--------(--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2010-11-20(Sat)

コルネッロ・ディ・タッソ

コルネッロ・ディ・タッソ(タッソ家のコルネッロ村)はベルガモの北35キロにあるイタリアの「最も美しい村」です。この村は、カメラータという名の人口600人の村の近くにある人口が僅か45人の本当に小さな村なのです。こんな山奥の小さな村が何故「最も美しい村」に選ばれたのか、その村の歴史を知らない限り理解できません。
この村はブレンボ川沿いの切立った丘の上にあります。この川沿いの地域はヴァル・ブレンバーナ(ブレンバーナ渓谷)と呼ばれ、北イタリアからヴァル・テッリーナ(テッリーナ渓谷)に繋がる交易路でした。ヴァル・テッリーナはサンモリッツを通り、スイスのグリソン地方へと繋がっていますので、北イタリアからスイスやオーストリアに行くにはこの交易路が重要だったのです。この交易路の中継地であったコルネッロの領主タッソ家は、地の利を活かして郵便会社を営み、14,5世紀には、オーストリアのパプスブルグ家の加護を受けて、全ヨーロッパに支店を持つほど巨大な企業になりました。従って、当時コルネッロ村も大いに繁栄していたのです。しかし、15世紀になると、山を砕いてもっと短い交易路が開発されて、コルネッロ村を通らなくなってしまったのです。従って、15世紀以降、誰一人としてコルネッロ村に立寄る人がいなくなり、村は急速に衰退してしまったのです。村は、15世紀で時間が止まったかのように、その当時のまま取り残されてしまいました。

歴史はどうあれ、今は45人しか住んでいないのですから、この村に行くのは大変です。ベルガモからピアッツァ・ブレンバーナ行きのバスがカメラータの停留所で停まりますので、そこからコルネッロ村までは歩くしかないのです。思ったとおり、人口600人の村の停留所でバスを降りる人は誰もいませんでした。その停留所から人口45人の村までの道路標識などあるわけがありません。しかし、“Museo”と書かれた小さな標識を見つけました。「最も美しい村」に選ばれているのですから博物館くらいあるはずです。その標識の指示に従いブレンボ川を望む切立った崖に沿った歩行者用の細い山道を約1キロ歩くと、45人の微かな息遣いだけを感じるひっそりとした村に突き当たりました。ここがコルネッロ村でした。第一印象は、“大変なところに来てしまった”でした。
08052010_C01_カメラータ景色_004 08052010_C01_カメラータ景色_008 08052010_C02_コルネッロ村入口_002

ここまでの道のりでは誰にも会わなかったのですが、村に入ると5,6人の団体客が2組も観光していました。崖の下の道路からここまで登ってくるもう一つのルートがあったようです。標識には“Museo”とありましたが、村の中にある小さなMuseoは閉まっています。でも、ここは村全体がMuseoなのです。正に、15世紀から時間が止まっている村でした。村には小さな教会があります。木造瓦葺屋根のロマネスク様式の古い教会です。教会の内側の窓の少ない両壁と祭壇の裏の壁面には、当時の繁栄を示すように立派なフレスコ画が残っています。15世紀以前に描かれたのでしょう。かなりの傷みがあります。まだ、観光化されていないこの村では、ちゃんとした管理もされていないのだと思います。
08052010_C02_コルネッロ村入口_006 08052010_C03_コルネッロ村内部_001 08052010_C04_コルネッロ村教会_001
08052010_C05_コルネッロ村教会内部_008 08052010_C05_コルネッロ村教会内部_003 08052010_C05_コルネッロ村教会内部_009

