバスに比べて本数は非常に少ないので、時刻表を調べて、まず行きと帰りに乗るバスを先に決める必要があります。それから、最寄りの駅までの列車を調べて、一番効率的になるように列車を選びます。バスのチケットは、乗車する駅又はバス乗り場で乗る前に、必ず、往復分を買って下さい。目的地である田舎のバス停は人通りも少ないところにあることが多いので、そこで帰りのバスチケット購入は容易ではありません。
バスでの移動は、乗ってしまえば非常に楽です。それに窓からの眺めも、列車よりもずっと綺麗で、しかも身近に感じます。でも、今まで乗ったこともないバス路線ですので、降りるところが分かりません。ですから、乗車する時に、バスの運転手さんに、降りるバス停を伝えて、そこに着いたら声をかけてもらうようにお願いしておく必要があります。ほとんどのバスの運転手さんは、日本人には親切ですから、ちゃんと教えてくれます。
次回も引き続き公共バス編2を書く予定です。
公共バスを利用する時に一番大事な事は、日曜日と夏休みを避けることです。通常、学校が休みの日のバスは本数が非常に少なくなります。でも、たまに、(リヴィエラ海岸等の避暑地では)日曜日でもバスの本数が多いところもあります。とにかく、ネットで時刻表を調べて、バスがちゃんとあることを確認するところから旅行計画が始まります。ついでに、6月の中旬から8月いっぱいも、学校が夏休みですので、バスの本数が少なくなることもお覚えておいてください。
1. マントヴァ<――>サッピオネータ
ミラノから2時間間隔で出ているマントヴァ行きの列車に乗って、終点のマントヴァまで行くのは簡単です。サッピオネータはマントヴァからバスで更に1時間強かかります。サッピオネータは世界遺産の街ですから、バスの本数が多いと思っていたのですが、土曜日でも午前中は1本だけで、午後になると1時間半から2時間間隔で数本あるだけです。それでも、ほとんど乗客はいません。大型バスにゆったりと座って、ロンバルディア平野の中をしっかりと自己主張をしているイタリアの小さな田舎街や村を周りながら目的地であるサッピオネータまでのバスの旅は最高でした。



2. ピアチェンツァ<――>ボッビオ
エミリア・ロマーニャ州の南側山岳地帯は景色の良い素晴らしい小さな街がいくつもあります。ピアツェンツァからバスで行くカステラルクァートも忘れられないほど素晴らしい街ですが、ロンバルディア平野とジェノヴァの間の山の中にある趣のある古い街ボッビオが、その中で最上位かもしれません。この素晴らしい街へはピアチェンツァからバスで行くしかありません。それも、土曜日は午前中に2本だけ、午後に1時間半間隔で数本あるだけです。所要時間は1時間10分ですが、このバスは山の間の谷沿いにある小さな街や村を訪ねながら進みます。中には途中下車したくなるような可愛い村もいくつかあり、バス旅行を十分に楽しめます。終点のボッビオに到着すると、途中下車しなくて良かったと感じることを請合います。ボッビオはそれほど素晴らしい村なのです。



3.フィナル・リグーレ・マリーナ<――>ボルジオ・ヴェレッツィ及びノーリ
西リヴィエラ海岸線を走るバスは、平日でも日曜日でも本数は変わりません。さすがに、リゾート地ですね。この地域にはフィナル・ボルゴの他に、海岸線にボルジオ・ヴェレッツィ(写真左)とノーリ(写真中、右)という2つの「最も美しい村」があります。ここのバスは本数も多く、乗客も多いので、田舎のバスとは言えないかもしれません。東リヴィエラとは違って海岸線には砂浜があり、日本の海岸線が懐かしくなるような景色です。でも、そこはイタリア、真っ青な地中海及び海岸に迫った岩山とそこにある調和した歴史的な建物が迎えてくれるのです。もちろん、ここには新鮮な海の幸を使った美味しいイタリア料理もあります。



