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2012-02-17(Fri)

イタリアの旅行計画、その4(公共バス編2)

前回に引き続き、公共バスを利用した日帰り旅行です。公共バスを利用する理由は、駅から歩いてはいけないほどの距離にある観光地或いは長時間のバスに乗るしか行く方法の無い観光地です。遠くに行った時や、長くバスに乗った時は、どんどん、田舎に向かって進んでいくのでだんだん不安になってきます。なにしろ、日本語も所によっては英語も通じない生まれて初めて行く外国で、しかも、ほとんど日本人観光客が足を運ばないような片田舎にある観光地ですから、不安にならない方がどうかしています。

そんな不安を少しでも和らげるためには、やはり、念密な計画を起てて、自信を持ってバスに乗る事です。そして、頼りになるのは運転手さんや田舎の親切なイタリア人です。バスに乗ったら、必ず運転手さんに“ブォン・ジョルノ”と挨拶して、乗る時に降りる停留所を確認するとともに、停留所に着いたら教えてくれるように頼まなくてはいけません。途中で不安になったら、運転手さんに“未だ着かないのか?”と何度も聞けばよいのです。それに、もし、イタリア人の乗客がいれば、必ず挨拶をしておくことです。何か起きた時に、必ず、力になってくれますよ。

1. ミラノ・ロゴレド――>フィデンツァ経由サルザーナ――>ルーニ――>サルザーナ――>ラ・スペツィア――>ジェノヴァ経由ミラノ中央駅
ミラノからサルザーナまではイタリア国鉄の薄汚れた普通列車です。途中、エミリア・ロマーニャ州のフィデンツァ(或いはパルマ)で乗り換えてラ・スペツィア行きの列車に乗ります。1日に2本だけミラノからサルザーナ経由ピサ行きの直通普通列車があります。直通普通列車でもミラノからサルザーナまで3時間50分もかかります。サルザーナからルーニまでは公共バスです。バスの乗車時間は12分ですので、サルザーナからは、駅からちょっと離れている郊外に行く公共バスの乗り場と時刻表さえ調べておけば簡単です。帰りは、サルザーナまでバスで戻るのですが、フィデンツァ(或いはパルマ)経由の列車は、本数が少なく夜遅くまで走っていなかったので、今度は、逆方向の東リヴィエラ海岸にあるラ・スペツィアまで出て、直通のインターシティに乗って、ジェノヴァ経由でミラノに戻りました。ラ・スペツィアからミラノ中央駅まで3時間15分でした。要するに、この日は、なんと、イタリア国鉄に7時間も乗ってしまったのです。写真は、ルーニのローマ遺跡とサルザーナの城塔の上の宮殿(写真右)です。
ルーニ_ローマ遺跡円形闘技場_06 ルーニ_ローマ遺跡モザイク_02 サルザーナ城塔_02

2. ミラノ・ロゴレド――>フィデンツァ経由ボルゴ・ヴァル・ディ・タロ――>コンピアーノ――>パルマ――>ミラノ
公共バスは、ボルゴ・ヴァル・ディ・タロ駅前からコンピアーノまでと、コンピアーノからパルマ駅前までの戻りです。各駅とミラノ間は得意のイタリア国鉄です。フィデンツァ経由ラ・スペツィア行きの列車からの景色があまりにも素晴らしいので、この路線は度々利用しました。ボルゴ・ヴァル・ディ・タロまではミラノから2時間半ですから、サルザーナに比べれば大変なところではありません。ボルゴ・ヴァル・ディ・タロからコンピアーノまでのバスは駅前の停留所から約20分ですので、降りる停留所を運転手さんに教えてもらえれば簡単に行くことが出来ます。帰りもボルゴ・ヴァル・ディ・タロまで戻りイタリア国鉄を利用しても良いのですが、素晴らしい景色をバスからも見たいと思い、パルマまで2時間の公共バス旅行にしました。予想にたがわず素晴らしい景色でした。途中、バスの乗り換えがありましたが、例によって、運転手さんが親切に教えてくれたので、問題無く、予定通りにパルマ駅前に到着しました。3枚ともコンピアーノの写真です。
Compianoバス停傍_005 Compiano入り口_007 Compiano城_003

3. ミラノ・サンドナート――>クレマ経由ソンチーノ――>ミラノ・サンドナート
ミラノ地下鉄M3の終点駅、サンドナートからバスに乗り、1時間25分のバスの旅です。この公共バスの旅が、乗り換えなしで一番長く乗ったバスです。さすがに、1時間25分ずっと同じ公共バスに乗っているイタリア人客はいません。ですから乗客のイタリア人とは仲良くしても仕方がありませんので、運転手さんとより仲良くしないといけません。このバス路線は、途中、城壁で囲まれた街クレマを通ります。また、お城や小さなローマ遺跡がある小さな村も通ります。これらの観光地はミラノからそれほど遠くは無いのですが、あまり有名ではありません。しかし、観光の面からもなかなか充実したバス路線と言えるでしょう。クレマの写真(左)と途中の小さな村の教会(写真中)とソンチーノの写真(右)です。
クレマ_トッラッツォ_04 パラッツォ・ピニャーノ_サンマルティーノ教会_13 ソンチーノ_ロッカ・スフォルツェスカ_11

