2010-11-02(Tue)
クレマ
また、地下鉄M3サンドナート駅からバスに乗り、今度は、途中の大きな街、クレマに行きました。ロンバルディア州クレモナ県の人口40000人の街です。ここにはイタリア国鉄の駅もあるのですが、ミラノからの距離が近いにもかかわらず、路線が遠回りになるので列車では時間がかかってしまいます。ソンチーノに行くときにこの街の直ぐ傍を通ったのですが、旧市街は今でも完全に城壁で囲まれていて、とても印象的な街でした。大きな街ですが、観光ガイドにも載っていない普通のイタリアの街かもしれないとの不安を満ちつつ、思い切って訪ねてみました。ところが、街の中心部のインフォメーションには、英語のガイドと観光マップも用意されている観光客に優しい街で、しかも、期待以上に中世の香りの残っている素晴らしい観光地だったのです。
この街はロンバルド人の侵略があった6世紀からその歴史が始まっているようです。11世紀には農業と羊毛の生産によって繁栄したのですが、12世紀に神聖ローマ帝国のバルバロッサにより長期間包囲され占領されてしまいました。ところが、12世紀終わりに、神聖ローマ帝国と同盟していたクレモナの支配の下、城壁も修復されて街は更に繁栄したそうです。ドゥオモもこの頃に建てられています。その後、ミラノの支配下に入ったのですが、15世紀にはヴェネツィア共和国の支配に移りました。この時にクレマはヴェネツィアから特権を与えられて大きく繁栄し、現在の旧市街がほぼ形成されています。現存する街の周りの城壁もこの時に修復されたものです。
クレマから放射線状に道路が延びていますが、道路通過以外の部分は、今でも城壁に取り囲まれていて、旧市街の街並を中世のままに維持しています。城壁の東西に大きな門があり、そこを結ぶ9月20日通りの両側に街の中心部があります。バスは、東側の城壁の直ぐ外に停まりましたが、旧市街には入らず、セーリオ川に沿って北へ1キロほど歩いたところにあるサンタ・マリア・デッレ・クローチェ教会に向かいました。1490年に建てられたルネッサンス様式の素晴らしい教会です。後で貰ったクレマのガイドブックには、“サンタ・マリア・デッレ・クローチェ教会を見ずしてクレマを知っていると言うな”と書いてあります。円筒形の聖堂の周りに小さな礼拝堂を従えた形は、ビサンチン様式の影響が見て取れます。ヴェネツィア共和国時代に建てられていますので、その影響でしょう。このようなビサンチン様式は、ミラノ周辺では余り見ることが出来ません。

外観の素晴らしさと同様に、教会内部も素晴らしく、久しぶりに感動させてもらえる教会でした。有名でもない観光地にもこれほどの教会があるのが、やはり、イタリアです。

教会から街に戻ると東側のセーリオ門から旧市街に入り、クレマのお菓子や、カフェ及びミラノのブランド店が並ぶ9月20日通りを歩いてドゥオモ広場に入りました。12世紀に征服者であるバルバロッサが建てた教会の上に13世紀後半から14世紀中旬にかけて建てられた大きくて豪華なロンバルディア・ゴシック建築のドゥオモがあります。ドゥオモの並びには同時期に建てられたプレトリオ宮殿、前にはヴェネツィア共和国時代に建てられたコムーネ宮殿と、ここに歴史的な建物が集中しています。プレトリオ宮殿とコムーネ宮殿には、ヴェネツィア共和国の紋章“翼の付いたライオン”が残っています。この広場にインフォメーションもありますので、英語のガイドとガイドマップを貰いました。カフェも並んでいるなかなか感じの良い広場です。


クレマのドゥオモはこの街にふさわしく大きな大聖堂です。正面に3つの祭壇があります。主祭壇の左側は聖母マリアの金の像、右側には磔のキリスト像があります。この右側のキリスト像では何度か奇跡が起こっているそうです。古くは、足に傷を受けて歩けなくなった兵隊が、この像を祈ると直ぐに歩けるようになったとか。最近では、医者も見離した強度の拒食症の少女が、最後の手段でこの像に祈りを捧げると、その日の夜から普通に食べられるようになったそうです。ここで会った信者の方が英語で教えてくれました。

クレマの旧市街には、古い建物が並んでいて、メインストリートから外れて路地裏沿いを歩くのも楽しみの一つです。彫刻で飾られた17,8世紀の宮殿は、現在でもアパトーとして使われていました。写真を撮っている数人の観光客の横をすり抜けて中に入っていく住人の姿は、イタリアならではの光景です。クレマの博物館・美術館もメインストリートからちょっと入ったところにありました。しかし、改装中で閉館していました。

西側のオブリアーノ門を抜けて城壁の外に出ると、城壁の周りは公園になっています。保存状態の良い15世紀の城壁は見事です。ルッカの城壁と比べてもそれほどの遜色はありません。イタリアには、こんな街がいたるところにあるのでしょうね。