東リヴィエラ海岸はバスよりも列車が便利です。但し、ポルトヴェーネレ(写真左)へは、ラ・スペツィアからバスに乗ります。又、リグーリア州北側の山岳地帯の小さな村を訪ねる時も、バスを利用します。西リヴィエラ海岸のサヴォーナからはミレッシモ(写真中)へ、東リヴィエラ海岸のセストゥリ・レヴァンテからはヴァレーゼ・リグーレ(写真右)へバスだけが送り届けてくれます。賑やかな海岸地域と違って、静かで緑豊かな山道のバスの旅は、十分に癒されることを保証します。



4.ヴォゲーラ――>ヴァルツィ――>ザヴァッタレッロ――>パヴィア
ミラノがあるロンバルディア州の南にある小さな村を訪ねた時のルートです。ヴォゲーラから趣のある旧市街が印象的なヴァルツィまでのバスは1時間に1本くらいあります。両側を山で囲まれた平坦な川沿いの道約50分は、緑の山々と清流が作りだした綺麗な景色を眺めているとあっという間です。そしてこの典型的なイタリアの田舎街ヴァルツィ(写真左、中)は本当に癒されます。ヴァルツィから更に30分、今度はいくつかの山を越えて進んでいくと、バスは山の頂上に大きなお城があるザヴァッタレッロ(写真右)に到着します。お城のある山の麓近くの城門を潜ると、昔から変わっていないだろうと思われる山の斜面の小さな旧市街には、石で出来た小さな家々が並んでいます。ヴァルツィとザヴァッタレッロ間のバスは、午前中しかないので、午後はヴァルツィ経由でヴォゲーラに戻ることはできません。そこで、ザヴァッタレッロから午後に1本しかないバスで2時間かけてパヴィアまで出てミラノに戻りました。パヴィアまでの道のりにある比較的なだらかな丘陵地帯はワインの産地ですので、当然ながら葡萄畑が並んでいます。こんなにミラノの近くであるにもかかわらず、観光客の少ないイタリアの田舎を一番感じる観光ルートなのです。



5.ベルガモ<――>コルネッロ・ディ・タッソ
今度は、ロンバルディア州の北にある小さな村です。ベルガモから北へ35キロ(約1時間)のバスの旅です。川沿いの渓谷を上流方向に北上するのですが、途中には有名な温泉があり、大きなグランドホテルがありました。但し、この小さな村コルネッロ・ディ・タッソ付近には何もありません。バス停は小さなお店(バール)の前にありますが、周りにはそのお店以外には何もないところでした。しかも、バス停からは歩いて山の上にあるこの小さな村に徒歩で向かうことになります。そして、やっと村の入り口に着き、その門をくぐると、そこには中世がそのまま残っているのです。ここまで来る日本人はほとんどいないでしょうね。でも、こんなところにも歴史があり、その名残を今でも見ることが出来ます。恐るべきイタリアですね。



公共バスを使う時は、まず、バスの時刻表を調べることです。郊外に向かうバスは、市内のバスに比べて本数は非常に少ないので、時刻表を調べて、まず行きと帰りに乗るバスを先に決める必要があります。それから、最寄りの駅までの列車を調べて、一番効率的になるように列車を選びます。バスのチケットは、乗車する駅又はバス乗り場で乗る前に、必ず、往復分を買って下さい。目的地である田舎のバス停は人通りも少ないところにあることが多いので、そこで帰りのバスチケット購入は容易ではありません。
バスでの移動は、乗ってしまえば非常に楽です。それに窓からの眺めも、列車よりもずっと綺麗で、しかも身近に感じます。でも、今まで乗ったこともないバス路線ですので、降りるところが分かりません。ですから、乗車する時に、バスの運転手さんに、降りるバス停を伝えて、そこに着いたら声をかけてもらうようにお願いしておく必要があります。ほとんどのバスの運転手さんは、日本人には親切ですから、ちゃんと教えてくれます。
次回も引き続き公共バス編2を書く予定です。
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