2010-10-28(Thu)
クレスピ・ダッタ
ミラノに非常に近い上に、1995年に世界遺産に登録されているクレスピ・ダッタですが、なかなか訪ねる気持ちにならずに後回しにしていました。他のイタリアの世界遺産に比べるとかなり地味で、歴史的な興味も余り湧いてこなかったのがその理由です。しかし、とにかく近いこともあって、フルに1日を旅行に当てられない日に行くことにしました。
ミラノは少しだけ郊外に出ただけでも、直ぐに田舎の景色になってしまいます。アルプスから始まりベルガモを通ってミラノの東を流れるアッダ川畔は、ミラノ内の地下鉄駅からバスで20分ほどのところであるのですが、もう完全に片田舎です。アッダ川の両側は木々に囲まれ、澄んだアッダ川で渓流釣りを楽しんでいる人がいます。川沿いの木々に囲まれた薄暗い小道を気持ちよく散策していると、それほど古くはないお城が見えてきます。そこがクレスピ・ダッタの入り口です。

クレスピとは、アッダ川のベルガモ側に建設した錦織物工場の工場主の名前です。先ほどのお城はこの工場主の館だったのです。クレスピは、19世紀末のこの地に工場を建設し、同時に工員とその家族のための“労働者の理想郷”を建設したのです。工場の階級によってその家の大きさと構造には各差がありますが、それでも、一番小さな家でさえ、一戸建住宅に庭と家庭菜園が付いています。それだけでなく、教会から墓地まで生活に必要な共有設備や福利厚生の設備まで取り揃えて、すべての工員が平等に利用できたのです。


お城に住む工場主がこの村のすべてを統治し、すべての工員に生活保障のすべてを与えて、安心して工場で働ける環境を整えたのです。19世紀後半、日本では田舎から少女たちを連れてきて強制的に工場で働かせていた明治時代初期です。アメリカでは奴隷制度が真っ盛りで南北戦争の時代です。そんな時代に、ここまで考えた工場主がいたことは驚き以外に何もありません。イタリアの長い歴史の中で、イタリア人は、人間にとって何が一番大事なのかを学び、それが文化となって彼らのDNAに組み込まれているのかもしれません。即ち、衣食住と家族愛(と宗教)がその根本で、その次に来るのが芸術、趣味、ファッション、スポーツなのです。この世界遺産を見て、イタリア人を見直さざるを得なくなりました。工場は既に閉鎖されているようですが、この村の家々は、今でも住人がいます。彼らは、今の世の中をどう考えているのでしょうか。“昔は良かった”と思っているのかもしれません。この村のはずれにある丘の上に昇ると村全体を見渡せます。そこから小さくまとまった村を見ていると、普段は考えないようなことが頭の中を過ぎります。こんな世界遺産が一つはあっても良いのかもしれません。


クレスピ・ダッタは、観光ボケしている頭の中に刺激を与えてくれました。やっぱり来てみないとわからないものですね。クレスピ・ダッタはミラノからアッダ川を渡った対岸にありますのでベルガモ県に属しますが、ベルガモよりもミラノからのほうが近いのです。ここに来るには、ミラノの地下鉄M2の終点であるジェッサーテ(Gessate)まで行きます。地下鉄M2は、このあたりでは地下鉄ではなく地上を走りますので、ジェッサーテ駅も地上にあります。ミラノからここまでは、U+1 1/2Zoneのミラノ郊外料金になりますので2.45ユーロです。また、所要時間はミラノ中央駅から40分です。この駅前からLinea Z310のバス(NETバス)に乗り、Trezzo s. Adda Via Biffi停留所で降ります。ここがこのバスの終点のようです。バスの所要時間は約20分で1 1/2Zoneの区間1.55ユーロとなります。但し、地下鉄とバスの通しチケットならミラノからU+3Zoneチケット(料金は3.15ユーロ)で良いはずです。このチケットは地下鉄の自動販売機(英語表示にしてInterurbane次のInclusiveを選ぶ)で買えますから、帰りの分まで2枚買っておきましょう。
Trezzoの停留所からクレスピ・ダッタの村までは歩いて20分ほどです。アッダ川沿いを南に歩き、歩行者専用の橋を渡って対岸に入ると直ぐに着きます。このあたりはまだ自然が残り、アッダ川の澄んだ水の流れを見ながら気持ち良く散策できるコースです。途中にはお金持ちが所有している古いヴィラや教会もありますので、ちょっと寄り道しても良いでしょう。イタリアの田舎が好きな人にはうってつけです。
途中のヴィラもクレスピ・ダッタの村の中も、今でも住人がいますので、観光するときは迷惑にならないように気をつける必要があります。観光客はそれほど多くはありませんでしたが、皆、静かに観光していました。学生も多く、片手に参考資料を持ってノートをとりながら歩いています。他の世界遺産の観光地とはかなり趣が異なります。