今回も、地下鉄M3のサンドナート駅からアッダ・トランスポルティのLinea 34のバスに乗りました。クレマまでは約1時間で料金は片道3.4ユーロです。列車でもクレマに行くことが出来ますが、ミラノ・ランブラーテ駅からの普通列車で55分~1時間かかります。料金も4.2ユーロなので、サンドナート駅からのバスのほうが安くて便利です。但し、日曜日にはバスが2時間に1本と少なくなりますので注意が必要です。
この街はロンバルド人の侵略があった6世紀からその歴史が始まっているようです。11世紀には農業と羊毛の生産によって繁栄したのですが、12世紀に神聖ローマ帝国のバルバロッサにより長期間包囲され占領されてしまいました。ところが、12世紀終わりに、神聖ローマ帝国と同盟していたクレモナの支配の下、城壁も修復されて街は更に繁栄したそうです。ドゥオモもこの頃に建てられています。その後、ミラノの支配下に入ったのですが、15世紀にはヴェネツィア共和国の支配に移りました。この時にクレマはヴェネツィアから特権を与えられて大きく繁栄し、現在の旧市街がほぼ形成されています。現存する街の周りの城壁もこの時に修復されたものです。
クレマから放射線状に道路が延びていますが、道路通過以外の部分は、今でも城壁に取り囲まれていて、旧市街の街並を中世のままに維持しています。城壁の東西に大きな門があり、そこを結ぶ9月20日通りの両側に街の中心部があります。バスは、東側の城壁の直ぐ外に停まりましたが、旧市街には入らず、セーリオ川に沿って北へ1キロほど歩いたところにあるサンタ・マリア・デッレ・クローチェ教会に向かいました。1490年に建てられたルネッサンス様式の素晴らしい教会です。後で貰ったクレマのガイドブックには、“サンタ・マリア・デッレ・クローチェ教会を見ずしてクレマを知っていると言うな”と書いてあります。円筒形の聖堂の周りに小さな礼拝堂を従えた形は、ビサンチン様式の影響が見て取れます。ヴェネツィア共和国時代に建てられていますので、その影響でしょう。このようなビサンチン様式は、ミラノ周辺では余り見ることが出来ません。



外観の素晴らしさと同様に、教会内部も素晴らしく、久しぶりに感動させてもらえる教会でした。有名でもない観光地にもこれほどの教会があるのが、やはり、イタリアです。



教会から街に戻ると東側のセーリオ門から旧市街に入り、クレマのお菓子や、カフェ及びミラノのブランド店が並ぶ9月20日通りを歩いてドゥオモ広場に入りました。12世紀に征服者であるバルバロッサが建てた教会の上に13世紀後半から14世紀中旬にかけて建てられた大きくて豪華なロンバルディア・ゴシック建築のドゥオモがあります。ドゥオモの並びには同時期に建てられたプレトリオ宮殿、前にはヴェネツィア共和国時代に建てられたコムーネ宮殿と、ここに歴史的な建物が集中しています。プレトリオ宮殿とコムーネ宮殿には、ヴェネツィア共和国の紋章“翼の付いたライオン”が残っています。この広場にインフォメーションもありますので、英語のガイドとガイドマップを貰いました。カフェも並んでいるなかなか感じの良い広場です。






クレマのドゥオモはこの街にふさわしく大きな大聖堂です。正面に3つの祭壇があります。主祭壇の左側は聖母マリアの金の像、右側には磔のキリスト像があります。この右側のキリスト像では何度か奇跡が起こっているそうです。古くは、足に傷を受けて歩けなくなった兵隊が、この像を祈ると直ぐに歩けるようになったとか。最近では、医者も見離した強度の拒食症の少女が、最後の手段でこの像に祈りを捧げると、その日の夜から普通に食べられるようになったそうです。ここで会った信者の方が英語で教えてくれました。



クレマの旧市街には、古い建物が並んでいて、メインストリートから外れて路地裏沿いを歩くのも楽しみの一つです。彫刻で飾られた17,8世紀の宮殿は、現在でもアパトーとして使われていました。写真を撮っている数人の観光客の横をすり抜けて中に入っていく住人の姿は、イタリアならではの光景です。クレマの博物館・美術館もメインストリートからちょっと入ったところにありました。しかし、改装中で閉館していました。



西側のオブリアーノ門を抜けて城壁の外に出ると、城壁の周りは公園になっています。保存状態の良い15世紀の城壁は見事です。ルッカの城壁と比べてもそれほどの遜色はありません。イタリアには、こんな街がいたるところにあるのでしょうね。


今回も、地下鉄M3のサンドナート駅からアッダ・トランスポルティのLinea 34のバスに乗りました。クレマまでは約1時間で料金は片道3.4ユーロです。列車でもクレマに行くことが出来ますが、ミラノ・ランブラーテ駅からの普通列車で55分~1時間かかります。料金も4.2ユーロなので、サンドナート駅からのバスのほうが安くて便利です。但し、日曜日にはバスが2時間に1本と少なくなりますので注意が必要です。
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