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2010-09-18(Sat)

ヴィボルドーネ修道院

San Donatoの南にSan Giulianoという名のコムーネがあります。San Donatoと同じような新興住宅街ですが、街の外れには少しだけ歴史的な建物が存在します。そのひとつがヴィボルドーネ修道院です。この修道院もキアラヴァッレ修道院と同様に畑の中にぽつんと建っています。San Giulianoには小さなイタリア国鉄の駅がありますが、駅から街と反対側の畑の中に1本の並木道があり、そこを抜けると修道院教会とその鐘楼が見えてきます。
並木道 ヴィボルドーネ修道院1

1176年に、もともとウミリアーテ(11世紀にアレッサンドリアで形成された平民によるカトリック団体で12世紀にはローマ法王の加護を受けていたが16世紀に抑圧されて消滅している)の修道院として建てられたものです。現在ではベネディクト派の修道院となって、尼さんの姿を見ることが出来ます。また、あの須賀敦子さんがミラノにいた時、この修道院で本の印刷をしていたと著書に書いてあります。

“ある初夏の朝、私はサン・ジュリアーノ・ミラネーゼという、ミラノ市から南に20キロほど行ったところにある小さな町のはずれを歩いていた。あのひょろひょろとたよりない茂り方をするイタリア・ポプラの林にふちどられた畑の道を、その林を過ぎたところにある修道院の製本所に、書店の用事でいくところだった。”須賀敦子「コルシア書店の仲間たち」より。

1960年代には、この修道院でイタリアの本の日本語訳の製本もしていたようです。須賀敦子さんが何度か訪ねたこともあり日本とも縁のある修道院です。サンジュリアーノから修道院までの道も、駅の近くに新しい団地の建設工事が進められている以外は、50年を過ぎた今でもこの本に書いてあるそのままの状態です。もちろん、修道院もそのときのままに、この田舎の畑の中にひっそりと建っています。それがイタリアなのです。
ヴィボルドーネ修道院2 11042009_ヴィボルドーネ_08

薄暗い小さな教会内に入り、目が慣れてくるときれいなフレスコ画が見えてきます。有名な教会のフレスコ画とは比較になりませんが、修道院の周りの環境と併せて、じわじわと感動が湧き上がってくるようです。修道院の周りには、多分、修道院の設備の一部であっただろう古い建物が並んでいます。人は誰も住んでいないので、まるでゴーストタウンです。これらの設備を見ると、かつては酪農を初めとしていろいろなものを生産していたのでしょう。このゴーストタウンを歩いていると、そこにぽつんとマリア像が置かれていてまだ新しい花が供えられていました。ミラノからすぐ近くにもかかわらず、観光地とはとても言えないようなイタリアの田舎の雰囲気を味わうことができます。華やかな観光地に飽きた人には絶対にお勧めです。
11042009_ヴィボルドーネ_10 11042009_ヴィボルドーネ_19 11042009_ヴィボルドーネ_15 11042009_ヴィボルドーネ_23

San DonatoからSan Giulianoまではコムーネをひとつ跨ぐだけですので、路線バスに乗って10分ほどで、料金は1 Zoneで1.2ユーロです。但し、ミラノのコムーネ内にあるSan Donatoの地下鉄駅からですと、地下鉄のチケット(1ユーロ75分有効)プラス1.2ユーロとなります。地下鉄のチケットがない場合は、正確には1・1/2 Zoneとなるので1.55ユーロになるはずです。San Giulianoのイタリア国鉄駅で路線バスを降りると、そこにヴィボルドーネ修道院の大きな看板が出ています。地下通路を通って、線路の反対側に出ると1本のポプラ並木の道がありますから、そこをまっすぐ10分弱歩けば到着します。並木道の左前方に修道院と鐘楼が見えますから、そこを目指して歩くだけです。両側の畑からのきれいな空気が漂っていて、天気がよければ最高の散歩道です。こんなにミラノに近いのに、イタリアの田舎の雰囲気をたっぷりと味わえるところなのです。

須賀敦子さんのようにイタリア国鉄で行くこともできます。ミラノの南端にあるロゴレド駅からイタリア国鉄のLinea S(ローディ行き)が1時間に2本ほど出ています。ロゴレド駅から3つ目の駅がSan Giuliano駅で、所要時間は10分で、料金は1.90ユーロです。この駅も小さな駅ですので、列車で行くときは帰りのチケットを購入しておいたほうが良いでしょう。ドゥオモからロゴレド駅又はSan Donato駅までは、M3地下鉄で12~15分です。

San Giuliano駅近くのエミリア街道沿いには、ミシュラン認定の美味しいレストランがあります。美味しいワインに、手作りパスタとフィレンツェステーキは、わざわざここまで食べに行く価値のあるものです。

メッツァーノ
ヴィボルドーネ修道院から畑の中を20分ほど歩くと本当に小さな小さな村があります。古い壊れそうな建物が数件並んでいるだけの小さな村なのですが、古代ローマ時代以前にケルト人が住んでいたと言われている古い村なのです。何故か、レストランだけは2件もありますが、古くて壊れそうな建物には人が住んでいるような気配もありませんでした。この古い村には、古くて壊れそうな小さな教会があります。その教会の脇に小さな霊廟があり、そこにはマリア様がひっそりと置かれていました。誰一人として人影も全くないところですが、ここにはいつも新しい花が供えられています。この霊廟には古い言い伝えがあり、その言い伝えを信じている人によって献花は絶えることがないそうです。
大昔に巨人との戦いがあり、その戦いで亡くなった英雄たちがこの霊廟に葬られているのです。実際に、この霊廟の中には古い人骨があり、今でもそれを見ることが出来るそうです。巨人との戦いですから、古代ローマ時代以前になると思います。その頃からここに霊廟があったのでしょうか。ヨーロッパでは、土着民の古代信仰がマリア様と結びつくケースを良く見ることが出来ますが、ここもそのひとつなのでしょう。イタリアの田舎のひっそりとした小さな村にいると、そんな言い伝えも本当のことのように思えます。
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こんなところにくる日本人は皆無でしょう。イタリアの田舎の畑のあぜ道を散歩していたら偶然通りかかった程度のものなのですが、不思議と神秘な歴史を感じてしまいました。
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Author:matsuohj (パパロンチーノ)
2008年10月20日から2010年8月23日までの1年10カ月ミラノに滞在。その期間、北イタリアを中心に115ヶ所の街を訪ねました。それも、ほとんどが公共交通機関を利用したものです。この経験で得た情報を一人でも多くのイタリア好きの人に伝えるためのブログです。

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