ミラノは少しだけ郊外に出ただけでも、直ぐに田舎の景色になってしまいます。アルプスから始まりベルガモを通ってミラノの東を流れるアッダ川畔は、ミラノ内の地下鉄駅からバスで20分ほどのところであるのですが、もう完全に片田舎です。アッダ川の両側は木々に囲まれ、澄んだアッダ川で渓流釣りを楽しんでいる人がいます。川沿いの木々に囲まれた薄暗い小道を気持ちよく散策していると、それほど古くはないお城が見えてきます。そこがクレスピ・ダッタの入り口です。

クレスピとは、アッダ川のベルガモ側に建設した錦織物工場の工場主の名前です。先ほどのお城はこの工場主の館だったのです。クレスピは、19世紀末のこの地に工場を建設し、同時に工員とその家族のための“労働者の理想郷”を建設したのです。工場の階級によってその家の大きさと構造には各差がありますが、それでも、一番小さな家でさえ、一戸建住宅に庭と家庭菜園が付いています。それだけでなく、教会から墓地まで生活に必要な共有設備や福利厚生の設備まで取り揃えて、すべての工員が平等に利用できたのです。


お城に住む工場主がこの村のすべてを統治し、すべての工員に生活保障のすべてを与えて、安心して工場で働ける環境を整えたのです。19世紀後半、日本では田舎から少女たちを連れてきて強制的に工場で働かせていた明治時代初期です。アメリカでは奴隷制度が真っ盛りで南北戦争の時代です。そんな時代に、ここまで考えた工場主がいたことは驚き以外に何もありません。イタリアの長い歴史の中で、イタリア人は、人間にとって何が一番大事なのかを学び、それが文化となって彼らのDNAに組み込まれているのかもしれません。即ち、衣食住と家族愛(と宗教)がその根本で、その次に来るのが芸術、趣味、ファッション、スポーツなのです。この世界遺産を見て、イタリア人を見直さざるを得なくなりました。工場は既に閉鎖されているようですが、この村の家々は、今でも住人がいます。彼らは、今の世の中をどう考えているのでしょうか。“昔は良かった”と思っているのかもしれません。この村のはずれにある丘の上に昇ると村全体を見渡せます。そこから小さくまとまった村を見ていると、普段は考えないようなことが頭の中を過ぎります。こんな世界遺産が一つはあっても良いのかもしれません。


クレスピ・ダッタは、観光ボケしている頭の中に刺激を与えてくれました。やっぱり来てみないとわからないものですね。クレスピ・ダッタはミラノからアッダ川を渡った対岸にありますのでベルガモ県に属しますが、ベルガモよりもミラノからのほうが近いのです。ここに来るには、ミラノの地下鉄M2の終点であるジェッサーテ(Gessate)まで行きます。地下鉄M2は、このあたりでは地下鉄ではなく地上を走りますので、ジェッサーテ駅も地上にあります。ミラノからここまでは、U+1 1/2Zoneのミラノ郊外料金になりますので2.45ユーロです。また、所要時間はミラノ中央駅から40分です。この駅前からLinea Z310のバス(NETバス)に乗り、Trezzo s. Adda Via Biffi停留所で降ります。ここがこのバスの終点のようです。バスの所要時間は約20分で1 1/2Zoneの区間1.55ユーロとなります。但し、地下鉄とバスの通しチケットならミラノからU+3Zoneチケット(料金は3.15ユーロ)で良いはずです。このチケットは地下鉄の自動販売機(英語表示にしてInterurbane次のInclusiveを選ぶ)で買えますから、帰りの分まで2枚買っておきましょう。
Trezzoの停留所からクレスピ・ダッタの村までは歩いて20分ほどです。アッダ川沿いを南に歩き、歩行者専用の橋を渡って対岸に入ると直ぐに着きます。このあたりはまだ自然が残り、アッダ川の澄んだ水の流れを見ながら気持ち良く散策できるコースです。途中にはお金持ちが所有している古いヴィラや教会もありますので、ちょっと寄り道しても良いでしょう。イタリアの田舎が好きな人にはうってつけです。
途中のヴィラもクレスピ・ダッタの村の中も、今でも住人がいますので、観光するときは迷惑にならないように気をつける必要があります。観光客はそれほど多くはありませんでしたが、皆、静かに観光していました。学生も多く、片手に参考資料を持ってノートをとりながら歩いています。他の世界遺産の観光地とはかなり趣が異なります。