4.ミラノ・カドルナ――>コモ――>オッスッチョ――>コモ――>ミラノ・カドルナ
ミラノ・カドルナからノルド線(ブレーシアからカーポ・ディ・ポンテへ行く私鉄と同じです)という名の私鉄がコモ湖畔の街コモ駅まで1時間で行ってくれます。私鉄ですから綺麗な車両です。コモ駅前のバス乗り場からはサクロ・モンテのあるオッスッチョまで50分の公共バスの旅です。コモからコモ湖沿いを左回りにコーリコまで走るバスですから、右の席に座れば、ずっと、綺麗なコモ湖を見ることが出来ます。コモ駅前からは、観光客を含むたくさんの乗客が乗り込みましたが、ほとんどが途中の観光地で降りてしまいます。おまけに、オッスッチョで降りたのは私だけでした。世界遺産のサクロ・モンテよりもコモ湖沿岸のリゾートの方がより人気があるのです。オッスッチョの写真を3枚つけます。
オッスッチョ_礼拝堂8_02 オッスッチョ_礼拝堂13_02 オッスッチョ_周りの景色_08

5.ミラノ中央駅――>ノヴァーラ乗り換えビエッラ――>オローパ――>ビエッラ――>ノヴァーラ乗り換えミラノ中央駅
ノヴァーラで乗り換えて、終点のアルプス麓の街ビエッラまで行くイタリア国鉄の2両編成のローカル線は、イタリア国鉄とは思えないほどきれいな車両でした。やはり、乗客が少ないので汚す人も少ないのでしょうか。ビエッラ駅前からオローパ行きのバスに乗り、40分で聖地オローパに到着します。バスに乗っていたのは数人の観光客だけでしたが、聖地に到着すると、そこにはたくさんの人がいるのでびっくりしました。観光客も多いのですが、それよりも多いのが聖地への巡礼者たちです。また、聖地の先にはケーブルカーの駅があり、海抜2000メートル以上の高地にあるスキー場までスキー客を運んでいますのでスキー客も多いのでしょう。それに比べて、聖地施設の付属物のような世界遺産のサクロ・モンテは、ここではちょっと影が薄いようです。ですから、年間、たくさんの人がこの地に足を踏み入れているのです。そのおかげで、この路線バスは本数が多いのだと思います。そう言えば、日本からのツアーもあるようで、観光バスでここまで来て、ここの巡礼者用の宿泊設備に泊るのだそうです。写真は3枚ともオローパです。
オローパ_旧バシリカ_01 オローパ_旧バシリカ_04黒いマドンナ オローパ_トレッキングコース2_08

公共バス編の最後に、ここまで登場しなかった公共バスの旅の写真をいくつか乗せることにします。まず、ロンバルディア州では、ミラノのすぐ近くにあるベルガモ県の世界遺産クレスピダッダ(写真左)は、ミラノ地下鉄M2の終点から地下鉄と同じATM社の路線バスに乗って行きます。また、ミラノ地下鉄M3の終点から公共バスに乗ると45分でローマ時代からの古い街ローディ・ヴェッキオ(写真中)に行くことが出来ます。山の上にあるサン・ピエトロ・アル・モンテ教会(写真右)に行くのも、コモ湖の右足にある街レッコから20分バスに乗りチヴァーテで降りて、そこから山登りをします。
クレスピダッダ_工場_07 ローディ・ヴェッキオ_サンバスティアーノ教会_02 チヴァーテ_サン・ピエトロ教会_11

有名な観光地であるガルダ湖のシルミオーネ(写真左)もデセンツァーノ駅から公共バスで行きます。もちろん、観光船でも行けますよ。エミリア・ロマーニャ州では、パルマから南に向かって公共バスで40分のところにあるのはトッレキアラ(写真中)の綺麗なお城です。ピアツェンツァ県にあるお気に入りの城壁に囲まれた“最も美しい村”カステラルクァート(写真右)はフィオレンツォーラから公共バスで20分です。
シルミオーネ_スカラ家の城塞_01 トッレキアラ・城外からの城と景色_019 カステラルクァート_街並_14

他にも公共バスで訪ねた観光地はたくさんあります。バスの乗り方さえ覚えてしまえば、田舎のバスは、列車と違って、とても綺麗で乗り心地も良く、安全で、バスの旅は景色も良く見えて快適です。最初の頃は不安がいっぱいでしたが、慣れてくるとバスの旅が好きになってきました。ですから、1,2泊旅行で遠いところに行った時も、ほとんどタクシーは使わずに公共バスを最大限利用しました。

次回からは、日帰り旅行のまとめを書いてみるつもりです。まずは、誰でも簡単に行けるミラノを起点とした日帰り旅行の紹介です。
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コメント

No title

ツアーバスで走っていると、時々丘の上に小さな町が見えてきますが、そのうちの幾つかは行ってみたいと思いますが、おそらくバス、ミニバス、タクシーなどを使わないと辿り着けないんだろうなと想像していました。
パパロンチーノさんご紹介のスポットは、イタリア北部のそんな場所なんだろうなと想像しながら、拝見いたしました。

Re: No title

るおさん、

私も、列車やバスから丘の上にある村や街を見て、あそこに行きたいと思ってネットと本で調べてみると、自然の景観ばかりではなく歴史的な建物や立派な教会のある村や街であることがありました。そこで、今度は、どうやって行くかをネットで調べて、一番近くの駅と路線バスを調べました。そのような計画を作って、実際に行く前にシミュレーションするのも楽しかったですね。そして実際に行ったとき、膨らんだ期待を裏切られることは、ほとんどありませんでしたよ。
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matsuohj (パパロンチーノ)

Author:matsuohj (パパロンチーノ)
2008年10月20日から2010年8月23日までの1年10カ月ミラノに滞在。その期間、北イタリアを中心に115ヶ所の街を訪ねました。それも、ほとんどが公共交通機関を利用したものです。この経験で得た情報を一人でも多くのイタリア好きの人に伝えるためのブログです。

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