この映画のセットのような村は小さくて10分もあればすべての道をゆっくり歩くことが出来ます。現在の時代を示すものはところどころに見える電線だけで、それ以外は何もありません。もちろん、この村に入るには細い歩行者用の山道しかありませんから、村の中には車もありません。民家の軒先には薪が積み上げられていて、今でも、冬の暖房は薪に頼っているのがわかります。本当にすごいところです。村人45人のほとんどは、村の入口付近の斜面に建つ一塊の石の家に住んでいるようです。その建物は4階建てで、1階部分は城壁と倉庫になっています。2階部分は各家の店や作業場に入る入口があり、アーケードになっている村の石畳の道はこの高さにあわせてあります。3階部分が住居で、窓には洗濯物が干してあります。4階部分にはポルチコの通路が見えます。この通路と村の教会は同じ高さにあり、この通路を通って雨でも濡れずに教会に行けるようになっているのでしょう。
08052010_C06_コルネッロ村並_016 08052010_C09_コルネッロ村並_012 08052010_C03_コルネッロ村内部_002
08052010_C06_コルネッロ村並_010 08052010_C09_コルネッロ村並_016 08052010_C09_コルネッロ村並_001

この一塊の家の先を抜けるとちょっと大きな家が数件並び、直ぐにこの村の境界の城壁になります。そこに城壁と一体になったタッソ家の宮殿跡があります。昔は大きな宮殿があったのかもしれませんが、今は“夢の跡”だけです。
08052010_C07_コルネッロ村・タッソ家跡_004 08052010_C07_コルネッロ村・タッソ家跡_001 08052010_C07_コルネッロ村・タッソ家跡_008

ローマ遺跡もそうですが、急速に消滅或いは衰退した街ほどその当時の面影がたくさん残っています。コルネッロ村は、正に、その代表のような村でした。しかし、これまで訪ねた村の中でも一番小さいうえ、一番田舎にある村でした。良くこんなところまで来たものです。我ながら感心しました。しかし、田舎の景色は最高です。これを見れば、ここまで来たことに満足しない人はいないと思います。
08052010_C10_コルネッロ村・景色_001 08052010_C11_カメラータ・ブレンボ川景色_009 08052010_C12_カメラータ・コルネッロ村景色_003

この日は、“アルピニストの日”というお祭りだったようで、鳥の羽がついたベレー帽と昔のアルペン部隊の軍服を着た人がベルガモの街とバスの中にたくさんいました。このお祭りで、アルプス方面に向かうバスは無料でした。片道1時間くらいかかりますので、バス料金も片道3ユーロほどだと思います。ベルガモからカメラータ村へは、ベルガモ駅の直ぐ横にあるSABバスのターミナルからピアッツァ・ブレンバーナ行きのバスに乗ります。ベルガモのチケット売り場で往復を買っておきましょう。例によって、運転手さんにカメラータ・コルネッロの停車場で降りることを言っておくことを忘れないでください。

ミラノとベルガモ間のイタリア国鉄は2通りあります。ミラノ中央駅だと、1時間間隔で所要時間は45分、料金は4.2ユーロです。ポルタ・ガリバルディだと、20-40分間隔で所要時間は1時間で、料金は3.6ユーロです。本数も多いので好きな列車に乗れば良いと思います。特に、ミラノへの戻りは、臨機応変に考えて良いと思います。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

義援金募集
FC2「東北地方太平洋沖地震」義援金募集につきまして
プロフィール

matsuohj (パパロンチーノ)

Author:matsuohj (パパロンチーノ)
2008年10月20日から2010年8月23日までの1年10カ月ミラノに滞在。その期間、北イタリアを中心に115ヶ所の街を訪ねました。それも、ほとんどが公共交通機関を利用したものです。この経験で得た情報を一人でも多くのイタリア好きの人に伝えるためのブログです。

カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
検索フォーム
カテゴリー名や都市名を記入して、読みたいブログを検索して下さい。
全記事表示リンク
イタリア赴任中に訪ねた115ヶ所の街や村のブログもリストされています。

全ての記事を表示する

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
リンク
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
FC2カウンター
ブログの訪問者数です。
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
海外情報
353位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
ヨーロッパ
99位
アクセスランキングを見る>>
にほんブログ村ランキング
クリックしてください
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ
ブログランキング

FC2Blog Ranking

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。